自社にとって最適な採用方法について迷っている企業や、そもそも人材採用の方法がよく分からないと悩む企業は少なくありません。実際、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、人材採用の方法は大きく変化しました。さまざまな採用方法の中から自社に合うものを見極めるのは難しい状況です。
この記事では、人材採用について悩む採用担当者に向けて、人材採用の方法を詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
人材採用にはさまざまな方法がある
人材採用における求人募集の方法は、紙媒体、ホームページ、求人サイト、紹介、SNSなど多岐にわたります。企業が人材を募集する場合、対象や雇用形態などに適した方法を選択することが大切です。それぞれの方法の違いも理解したうえで、どのような方法が合っているか検討しましょう。
人材採用には支援を受けられる方法も
人材を採用する一般的な手段として、ハローワーク（公共職業安定所）に申し込んで人材を募集する方法があります。ほかにも、採用や確保に関する支援を実施している商工会議所も存在します。
また、各都道府県の中小企業支援センターでは人材に関する専門家の派遣事業を実施している場合もあるため、確認してみましょう。
さらに、特定の採用対象には「トライアル雇用奨励金」「特定求職者雇用開発助成金」「障害者雇用安定奨励金」などの助成金が支給される可能性もあります。
人材不足は「採用におけるミスマッチ」も1つの要因
厚生労働省が実施した企業アンケートの結果によると、人材不足を感じるかどうかの項目に対して「やや人材不足」または「かなり人材不足」と回答した企業の割合は、正社員の場合、67.2%にのぼっています。特に、中小企業で人材不足を感じている企業が多い状況です。
人材不足にはさまざまな背景があるものの、採用におけるミスマッチも要因の1つとなっています。自社に合う募集や採用の方法を見つけられれば、ミスマッチを防止できる可能性があります。
自社に合った採用募集の選び方
自社に合う採用募集の方法を選択するには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、選び方のポイントを解説します。
1.専門性の高さで選ぶ
自社が求める人材をピンポイントで採用するためには、専門性の高さで採用募集の方法を選ぶ必要があります。専門性の高さを重視するなら、リファラル、求人媒体、人材紹介、ダイレクトリクルーティングなどの方法がおすすめです。
2.コスト削減で選ぶ
採用には少なからずコストがかかるため、コスト削減の意識も重要です。コスト削減を特に重視する場合、リファラル、自社採用サイト、SNS、アルムナイ採用などが適しています。
人材採用を成功させる14の募集方法
人材採用の方法としては、さまざまなものがあります。ここでは、人材採用を成功させられる可能性がある14の募集方法について解説します。
1.ハローワーク
自社の所在地を管轄するハローワークに申し込めば、求人情報をハローワークの求人検索端末に無料で掲載できます。コストをかけずに人材を採用できる可能性があり、特定の条件を満たせば助成金の受け取りも可能です。
ただし、掲載や選考などの手続きに手間がかかる場合もあります。掲載できる情報が少なく、求める人物像に合致する人材の応募が集まりにくい可能性もあります。
2.社内紹介制度（リファラル）
社内紹介制度（リファラル）は、従業員の友人や知人などを紹介してもらい、採用につなげる方法です。企業理念に共感し、業務内容を熟知している従業員が選んだ人物が対象となるため、自社に親和性の高い人材を採用できる可能性が高いです。
ただし、従業員と紹介された人材の人間関係にも配慮する必要があります。
3.求人媒体
求人媒体には、Web媒体と紙媒体があります。Web媒体はオンラインの求人サイト、紙媒体は情報誌やフリーペーパーなどに求人を掲載します。
場所や時間の制約を受けず、多くの求職者に自社の求人情報を見てもらうことが可能です。ただし、採用につながらなくても広告掲載料がかかります。
4.自社採用サイト
自社採用サイトを独自に立ち上げ、求人について情報発信する方法もあります。スマートフォンが普及し、多くの人がインターネットを活用して情報収集するようになったため、多くの企業が自社採用サイトを構築するようになりました。
ただし、すぐに効果を実感できるわけではなく、長期的な目線で取り組む必要があります。
5.求人チラシ・ポスター
求人について掲載したチラシ、ポスター、パンフレットなどを作成すれば、それを見た人に情報を伝えられます。店舗に掲示したり、店先で配布したりして情報を届けるケースが多いです。
しかし、実際に店舗を訪れた人にしか情報を届けられないため、大きな効果を求めている場合は非効率となります。
6.SNS
X（旧Twitter）、Instagram、FacebookなどのSNSを利用し、求人情報を投稿して人材を募集する方法もあります。SNSはアカウントを無料で取得できるため、コストをかけずに採用活動を行えます。
