人材育成で抱える課題と解決ポイントとは?人材育成に活用される手法についても解説

人材育成に関する課題は企業によってさまざまです。しかし、課題が何であるにしろ、人材育成は企業が成長するために重要な施策であるため、課題解決は必要不可欠なものといえます。この記事では、人材育成に関するよくある課題や、その解決ポイント、人材育成の効果などについて解説します。

企業における人材育成とは

人材育成とは、企業に貢献できる人材を育成、あるいは教育することを指します。具体的には、企業の成果に貢献できるよう、業務に必要な知識や技術を落とし込むことです。例えば、社会人として必要な知識や企業が属する業界の知識、技術習得まで、さまざまなものが含まれます。とりわけ世界で技術革新が進むなか、現在注目度が高いのはDX人材の育成などです。

そもそも人材育成の目的は

人材育成の大きな目的は、企業に貢献できる人材に対して必要な能力開発を行うことです。必要な能力とは、社会人としてのマナーや一般教養、パソコンスキルなどの一般的に必要なスキルのほか、業務に必要な専門的スキルの習得などが含まれます。一方で、企業に所属している意識を持ってもらい、やりがいやモチベーションにつなげてもらうことも狙いの1つです。

企業が抱える人材育成に関する7つの課題

企業が人材育成に関して抱えやすい課題には、以下のようなものがあります。

課題1.人材育成にかける時間の余裕がない

企業では常に通常業務を進めなければならないため、人材育成の時間がないという課題を抱える企業は少なくありません。目の前の業務に追われて時間に余裕がないと、人材育成は後回しにされがちです。しかし、人材育成を行わずにいれば、やがて通常業務をこなせる人材が不足することになり、長い目で見て企業にとっては損失になります。

課題2.指導のスキルが不足している

人材育成をしようとしても、指導者の人材育成スキルが追いついていないケースも多く見られます。人材育成スキルがないと、育成をしようとしても適切な指導ができず、成果につながりません。また、通常業務を優先してしまい、後進の指導に対して意欲が低い人もいます。スキル不足に加え、人材育成の意欲も低いケースでは育成側の教育が必要です。

課題3.人材育成のノウハウがない

人材育成のノウハウがほとんどなく、計画的な人材育成を実施できない企業もあります。人材育成を効果的なものとするためには、従業員の能力や進捗状況に合わせ、計画性のある育成を行うことが欠かせません。しかし、ノウハウがないと育成計画が立てられず、思うような効果を出せない可能性が高いです。

課題4.育成対象の意欲が低い

育成対象となる従業員の意欲が低いケースも、人材育成における課題の1つです。従業員自身の理想と違う育成をしているため意欲を失ったり、育成の意味を見いだせなかったりする従業員もいるでしょう。従業員の意欲を底上げするには、業務スキルの教育だけでなく、育成の重要性や仕事のやりがいなどを理解してもらう必要があります。

課題5.人材育成に掛かるコスト問題

人材不足や予算不足などを背景に、人材育成にあまりコストをかけられない・かけたくないケースもあります。例えば、育成をしても離職してしまうとコストを回収できないと考え、人材育成に消極的な企業もあるでしょう。人材育成の効果を実感できず、コストをかけない企業も少なくありません。

課題6.業務の代替体制が構築されていない

人材育成を行っている間、担当者は通常業務ができません。つまり、担当している業務の代替体制が整っていないと、育成ができないということです。しかし、人材不足が深刻な現場で新たな仕組みを構築するのは簡単ではありません。他の従業員への業務負荷が大きくなり、モチベーション低下につながる恐れもあるため注意が必要です。

課題7.育成内容が見極めにくい

技術革新など変化が著しく「VUCA時代」といわれている昨今では、必要な知識や技術が日々変化しており、人材育成の内容が定められないことがあります。専門性が高い業務が増えるほど、育成するべきスキルを把握することが難しくなるでしょう。適切な育成内容を決めるには、現場にいる従業員にヒアリングを行いながら、必要な知識や技術を見極めることも大切です。

階層による人材育成の課題

人材育成の課題は従業員の階層ごとに存在します。どのような課題があるか解説します。

新卒の従業員

新卒の従業員には、社会人としてのマナーや企業理念・方針を理解してもらうために、十分な学習機会が必要です。内容が難解など、モチベーションの維持が困難な側面もあります。モチベーションの低下は早期離職につながってしまうため注意しましょう。

中堅の従業員

中堅の従業員は、新卒や管理職に比べると学習機会が得られにくいのがデメリットです。しかし、中堅層の育成が滞っていると、管理職レベルの人材不足や従業員のモチベーション低下につながります。

管理職の従業員

管理職の従業員は、立場や経験によって必要な知識や技術が異なります。特に管理職に成り立ての従業員に対しては、一般従業員から管理職への意識に切り替えてもらうための教育が必要です。立場や経験によっては、マネジメント力やリスクヘッジ能力など専門的スキルの強化も行ないましょう。

