TOBとは?意味や目的、実施する側と受ける側のメリット・デメリットもわかりやすく解説!

経済に関するニュース等を見ていると、企業の買収や子会社化にかかわるトピック内で「友好的TOB」「敵対的TOB」といった言葉を目にすることがあります。「TOBは一般的な株式の買い付けとどう違うのだろう?」「TOBを実施したときのメリットやデメリットは?」など、TOBにまつわる疑問を解消するために、TOBの基礎的な解説を行い、メリットやデメリット、注意点を説明します。

不動産業界参入マニュアル無料プレゼント!ハウスドゥのフランチャイズ資料請求はこちら>

TOBとは?

TOBとは、株式公開買付けと訳される用語で、Take-over Bidの略語です。この手法では、証券取引所を通した通常の市場売買でなく、「買付期間」、「買付価格」、「買付予定株数」などを公表して行われます。

不特定多数の株主から一括で株を買い付けることができるため、上場企業の買収や合併・子会社化などよる企業再編などで使われます。

TOBを実施する側のメリット

ここまでTOBの簡単な説明をしてきました。では、実際にTOBを実施するメリットは、どのようなものなのでしょうか? 実施する側と受ける側(株主)に分けて説明していきます。

株価変動の影響を受けない

あらかじめ金額や期間を定めて株式を買い付けるため、その期間中は株価の値段に関係なく売買することができます。そもそもTOBは大量の株式を買い付けるものですから、証券取引所を通して売買を行うと自身の買い付けによって株価は急騰します。もちろんTOBを実施する際の買取価格は高めに設定しているのですが、それでも不安定な株価に振り回されることなく買い付けを進められるのは、実施する側にとって大きなメリットです。

ムダなく必要な株式数を集められる

TOBは株式数の上限と下限を設けることができるだけではなく、募集した株式数を超えたり、満たさなかったりする場合は株式を取得しないという選択が可能なのです。例えば50%以上の株式保有比率を目指した場合、49%しか取得できない場合は、公開買付けを不成立とすることができます。

証券取引所を通しての売買だと、目標の株式保有比率に向けて買い増していく必要があり、目標の株式を取得できない場合は売買を中止できるTOBは実施する側に大きなメリットをもたらします。

スケジュールを管理できる

TOBを実施する期間が公開されているため、株式取得までのスケジュールを管理することができます。買収を融資によって実施する場合などは、スケジュールを管理しやすいTOBはメリットの一つとなります。

TOBを受ける側のメリット

シナジー効果が期待できる

TOBには「友好的TOB」と「敵対的TOB」があり、日本のTOBの多くが友好的TOBなのです。友好的TOBは買主と売主の間で合意がある状態での譲渡なので、買収によるシナジー効果を双方が期待していることも多いです。

経営改善につながる

経営陣に問題があり、業績を上げられないケースは少なくありません。そうした状況でTOBが行われると、経営陣が刷新される契機にもなります。企業としてのポテンシャルはあるのに、その力を発揮していない企業にとって、経営改善につながる可能性のあるTOBはメリットともいえます。

問題を解決できる

敵対的TOBが実施されると、経営に悪影響をもたらす企業内の問題が解決に向かいます。組織改革の発端だと考えれば、会社にとっても株主にとってプラスです。

TOBを実施する側のデメリット

TOBのデメリットは、どのようなものでしょうか?

買い付け失敗のリスク

特に敵対的TOBの場合は防衛策も多様で、買い付けに失敗するリスクが高まっています。近年、日本で「敵対的TOB」があまり見られなくなっている理由の一つは、これです。

また友好的TOBであっても、競合他社による介入などが起きるケースもあり予断を許しません。

買い付けが公開される

TOBの特徴の一つは買い付けが公開されること。この「公表」が実施する側の評価に、どう跳ね返るのかは注意が必要です。敵対的TOBが成功したとしても、自社の世間的な評価が大きく損なわれた場合、表記的に考えてTOBが成功だったのかは微妙な問題になってくるからです。

企業価値が担保されない

TOBは価格やスケジュールは決まっていますが、買い付けが終わった後の企業価値がどうなるのかわかりません。取引先や優秀な従業員など、企業価値の維持に必要な要素がTOBを実施することでなくなってしまう可能性もあるからです。

