
事業を拡大する方法として「多店舗展開」がありますが、店舗の形態や規模によっては多額のコストがかかります。
したがって短期間に店舗を増やそうとすれば、経営にも影響しかねません。
また組織が大きくなることで、経営や人材の管理は難しくなります。メリットだけでなく、リスクがあることも理解しておきましょう。
この記事では、多店舗展開するメリットや注意点、直営店とフランチャイズの違い、多店舗展開を成功させる方法を解説します。
事業の拡大やフランチャイズ経営を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
多店舗展開とは
「多店舗展開」とは、どのような戦略なのでしょうか。初めに、多店舗展開について解説します。
多店舗展開とは?
多店舗展開とは、同じブランドの店舗を、複数の地域で運営することをいいます。1号店の経営が安定したタイミングで、2号店以降の出店を計画するのが一般的です。
つまり成功したビジネスモデルを使って、事業を拡大していく手法です。
飲食業や小売業、サービス業など多くの業界で採用されている経営戦略の一つで、「直営店方式」と「フランチャイズ方式」があります。
店舗数を増やすことで、売上拡大やブランドの認知度アップを期待できます。ほかにもさまざまなメリットがありますが、詳しくは次の章で解説していきます。
多店舗展開する5つのメリット
多店舗展開には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的な5つのメリットについて解説します。
売上の増加
複数のエリアに同じブランドの店舗を出店し、商圏を広げることで、売上の拡大を期待できるのがメリットです。
店舗数と商圏を拡大することで、来店者数を増やすことができ、またその顧客がリピーターとなれば、安定した売上を得られるでしょう。
すでにリピーターとなった顧客は、ほかの店舗へ来店することも少なくありません。店舗を増やすことで、利用頻度の向上につながれば、さらに売上増加を見込めます。
認知度の向上
多店舗展開することで、消費者の目に留まる機会が増えれば、自然と認知度は高まります。
ちなみにある特定の地域に集中的に出店し、認知度を高めて圧倒的なシェアを獲得することを「ドミナント戦略」といい、コンビニエンスストアなどでよく見られる手法です。
既視感のあるブランドに人は信頼感を抱きやすく、認知度がアップできれば、来店者の増加と売上の向上につながるでしょう。
商圏内で顧客が増えて口コミや評判が広まれば、その認知度によってそれほど広告宣伝費をかけずとも集客しやすくなるのもメリットです。
口コミや評判を味方にすれば、ブランドの認知度を高められます。SNSの活用なども取り入れて、リピーターを増やす工夫を検討しましょう。
スケールメリットの活用
多店舗展開は、1店舗のみでの経営の場合に比べて、スケールメリットを生かせるのが魅力です。
多店舗になれば商品を大量に仕入れることになり、仕入れ先に対して値下げ交渉しやすくなります。
また広告宣伝費などの必要経費も、1店舗当たりのコストは下がります。一つひとつのコストを削減できれば、利益率は高くなり、収益アップが望めるでしょう。
また複数の店舗があることで、人材の活用もしやすくなります。例えばある店舗で人材が不足しても、ほかの店舗から割り当てることができます。
従業員が何らかの理由で急に退職することになったとしても、慌てて社員やアルバイトを探す必要がなく、適材適所に人員を配置できるようになるでしょう。
リスクの分散
多店舗展開のメリットの一つに、リスクの分散があります。1店舗だけで経営している場合、売上が低迷し続ければ、会社の存続が難しくなるようなケースもあるでしょう。
しかし複数の店舗を経営している場合、たとえ一つの店舗の売上が落ちたとしても、ほかの店舗の収益でカバーすることが可能です。投資におけるリスク分散のために、さまざまな投資商品を購入し、資産を分散させるのに似ています。
リスクの分散は、経営を安定させるために必要な戦略の一つです。エリアの特徴を見極めて、リスク分散できる出店配置になるように計画しましょう。
社員のモチベーションアップ
多店舗展開することで、社員のモチベーションアップにもつながります。
複数の店舗を運営することで、組織が大きくなり、役職やポジションも増やせます。つまり従業員にとっては、昇格や昇給のチャンスが増えることになるからです。
また大きな組織で働いていること自体も、一人ひとりの自己肯定感の底上げにつながります。そして従業員の意識の変化は、企業のサービス品質の向上に寄与するでしょう。
多店舗展開する方法
複数の店舗を出店し、事業を拡大したいと考えている方のために、ここからは多店舗展開する方法を解説します。
直営店方式とフランチャイズ方式がある
多店舗展開する方法として、直営店方式とフランチャイズ方式があります。
それぞれに特徴があり、デメリットもあります。仕組みをよく理解し、どちらが向いているのか見極めるようにしてください。
