人材育成に役立つKPIとは?重要性や指標例、設定でのポイントを解説!

効果的な人材育成には具体的なKPIの設定が必要です。KPIがあることで人材育成が客観的な視点から進められ、課題を明確化できます。この記事では、人材育成でKPIが重要な理由や活用できるKPIの例、設定でのポイントを解説します。KPIを設定するフローもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

人材育成のKPIとは

まずは、KPIの基礎知識と人事分野における現状を見ていきましょう。

そもそもKPIとは

KPIは「Key Performance Indicator」の略称で、重要業績評価指標と訳されます。ビジネスシーンでは、目標達成度やパフォーマンスを評価するための指標として用いられます。部門・チーム・個人ごとにKPIを設定することで、プロセスが可視化でき、目標達成に役立てることが可能です。

人事分野におけるKPI設定の現状

人事分野においても、KPIは活用すべき重要な指標です。しかし、人事分野は定量化が難しい業務も多く、KPIが設定しにくいといった課題があります。KPIを正しく設定できないと、目標の達成が困難になるだけでなく、従業員のモチベーションやエンゲージメントの低下にもつながります。目標設定のフレームワークなどを活用して、適切なKPIの設定を目指しましょう。

人材育成でKPIが重要な理由

続いて、人材育成でKPIが重要な理由を解説します。

効率的な人材育成につながる

人材育成においてKPIを設定すると、限られた人材を活かしやすくなります。現在の日本は労働人口が減少しており、今後も人材リソースの不足が懸念されています。KPIを設定することで、費用対効果が把握しやすくなり、人材育成の効果測定にも役立ちます。限られた人材を効率的に育成し、必要な教育コストを見積もるためにもKPIは欠かせません。

従業員がモチベーションアップしやすい

KPIの設定は、従業員のモチベーションアップにも役立ちます。KPIによって目標が具体的になることで、従業員の「やるべきこと」が明確になります。可視化された目標を達成していくことで、やりがいを感じやすくなり、さらなる成長に挑戦する意欲も生まれるでしょう。

育成側を評価しやすくなる

人材育成でKPIを設定すると、育成する側の評価もしやすくなります。ここでの育成側とは、研修担当者や管理職、人事部門のことです。人材が思うように成長しない場合、本人だけでなく育成側に問題があるケースも考えられます。KPIの設定によって人材育成の状況が可視化されるため、育成側の評価がしやすくなり、問題点の把握に活かせます。

人材育成に活用できるKPIの例

人材育成にKPIを活用することで、組織や個人の状況を数値化して把握できます。ここでは、具体的なKPIの指標例を紹介します。

企業内のスキル状況

業務で必要なスキルに関して、社内における保有率の推移をKPIとして設定することで、自社の強みや弱みが可視化できます。スキル状況を確認するときは、「100件以上の実績がある」「知識を問うテストで80点以上を取っている」など、スキルを保有しているとみなす判断基準も併せて決めましょう。

研修の受講率

研修には、特定の役職や年齢、部門だけで行われるものがあります。全従業員を対象としない研修では、受講人数や受講率を数値化して進捗を確認しましょう。受講率が低い研修がある場合は、受講しやすい環境を構築するなどの対策が必要です。

研修受講者への評価

人材育成では、研修を実施したあとに効果測定を行うことも重要です。効果測定は、「受講者の上司や同僚」「研修受講者本人」の2つの観点から実施します。上司や同僚から研修受講者への評価が高くなれば、研修の効果が現れていると考えられるでしょう。また、研修受講者の満足度や理解度を数値化することで、研修の改善点が発見しやすくなります。

研修の費用対効果

研修を実施した際は、費用対効果を測定するのも効果的です。参加者1人あたりにかかる費用や研修による効果を数値化することで、コストに見合う成果を得られているかがチェックできます。いくら人材育成にコストをかけていても、成果が出ていなければ社内の課題解決にはつながりません。KPIで費用対効果を数値化し、研修に関するコスト最適化を実現しましょう。

育成計画の達成度

KPIを活用すれば、従業員の育成計画がどの程度達成されているかが可視化できます。KPIが達成できていないケースでは、「KPIの水準を見直す」「研修や教育の内容を変更する」といった改善策を検討してみましょう。

KPI設定のポイント

基本的には、設定したKPIに対して達成率100%となるような取り組みを実施していきます。ただし、組織や個人の状況を把握していない目標を立ててしまうと、さまざまな問題を引き起こしかねません。ここからは、KPI設定で意識したいポイントを解説します。

適切な水準を見極める

KPIを設定する際は、適切な水準を見極めることが大切です。簡単に達成できるKPIでは、高い効果は期待できません。だからといって達成できないような水準のKPIを設定してしまうと、従業員のモチベーション低下につながる恐れがあります。人材の成長につながるような、簡単すぎず難しすぎない目標の設定を心がけましょう。

経営課題に沿ったものにする

KPIを設定する大きな理由の1つが経営課題の解消です。人材育成のKPI設定においても、経営課題に沿った内容にすることが求められます。他社の成功事例を参考にしたり、人材育成のトレンドを取り入れたりする場合でも、経営課題とKPIに矛盾が生じないよう注意しましょう。

数字で示せる目標にする

KPIでは、数字で示せる目標を設定します。数値化できない目標の場合、企業と従業員の間で認識のズレが生じるリスクが高まります。数値で示せる目標であれば、客観的な効果測定が可能になり、関係者間での共有もスムーズに行えます。

定期的にフィードバックする

KPIを設定したあとは、従業員に対して定期的にフィードバックを実施します。KPIに関するフィードバックがあることで、成長を実感しやすくなり、モチベーション向上につなげられます。また、人事育成では、定量化が難しい業務も多いため、コミュニケーションマネジメントも欠かせません。研修受講者が上司や同僚と活発なコミュニケーションを図ることができれば、評価の精度も上がります。

KPIとSMART

KPIを設定する際は、SMARTの法則が役立ちます。SMARTの法則とは、次の5つの要素で構成されるフレームワークです。

・Specific(具体的)

・Measurable(測定可能)

・Achievable(達成可能)

・Relevant(関連性)

・Time-bounded(明確な期限)

SMARTの法則を意識することで、効果の高いKPIが設定できます。目標が具体化することで、やるべきことが明確になり、従業員が主体性を持って業務に取り組めます。

KPIを設定する流れ

KPIの設定は、次のフローで実施します。

1.人事分野の課題を明らかにする

2.KGIを設定する

3.KGI達成のために必要なプロセスを細分化する

4.各プロセスにおけるKPIを、SMARTの法則を意識して設定する

KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、最終的な目標と訳されます。KPIとKGIは相関関係にあり、KPIの達成を積み重ねていくことで、KGIの実現が近付きます。KPIを設定したあとは、経営戦略や人材育成方針に合わせて適宜見直しを行いながら、課題解決を目指しましょう。

まとめ

KPIを設定することで、客観的な数値で進捗が確認でき、効率的な人材育成に役立ちます。人材育成におけるKPI設定では、適切な水準を見きわめて経営課題に沿った目標を立てることが大切です。スキル状況や研修受講率の把握など、自社に合った活用方法を検討したうえで、組織としてパフォーマンス向上につながる目標を設定しましょう。

株式会社ハウスドゥ住宅販売は、株式会社And Do ホールディングスの100%子会社として、さまざまなサービスを提供しています。事業展開や拡大を検討している方向けの資料も多数取り揃えておりますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

資料ダウンロードはこちら