ただし、SNSにはさまざまなユーザーが存在しているため、自社が求める人材の詳細な絞り込みは難しいといえます
7.人材紹介
人材紹介は、企業の要望に合致するスキルや実績などをもつ人材を紹介するサービスです。最初はコストがかからず、実際に採用する人材が決まった時点で成果報酬が発生する仕組みです。
ただし、必ず自社に合う人材が見つかるとは限らないことを頭に入れておきましょう。特に、実績や認知度が低い企業は採用につながりにくい可能性があります。
8.人材派遣
人材派遣は、派遣会社が雇用している従業員を企業に派遣して業務を任せる方法です。必要なタイミングで専門性の高い人材を確保でき、急に必要になった人員の確保や繁忙期などにも対応できます。
ただし、正社員ではないため、任せられる業務や就業時間には制約もあります。
9.大学・専門学校
大学や専門学校に設置されている就職課やキャリアセンターに求人情報を提出し、学生からの応募を待つ方法もあります。コストをかけずに各大学や専門学校の学生へのアプローチが可能です。
ただし、学校によって申し込みの手続き方法が異なるため、手間がかかる場合もあります。応募数の予測も立てづらいかもしれません
10.アルムナイ採用
アルムナイ採用は過去に自社を退職した人材を再雇用する方法で、「カムバック制度」や「出戻り制度」とよばれる場合もあります。経験者を採用するため、ミスマッチのリスクが低いのがメリットです。
ただし、一度自社を離れた人材を好条件で採用すると、自社に在籍し続けている社員の意欲を低下させる恐れもあります。
11.ヘッドハンティング
ヘッドハンティングは、別の企業に勤務して活躍している人材を直接スカウトして自社で採用する手法です。求人情報を一般に公開して人材を募集するわけではなく、他の企業で実績を積んでいる有能な人材を見つけて引き抜くため、より優れた人材を確保できます。
ただし、ヘッドハンティングサービスを利用する場合、高額な費用がかかります。
12.ミートアップ
ミートアップとは、同じ目的をもつ人が集まる交流の場です。ミートアップを通じて自社の従業員と求職者が交流する機会を作れば、自社の求人に興味をもってもらえる可能性があります。求職者が自社や従業員について深く理解できる点もメリットです。
ただし、ミートアップを実施しても、必ず採用につながるとは限りません。
13.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が自ら人材をスカウトして採用につなげる方法です。求職者からの応募を待つ一般的な人材採用の方法とは異なり、企業から積極的にアピールします。
自社が求める条件に合致する人材にピンポイントでアプローチできるものの、運用の難易度は高めです。
14.転職イベント・合同説明会
転職イベントや合同説明会では、会場を訪れた求職者と直接交流しながら自社の求人情報を伝えられます。もともと自社の存在を知らなかった求職者にも、自社の魅力をアピールできます。応募前の求職者と対話してコミュニケーションがとれるため、幅広い情報交換が可能です。
ただし、参加にかかる費用が高い傾向があります。
人材採用を始める前にやっておくべき3つのこと
人材採用に取り組む前に、やっておくべきことがあります。以下で詳しく解説します。
求める人物像を明確にしておく
人材を採用する際は、あらかじめ自社が求める人物像を明らかにすべきです。求める人物像をペルソナとし、自社に合う採用方法を選べるようにしましょう。
自社の採用目的・課題を洗い出す
採用にあたっては、自社の目的や課題の洗い出しも必要です。いつまでに何を実現し、何人採用するか具体的な計画を立てましょう。そのためには、自社の現状を正確に把握することも大切です。
ロールモデルの共通点を探る
現在自社で働いている従業員の中で、特に理想的な人材の共通点を見つけてみましょう。ロールモデルの共通点を発見できれば、新しい人材を採用する際の参考として活かせます。
人材採用・募集する際の注意点
人材採用や募集においては、気をつけるべきこともあります。ここでは、注意点について詳しく解説します。
募集要項に載せてはいけない禁止事項を守る
求人の募集要項の書き方には、ルールがあります。掲載してはいけない禁止事項もあるため、注意が必要です。たとえば、性別を理由とする差別は記載できません。募集要項を作成したあとは、内容に問題がないかよく確認しましょう。
すべての労働条件を明示する
人材を募集する際は、原則としてすべての労働条件を明確に示す必要があります。ただし、紙面の大きさの制約により記載できる内容が限られる場合は、求職者と最初に接触した際に詳細を伝えてください。
まとめ
人材採用の方法は、今回紹介したとおり多岐にわたります。それぞれ特徴が異なるため、自社の状況に合わせて選択しましょう。特に専門性やコストなどを重視すると、自社に適した採用方法を選びやすくなります。
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