個人事業主が法人化するメリットとデメリットやタイミングについて解説

個人事業主としてスタートし、事業が軌道に乗ると、法人化が視野に入ってきます。これは事業を進めていく上で、一つの目標ではないでしょうか。この法人化による変化のひとつに、まず「税金」が挙げられます。これは支払う税金の種類が変わるからです。具体的に税金の支払いにどのような変化があるのでしょうか。法人化による変化やメリット・デメリットの他に、「どのタイミングが良いのか」についても、解説していきます。

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法人化とは?必要な手続き

法人化とは、個人事業主として事業を行うものが「法人」として会社(株式会社など)を設立することを指します。一般的には事業規模の拡大により、会社(株式会社)を設立することが挙げられるでしょう。
さて、一概に法人化するといっても、それには様々な手続きが必要になります。以下に詳細をまとめていきます。

①会社の基本的事項を決定する

設立前に基本的な事項を決めておきましょう。

  • 事業目的
    これから開業する事業内容の事です。将来的に行う可能性がある内容も含めて明記すると良いでしょう。
  • 会社名(商号)
    「株式会社」や「合名会社」にするかなど、ここで決めます。
  • 本店(所在地)
    会社を置く住所のことです。仮にマンションやアパートなどで起業する際には、法人登記が可能か事前に不動産屋を介するなどして、大家に確認しておきましょう。
  • 資本金
    資本金の額は、株式会社でも「1円以上」であれば起業できます。以前は「株式会社は1000万円以上」「有限会社は300万円以上」というように決まっていました。しかし、2006年の法改正により最低資本金制度が無くなったことで、この金額の縛りが無くなりました。
    さて、この資本金額の決め方ですが、1円からできるとはいえ、これでは会社の信用や今後融資を受けたりする際に不利になります。資本金の額は「安心して取引できる会社か」という一つの指標になると覚えておきましょう。一般的には300万円程度が起業時の平均といわれています。また、資本金が1000万円以下の会社は、消費税が最長2年免除されます。
  • 発起人、取締役
    発起人とは会社設立の際に、定款の作成や資本金の出資を行う人のことを指します。一方、取締役は実際会社経営をしていく人の事です。

②定款の作成

定款とは、簡単にいうと①で解説した基本的事項を文書化したものです。
記載しなければならない内容は、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分類されます。

・絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、「会社法」によって定められた必ず記載しなければならない事項です。

  1. 事業の目的
  2. 商号
  3. 本社所在地
  4. 資本金額(設立に対しての出資財産額)
  5. 発起人の氏名と住所

・相対的記載事項

相対的記載事項とは、絶対的記載事項と違い、こちらは必ず記載しなければいけないということはありません。しかし、定款に記載した場合のみ、効力を発揮することが出来る点が特徴です。よって決定した内容は記載する必要があります。
代表的な記載事項は下記の項目が挙げられます。

  1. 発起人の報酬について
  2. 現物出資に関して
  3. 役員の任期伸長
  4. 株券発行の定め
  5. 財産引受

・任意的記載事項

相対的記載事項と違い、決定しても記載する必要が無いものを指します。記載の義務は無いものの、決定した事項であれば明記しておくことが望ましいでしょう。

法人化するメリット

①給与所得控除による節税

法人となると、所得税ではなく、「法人税」と呼びます。個人事業主の場合、(売上 - 経費 = 利益)この利益に所得税が掛かってきます。利益の割合が800万円を超えると、法人化することによる節税の恩恵を受けることができるといわれています。これは法人税の方が、所得税より税率が緩やかであることが理由です。
例えば1,000万円の所得があった場合、個人事業主の税率は33%ですが、法人は23%程度になります。

②社会的信用度の向上

資金調達や大きな企業と取引を行う際に、法人化している方が優遇されやすいといわれています。なぜなら、金融機関は信用度がある法人には融資をしやすく、大企業は取引先を法人に限定している場合が多いからです。

③有限責任にすることができる

有限責任とは、決められた範囲の責任を負うということを指します。対して無限責任とは、すべてにおいて全責任を負う必要があることです。法人にはこの有限責任が適用されます。
仮に事業が上手くいかず負債や借入金がある場合でも、法人は出資した分のみでの責任を負う形となるため、経営者個人の財産は守られます。
しかし、これが個人事業主の場合、個人の財産を処分してでも返済する義務が生じます。

法人化するデメリット

①社会保険の加入義務

個人事業主の場合、常時雇用している従業員が5人以下の場合、社会保険への加入は任意です。しかし、法人の場合は社長が1人の場合も、「社会保険への加入が義務」づけられています。また、従業員の保険料の半額を会社が負担しなければなりません。

②会社設立時に20万円が必要

株式会社の資本金は1円から設定できますが、設立には他に必ず掛かる費用がある事を知っておきましょう。それは、「公証人手数料¥50,000」と「登録免許税が最低¥150,000」この2つが掛かります。

③赤字でも税金支払いの義務

法人の場合、たとえ赤字であっても「年間最低7万円ほどの法人住民税」納付義務があります。これが個人事業主であれば、赤字の場合「所得税」や「住民税」などの支払い義務は発生しません。

法人化を検討するタイミング

法人化を考えるタイミングとして、節税を目的とするケースが多いでしょう。個人事業主は所得が増えれば増えるほど課税される仕組みとなっています。所得金額によってはその半分程度が所得税として引かれることもあります。
【個人事業主の税率】

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

一方、法人化した場合は、利益が800万円を境に税率が変わる仕組みとなっています。

資本金額 税率
1億円以下 利益800万円以下:15%

利益800万円以上:23.2%

1億円以上 利益に関わらず一律:23.2%

税率が変わる利益金額800万円を超えた際は、法人化する一つのタイミングと考えて良いでしょう。目指す収益規模が大きい場合は、早めに法人化を視野に入れることがポイントです。

まとめ

個人事業主として事業が上手く進めば、法人化するのが一つの目標になります。しかし、税率の変化や、必要な手続き、会社設立に掛かる経費の事も考えなければいけません。いつ切り替えるのが良いのか、タイミングを見誤らないことが重要です。

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