直営店方式
まず、直営店方式の概要と、メリット・デメリットについて解説します。実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
直営店方式とは
多店舗展開における直営店方式とは、自社が直接所有する店舗を、社員やアルバイトを使って運営するビジネスモデルです。
本社と店舗で働く社員やアルバイトとは雇用関係にあり、店舗の売上は、すべて本社の収益となります。
メリット
本社は直営の店舗を運営することになるため、組織を管理しやすく、介在する企業が存在しないため、利益率は高くなるのがメリットです。
本社の方針やイメージを変える必要がなく、直営店でそのまま実現できます。
- 本社は直営店の収益すべてを享受できる
- 直営店で働く社員やアルバイトとは雇用関係にあり、組織を統制しやすい
- 本社独自の方針やルールを反映した運営が可能
デメリット
直営店を複数店舗展開する費用は、本社が全額負担しなければならず、投資リスクは高くなるのがデメリットです。
また経営方針や営業スタイル、マニュアルに至るまで、ビジネスモデルを確立するのにコストと時間がかかるでしょう。
- 店舗費用やプロモーションにかかる費用は、全額本社の負担になる
- 経営方針の策定や、マニュアルの作成などにコストと時間がかかる
- 直営店舗数を拡大するのに、年単位の時間がかかる可能性がある
直営店方式での多店舗展開の事例
直営店の成功事例として、スターバックスコーヒージャパンが挙げられるでしょう。
コーヒーとともに「リラックスできる空間を提供する」というコンセプトを維持するため、ほぼ直営店での展開となっています。
駅や空港など、一部施設ではライセンス事業(運営委託)が存在しますが、街で見かけるスターバックスは、基本的に直営店です。
1996年に銀座に1号店をオープンし、2026年現在では約2,100店舗以上を展開しています。まさにそのイメージ戦略が成功し、直営店の増加を成し遂げたよい事例ではないでしょうか。
フランチャイズ方式

多店舗展開するもう一つの方法として、フランチャイズ方式もあります。
同じくフランチャイズのメリット・デメリットについて解説し、実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
フランチャイズ方式とは
フランチャイズ方式とは、本部が商標やロゴ、ノウハウなどを加盟店に提供し、加盟店はその対価として加盟金やロイヤリティを支払う仕組みです。
特にフランチャイズ契約に際しては、本部は加盟希望者に対し、契約内容や経営状態を記した『法定開示書面』を交付し、説明する義務があります。
この書面でロイヤリティの計算方式や契約期間を正確に把握することが、多店舗展開の第一歩となります。
フランチャイズ本部は大規模なコストをかけずとも、加盟店という形で店舗数を拡大でき、一方加盟店は直営店で実証済みのビジネスモデルを利用できるため、双方にメリットがある仕組みといえます。
メリット
フランチャイズ店のオーナーが店舗費や設備費などの経費を負担するため、本部はコストをかける必要がありません。
また加盟店にとっても、ブランド力を活用することで事業を軌道に乗せやすく、マニュアル作成やシステムの構築に、手間をかけずに事業を始めることができるのが魅力でしょう。
デメリット
本部と加盟店に雇用関係はなく、別の企業であるため、統制がとりにくい傾向があります。
方針やルールを定めたとしても、すべての従業員やアルバイトへ浸透させることは難しいかもしれません。
また本部の収入源は、加盟金やロイヤリティです。直営店を経営するのに比べて、利益率は低くなるでしょう。
- 主な収入源はロイヤリティで、直営店に比べて利益率は低くなる
- ブランドを守るために、加盟店の質を維持する必要がある
- SV(スーパーバイザー)を定期的に巡回させるなど、加盟店へのサポートが欠かせない
フランチャイズ方式での多店舗展開の事例
フランチャイズ方式で店舗数を拡大してきたコメダ珈琲店は、地域密着を心がけ、比較的加盟店の裁量が大きいことでも有名です。
コメダ珈琲店は全国に1,055店舗(2025年2月末時点)あり、そのほとんどが加盟店です。
最低限のルール以外は店舗に任せていて、独自性を表現できるため、加盟店オーナーたちのモチベーションは高く、毎日でも通いたくなるような店舗づくりにつながっています。
ロードサイドタイプやビルトインタイプ、ショッピングセンタータイプ、特殊立地タイプと、店舗の形態もさまざまで、出店のしやすさも魅力となっています。
フランチャイズごとに、ルールや方針は異なります。加盟店の裁量が大きいフランチャイズを選択すれば、オーナーの希望を反映することもでき、地域に合わせた店づくりが叶うことが分かります。
ちなみにハウスドゥでは、営業時間や定休日に制限がなく、加盟店オーナーが自由に設定することができます。