人材育成で期待できる効果

人材育成によって期待できる効果にはさまざまなものがありますが、とりわけ次のような効果が企業にとってプラスに働きます。

業務効率アップ

従業員のスキルが向上すれば業務効率がアップします。業務効率の向上は生産性の向上につながり、業績アップを実現しやすくなります。仕事の成果が上がれば、従業員もモチベーションを高い状態で維持したまま業務に臨めるでしょう。その結果、さらに自己成長を目指す流れが生まれ、事業が育つためのサイクルが回りやすくなります。

定着率アップ

人材育成によって従業員の帰属意識が向上すれば、定着率がアップします。スキルの向上によって仕事のやりがいも生まれやすくなり、退職防止につながるでしょう。同様に、業務効率がアップすることによっても成果が上がりやすくなるため、仕事の楽しさを感じることや自己肯定感を高めることに役立ち、定着率の向上につながります。

人材育成に活用される手法のメリット・デメリットを比較

人材育成に活用される手法はいくつかあります。主立った5つの手法についてメリットとデメリットを一覧で紹介します。

育成の手法 メリット デメリット
OJT 実務で必要なスキルを身につける手法 ・実務を通して必要なことを学べる
・個人のレベルに合わせて育成できる
・指導者側の通常業務が滞りがちになる
・指導者によって習熟度が変わる
Off-JT 複数の受講者に対して一般的な内容の研修を行い、ビジネスマナーやマネジメントなどを身につける手法 ・多くの従業員に一律の内容で研修ができる
・通常業務から離れ、集中して研修を受けられる
・外部講師への依頼、外部会場のレンタルなど、費用がかかることがある
eラーニング パソコンやスマートフォンを使い、オンラインで研修を行う手法 ・研修を実施する時間や場所を選ばない
・OJTやOff-JTの補完ができる
・システムの導入にコストがかかる
メンター制度 別部署にいる先輩従業員がメンターとなり、後輩従業員をサポートする手法 ・従業員の定着率が上がる
・メンターとなった先輩社員の責任感が高まる
・メンターと後輩社員との相性が効果に影響する
・メンターには向き不向きがある
人事評価制度 育成したい内容を目標として人事評価制度に盛り込み、目標の達成度によって人事評価を行う手法 ・育成によって達成したいものが明確化する
・従業員が具体的な目標を定めやすい
・適度な目標を設定するのが難しい
・難易度の高い目標に挑戦しづらくなる

人材育成の課題解決における7つのポイント

人材育成の課題を解決するためのポイントを7つに分けて解説します。

自社の現状と課題の把握

人材育成を計画的に実施するには、自社の現状を把握し、課題を明確にする必要があります。まずは従業員の担当業務や量、それぞれの能力、指導に当たれる人材の確保など現状把握に努め、次いで課題を洗い出しましょう。

人材育成の方向性や目標の明確化

人材育成において、育成する側とされる側とが方向性や目標を共有することで、双方が意欲的に取り組めます。育成する従業員に合わせて方向性や目標を設定すれば、計画的に育成内容を検討できるでしょう。

育成に関するスケジュールや予算計画を立てる

行き当たりばったりで人材育成を進めるのではなく、スケジュールや予算などの計画性を持って実施したほうが効率は上がります。計画を立てる際は、通常業務を圧迫する内容にしないことが重要です。指導される側、する側のどちらも業務量を調整して無理のない計画を策定しましょう。

指導者の育成も実施する

人材育成を始める際、あらかじめ指導者側の育成も実施しておく必要があります。トレーナースキル、コーチングスキル、マネジメントスキルなど、育成に必要なスキルを鍛えましょう。ただし、社内にこれらのスキルをもっている従業員がいない場合、指導者の育成が困難となります。社内だけでなく社外の講習やセミナーなども利用すると効果的です。

進捗の管理・フォローを徹底する

人材育成の進捗管理を徹底し、必要に応じて軌道修正することが大切です。能力向上の予測、指導者との関係、メンタルの状態などをチェックし、フォロー体制を整えると良いでしょう。チェックを行った結果、進捗に問題がある場合は改善策を練る必要があります。進捗管理やフォローが十分でないと、離職リスクが高まってしまうため注意が必要です。

状況に応じた最適な手法を選択する

人材育成を行う際は、現場の状況や育成内容に合った育成手法を選ばなければなりません。通常業務で忙しいときには、時間や場所を選ばないeラーニングが最適でしょう。現場の専門的スキルを伸ばしたいならOJT、意識改革をしたいならメンター制度など、社内の現状や育成の目標によって最適な手法は異なります。

評価の基準を設ける

人事評価制度の策定など、従業員に対する評価基準を設けると、人材育成の目標設定などに役立ちます。このとき、評価の基準として属性ごとに必要なスキルや知識などを定めておけば、人材育成の指針となるでしょう。具体的な評価基準を設けることで、企業として人材育成の強化を図る意欲を見せられる点もメリットです。

まとめ

人材育成は、企業にとって未来の成長に向けた重要なプロセスです。計画的な人材育成には、業務の効率性や従業員の定着率が向上するメリットもあります。人材育成を考える際は、社外の専門家のノウハウを借りて従業員を育成したり、事業を社外の信頼できる取引先に任せたりする方法も有効です。

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