人材採用で失敗しないためには?募集方法や重視すべきポイントを解説

企業の継続的な成長には優秀な人材が欠かせません。人材採用は企業の重要な活動の1つですが、多くの企業が「人材が定着しない」「コストがかかりすぎる」などの課題を抱えています。この記事では人材採用の課題や方法、手順を解説します。

人材採用の課題

人材採用でつまずく原因としては、企業と求職者の認識のズレや、少子高齢化などの社会情勢が挙げられます。まずは、企業が抱える人材採用の課題を解説します。

人材採用のミスマッチ

人材採用では企業と求職者の間に認識のズレが生じる場合があります。ミスマッチが起こりやすい項目は、次のとおりです。

・業務内容

・待遇

・人間関係

・社風

適切なアプローチができなければ、企業が求める人材が集まらず、採用がスムーズに行えません。また、自社の良い点ばかりアピールしてしまうと、「選考時と話が違う」「イメージしていた働き方が実現できない」など、採用後にトラブルに発展するケースもあります。

人材採用の競争激化

少子高齢化によって労働人口が減っていることも、企業が抱える人材採用の大きな課題です。企業間での人材採用の競争も激化しており、これまでと同じ条件では優秀な人材を獲得しづらくなっています。どの業界も人手不足に悩まされていますが、そのなかでも建設、運送、福祉、飲食、宿泊は深刻な状況です。

人材からの内定辞退

選考終了後に、人材から内定辞退の申し出があるケースは少なくありません。実際に、多くの求職者が複数の企業に応募し、より条件がいいところへの就職を希望しています。コストと時間をかけて採用活動を行っても、内定を辞退されてしまえば振出しに戻ってしまいます。企業には、内定辞退を抑えるための施策や工夫が必要です。

人材採用の方法

時代のニーズに合わせて、人材採用の方法も多様化しています。ここでは、人材採用の方法を8つ紹介します。

自社採用

外部の採用媒体に頼らず、自社で人材採用を進める方法です。自社サイトの採用ページに力を入れたり、独自のネットワークを構築したりして採用活動を行います。大手でなくても、業界内で知名度がある企業や話題となる取り組みをしている企業は、優秀な人材の確保につなげやすい方法です。

サイトやコンテンツ作成に時間がかかりやすい点は懸念材料ですが、採用コストを抑えられるメリットがあります。

ポテンシャル採用

求職者の経験やスキルではなく、意欲や潜在能力に着目して採用する方法です。一般的な採用では経験やスキルといった、目に見えやすい点が評価されがちですが、ポテンシャル採用では、求職者の「現在」よりも「将来性」を重視します。

求人への応募が少ないと感じている企業は、求める人材要件が高すぎるのかもしれません。経験やスキルではなく、ポテンシャルに重きを置くことで、候補者の幅が広がります。

人柄重視採用

求職者のスキルや経験より、個性や性格といった人柄を重視して採用する方法です。人柄重視採用では、人材の意欲やコミュニケーション能力、礼儀正しさなどを評価します。営業職やサービス業など、人と接する機会の多い職種や業界に向いている手法です。未経験者をはじめ、多彩な人材を採用したいときにおすすめです。

アセスメント採用

人材アセスメントを取り入れて採用する手法です。人材アセスメントとは、組織外の第三者によって求職者を評価する仕組みです。採用に特化したツールを活用することで、人事担当や面接官の主観が入りづらくなり、企業と求職者のミスマッチが軽減できます。

ジョブ型採用

ジョブディスクリプションを掲げて、マッチする経験やスキルを持つ人材を採用する方法です。ジョブディスクリプションとは、業務内容を詳しく説明する文書を指します。専門性の高い人材を採用するときに向いており、基本的にはジョブローテーションは行わず、特定の業務にのみ従事してもらう点が特徴です。世界ではスタンダードな採用方法で、日本でも導入する企業が増えています。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)

SNSを通して採用する方法です。SNSの利用者が多い20代~30代をターゲットとする場合に効果的で、求職者に直接アプローチすることができます。SNS採用を行う場合は、自社の情報を継続的に発信することも大切です。自社の魅力を発信することで、フォロワーの獲得が期待でき、会社のブランド力も向上します。

リファラル採用

自社の従業員や関係者から求職者を推薦してもらって採用する方法です。企業側は事前に求職者のスキルや経験の情報を確認でき、求職者側は事前に社風や業務内容などを聞いておけるなど、双方にメリットがあります。将来的な転職を見据えてリファラル採用に臨む求職者も多いため、入社までに期間を要するケースもありますが、優秀な人材と関係を強化することが可能です。

アルムナイ採用

自社を退職した人材を改めて採用する方法です。アルムナイ(alumni)とは、「卒業生」や「同窓生」を意味する言葉で、ビジネスシーンでは「退職者」を指します。何らかの事情で自社を退職した人材なら、社風や業務内容を知っているので、即戦力としての活躍が期待できるでしょう。アルムナイ採用は、出戻り採用、カムバック採用、ジョブリターンと呼ばれることもあります。