また、業界では珍しい『定額制ロイヤリティ』を採用しているため、多店舗展開で売上が伸びた分だけオーナーの利益が残りやすく、2店舗目、3店舗目への投資意欲(モチベーション)を維持しやすいのが特徴です。
実際に100以上の加盟店が多店舗展開に成功しており、その事例はセミナーでも詳しく紹介しています。
詳しくは事業説明会やセミナーにご参加いただくか、資料請求からお問い合わせください。
【ハウスドゥ】ハウスドゥのフランチャイズ募集に関するよくあるご質問(FAQ)
多店舗展開を成功させる方法

店舗を単に増やしても、売上や利益が増加するとは限りません。最後に、多店舗展開を成功させるために押さえておくべきポイントを紹介します。
多店舗展開を計画している方はもちろん、独立・開業を検討している方もぜひ参考にしてください。
認知度アップのためのブランド戦略
多店舗展開といっても、複数の店舗を単に出店しただけでは、大きな利益を得ることは難しいでしょう。
「有名な看板(ブランド)さえあれば集客できる」という考えは禁物です。
本部が提供するブランド力を活かしつつ、地域に根ざした一貫性のあるサービスを提供し、顧客を「ファン』に変える努力が不可欠です。
一貫したメッセージやテーマをかかげて、ブランドを確立させましょう。他社では得られないような体験ができれば、顧客はファンになり、繰り返し利用してもらえれば、安定した売上を期待できます。
つまり「来店」「リピート」「ファンになってもらう」のサイクルをつくり出すことが重要です。
ファンになってもらえれば、口コミや評判が増え、さらにファンを増やすことができます。このサイクルが回りだせば、それほど広告費をかけずとも、集客できるようになるでしょう。
営業マニュアルの標準化
複数の店舗を展開するのであれば、営業マニュアルやルールブックを作成し、サービス品質を標準化させましょう。
店舗ごとに営業スタイルが異なると、間違った対応ではないとしても、利用者は混乱しかねません。
ブランドに統一感があると、顧客は信頼できると感じるものです。会社の方針も同様です。従業員が同じ理念を持って働くことで、企業としての質が向上するでしょう。
具体的には看板や店舗のデザイン、ディスプレイの仕方、接客スタイルなどです。細かい話になりますが、受電した際のフレーズなども統一することをおすすめします。
人材教育の強化
多店舗展開する場合は、人材教育を強化し、従業員のスキルも標準化しましょう。
たった一人の従業員のスキルが低かっただけだとしても、企業全体の評判を落としかねません。
年次やスキルに合わせて研修や勉強会を開催し、ボトムアップを目指しましょう。どの従業員が対応しても、同じような体験ができれば、顧客は安心感を抱きやすくなります。
フランチャイズによっては、加盟店の従業員向けに、研修会を開催していることがあります。
社内で開催する手間が省ける上、外注するよりもコストを抑えることが可能です。
なるべく効率よく運営したい企業には、フランチャイズでの多店舗展開がおすすめです。
デジタルツールの活用
業務効率化を進めるのであれば、デジタルツールやシステムの導入を検討しましょう。
DX化というと、一見難しそうな印象を受けるかもしれませんが、業務に取り入れることで、本部は各店舗を管理しやすくなります。
勤怠や顧客データ、在庫、タスクの管理にクラウドツールを採用すれば、本部(本社)は各店舗の状況をひと目で確認でき、一元管理ができます。
顧客からの連絡やアポにLINEやチャットを活用している企業もあり、SNSや口コミなどを、広告や情報発信の場として利用する方法もあります。
【代表的なデジタルツール例】
- ビジネスチャットツール(Slack)
- オンライン会議(Zoom・Google Meet)
- 電子契約・電子決済サービス(GMOサイン)
- タスク管理ツール(Backlog)
- アプリ作成(kintone)
- 情報共有(Dropbox)
まとめ
多店舗展開とは、同じブランドの店舗を複数の地域で運営することをいい、直営店方式とフランチャイズ方式があります。
直営店方式は、従業員に方針やルールを浸透させやすく、本社は各店舗の収益すべてを手にすることができるのがメリットです。
しかし店舗費や設備費など、初期投資を負担する必要があり、事業を拡大するのにリスクがともなうでしょう。
フランチャイズ方式はすでに確立したビジネスモデルを活用でき、店舗費や設備費は各フランチャイズオーナーの負担になります。本部にとっては、比較的低リスクでFC店舗を増やせるのが魅力です。
直営店方式・フランチャイズ方式のどちらにもメリット・デメリットがあるため、それぞれの特徴をよく理解した上で選択することをおすすめします。
不動産売買仲介専門・フランチャイズ店舗数No.1(※「ビジネスチャンス」〈2025年12月22日発行-2026年2月号〉より)のハウスドゥでは、現在加盟店を募集しています。
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