TOBを受ける側ののデメリット

買い付けの失敗リスク

友好的TOBならば、買い付けに失敗しないというわけではありません。株主に利益がないと思われるようなTOBは成立しない場合があるからです。経営統合に向けてしっかりと準備した企業にとって、TOBの失敗は大きな問題となるでしょう。

社風の変化

あまりに企業理念の違う企業がTOBによって統合されると、買い付けが成功した後に大きな問題を引き起こす可能性があります。多くの従業員は自身の社風に合った企業を求めます。その社風や企業理念が変化したとき、ついていけないと考える従業員もいることでしょう。数値に表れにくい「社風」についても、友好的TOBを実施する場合はしっかり考えることが必要です。

経営が悪化する

友好的TOBでは統合が相互に好影響をもたらすシナジー効果を期待します。しかし実際に統合してみると、シナジー効果が発揮できないばかりではなく、経営の悪化にまで発展してしまうケースもあります。つまり納得する統合相手と入念な準備が、TOBには必要です。

TOBを実施する場合の注意点

ここまでTOBの全体像やメリット・デメリットをまとめてきました。では、実際にTOBを実施する場合には、どのような点に注意すべきなのでしょうか。

TOBのルール

TOBを実施するためには、さまざまな書類を提出する必要があるだけではなく、株式の売買に関しても「別途買付禁止」といったルールが課されます。そうした細かな問題をしっかりとクリアすることが、TOB実施の絶対条件となります。また海外の企業とTOBを実施する場合は、その国のルールが別にあるので特に注意が必要です。

買い付け成功の可能性

特に敵対的TOBの場合は、買い付けが成功するのかどうかは大きな問題となります。先にも触れた通り、敵対的TOBの対応策は豊富です。例えば、新株予約権をあらかじめ発行する「ライツプラン」などが行われれば、敵対的買収者の持ち株比率は下がります。その他、さまざまな防御策に対応できる用意があるのか、またそのメリットがあるのかは十分に検討する必要があります。

企業情報の確認

買い付けをする企業の価値やリスクをしっかりと調査することは非常に重要です。例えば簿外債務はTOBが実施後に大きな問題となる可能性があります。退職給付債務は敵対的TOBの対策と使われることもあり、しっかりと見極めなければいけません。

友好的TOBで仲介会社も入っているから安心というわけではありません。企業を売りたい理由を探り、ネガティブ情報を予測することもTOBには必要です。

TOBを受ける場合の注意点

メリットの確認

TOBが実施されると経営陣の刷新など、企業に大きな影響が及びます。また社内も混乱します。後継者の問題などでTOBを実施する場合も、本当にTOBが自社にとってメリットになるのかを考える必要があります。

従業員のフォロー

企業をよりよく存続するためにTOBを選択しても、従業員や取引先が離れてしまえば、何ためにTOBを実施したのかわかりません。一時的な混乱が起きることを見越して従業員や取引先を保護できるのかどうかを考え、TOB成立後には従業員をフォローしていく姿勢が重要です。

敵対的TOBへの対応

近年、経営者非上場を選択するケースが出てきています。それは株式を公開しておくメリットよりもデメリットが多いと判断する経営者が出てきているからです。実際、株価が割安で、経営陣の刷新でもっと利益が見込めるとなると、敵対的TOBの可能性もでてきます。

そのようなリスクに対処するために、敵対的TOBの対抗策を準備しておくことはもちろん、業績が株価にしっかりと反映するようにIRをしっかりするといったことも重要になってきます。

TOBを検討する場合はメリットとデメリットを引き比べよう

TOBについて基礎的な解説と、メリットやデメリットについてご案内しました。TOBを検討する場合は、自社と相手に関する情報をよく収集し、慎重に考えましょう。

M&Aとは?TOBやMBOの意味や合併買収に関する手法やメリデメを解説

不動産売買仲介専門フランチャイズのハウスドゥは、いただくロイヤリティに対して様々な事業サポートを行っています。
圧倒的なブランド力と仕組みで業界経験者のみならず、未経験者の成功者も多数排出してきました!
現在資料請求をした方にもれなく、ハウスドゥオリジナルの「不動産参入マニュアル」をプレゼント中です。

ハウスドゥのフランチャイズ資料請求はこちら(無料)