人材採用のステップ

人材採用の手順を4つのステップごとに紹介します。事前準備をしっかりと行うことで、ミスマッチを減らし、企業と求職者双方にとって満足度の高い採用活動が行えます。

採用計画の立案

はじめに、採用計画として次の項目を検討します。

・人材が必要な部門はどこか

・いつまでに何人を採用するか

・予算はいくらか

採用計画の骨組みが決まったら、具体的なスケジュールに落とし込んでいきます。新卒採用と中途採用では目的や求める人物像が異なるため、別々に計画を立てるのが一般的です。

求める人物像を考える

採用計画に合わせて、求める人物像を明確にします。企業の中長期計画との整合性がとれるよう、求めるスキルや知識、社風に合う性格などをリストアップしていきましょう。年齢や学歴、経歴などについてペルソナ設計することも有効です。

ただし、条件を厳しくしすぎると、該当する人材が限られ、採用活動が難しくなるため注意が必要です。人物像に少し幅を持たせることで、これまでとは異なる強みをもった人材との出会いがあるかもしれません。

採用方法を検討する

求める人物像が定義できたら、採用方法の検討を行います。先ほど紹介したとおり、採用方法にはさまざまな種類があります。ターゲットに合わせた訴求力の高いアプローチを実現するためには、複数の方法を組み合わせることも効果的です。たとえば、自社採用とSNS採用を併用することで、求職者の目に留まりやすくなり、応募数の増加が見込めます。

採用活動の実施

最後のステップとして、スケジュールに沿って採用活動を実施します。採用活動に関して改善点があれば、次年度以降に活かして効率化していきましょう。採用活動は一過性ではないため、PDCAサイクルを取り入れて、ブラッシュアップしていくことが大切です。

人材採用を成功させるポイント

人材採用を成功させるポイントは、次の3つです。

・自社に適した求人方法を選ぶ

・求人内容を見直す

・待遇を改善する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自社に適した求人方法を選ぶ

求人方法によって集まる求職者の層は異なります。求める人材にマッチしていない方法を実施してしまうと、コストがかかるだけで高い効果は見込めません。年齢や学歴、経歴などを総合的に考えながら、自社に適した求人方法を選ぶことが重要です。

求人内容を見直す

募集する条件が変わったり、福利厚生の変更があったりした場合には、迅速に内容を反映することで企業の信頼性向上につながります。求人情報は企業の印象を大きく左右する要素となるため、業務内容や必要スキル、待遇、福利厚生などをわかりやすく記載しましょう。

待遇を改善する

待遇を改善することで応募者の増加が期待できます。競合分析によって、同業他社よりも魅力的な条件を設定できれば、優秀な人材が獲得しやすくなります。ただし、待遇を改善する場合は、すでに働いている従業員とのバランスも考えなければなりません。待遇に差がありすぎると、従業員のモチベーション低下や離職率の悪化につながります。

人材採用に役立つ質問

採用活動では、書類選考と面接を実施して内定者を決めていきます。面接では、書類だけでは判断できない応募者の人物像を見極めることが可能です。ここでは、人材採用に役立つ質問と具体例を紹介します。

コミュニケーション能力を測る質問

質問には、「はい」「いいえ」が答えられるクローズドクエスチョンと、相手が自由に答えられるオープンクエスチョンの2つがあります。コミュニケーション能力を測る際は、オープンクエスチョンでの質問がおすすめです。

例:「自己紹介をお願いします」「得意分野は何ですか?」

ストレス耐性を測る質問

求職者がストレスを感じる状況や対処法について質問します。圧迫面接を実施してストレス耐性を測る企業も少なくなかったものの、求職者本来の考え方が見えにくかったり、企業の印象が悪くなったりするため、近年は減少傾向にあります。

例:「どんなときにプレッシャーを感じやすいですか?」「人間関係のトラブルにはどう対処しますか?」

課題解決能力を測る質問

課題解決能力とは問題が生じた際に、解決までに導くためのスキルです。情報収集や状況分析、意思決定などの能力も含みます。

例:「失敗の経験を教えてください」「難題に直面したときはどのように解決しますか?」

スキルや経験値を測る質問

新卒採用なら学生時代に頑張ったエピソードやリーダー経験など、中途採用なら前職での業務や保有している資格について質問します。

例:「入社後はどのように活躍したいですか?」「前職で携わったプロジェクトや成果を教えてください」

まとめ

人手不足が大きな社会問題となり、企業間の競争が激化していることから、人材採用の在り方を見直す企業が増えています。人材採用のミスマッチを減らすためにも、求人広告への掲載だけでなく、自社に適した採用方法を検討することが大切です。

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