コンサルティングとは?種類や業界ごとの仕事内容、企業が利用するメリットなど解説

事業を営んでいると、経営が行き詰まったり、将来の展望が見えなくなったりする場合もあるでしょう。社内だけでは問題解決が上手くいかないようなときには、専門家に聞いてみたくなるものですが、それを叶えてくれるのが「コンサルティング」です。

本記事では、コンサルティングの概要やメリット、種類などについて解説します。経営に迷った際には、ぜひ参考にしてください。

コンサルティングとは

コンサルティングは、専門的または幅広い分野に精通し、高度な知識や経験をもつ専門家が、依頼主の企業に対して、課題発見や解決策の立案、アドバイス、実行支援を提供する活動を指します。

会社によってさまざまな分野に分かれており、依頼主のニーズに応じてサービスを提供します。コンサルティング利用の多い代表的な分野は、経営、戦略、組織、テクノロジー、法務などです。依頼主は一般的に法人が多い傾向にあります。

コンサルティングは、英語のコンサルト(consult)が語源で、そもそもはラテン語の「consulere」を意味する言葉です。consulereには、「相談する」という意味がありますが、「共に座る」という意味も含まれており、企業と共に伴奏するコンサルティングに通じています。

コンサルティングファームとは

コンサルティングファーム(consulting firm)は、企業が抱える問題や課題を解決に導くコンサルティングを提供する企業を指します。戦略コンサルティング、ITコンサルティング、人事コンサルティング、財務コンサルティングなど、それぞれの企業に属する人材が持つ専門性によって、取り扱う分野や業種が異なります。

企業規模も異なるため、コンサルティングファーム選びの際には、その専門性はもちろん、自社の規模に合った企業の選定が必要です。

コンサルティングの基本的な仕事内容

先述したとおり、コンサルティングの基本的な仕事内容は、依頼主の企業が抱える問題に対する解決策の立案やアドバイス、意思決定の支援です。

具体的には、以下のような流れで依頼主企業を支援します。

・依頼主からの依頼内容を確認する

・依頼主企業の状況を把握・分析し、課題を明確にする

・課題解決のために情報収集・分析する

・課題解決のためのビジョン・施策を策定する

・具体的な実行支援を行い、課題を解決する

コンサルタントは、自分の考えを基にして独自に活動するのではなく、依頼主や自社のさまざまな専門家とチームを組んで、最終的な目標達成を目指します。依頼内容に合ったプロジェクトチームを編成するのも、コンサルティングファームの腕の見せ所です。

コンサルティングファームの主な種類

コンサルティングサービスを提供するコンサルティングファームには、それぞれ専門性がある傾向にあります。代表的な種類について、以下で解説します。

戦略系コンサルティングファーム

戦略的コンサルティングファームでは、企業戦略やマーケティング戦略など、経営していくうえで重要な課題に特化したコンサルティングを中心に提供します。外資系企業や大手企業でも活動しており、グローバル進出やM&Aなど、規模の大きなプロジェクトにつながるケースも多いのが特徴です。

基本的に中長期的な問題を取り扱っており、新規事業の立ち上げや既存事業の戦略立て、経営課題の解決、経営方針のアドバイス、財務戦略、人材戦略などに関わります。

IT系コンサルティングファーム

依頼主となる企業の問題を発見し、システム構築・導入などによって解決を目指すコンサルティングファームです。昨今では、企業のDX化は欠かせない課題となっており、IT技術が日々進歩している現在では、IT業界に精通しているコンサルティングファームを利用する企業が増えています。

総合的な依頼を引き受けるコンサルティングファームよりは、小規模な企業が多くありますが、ITに関する知見やノウハウは高いレベルを有しており、IT分野の強い味方です。

金融系コンサルティングファーム

金融系コンサルティングファームは、金融業界に特化した知見・ノウハウを駆使したコンサルティングサービスを提供する企業です。銀行、保険、証券、資産運用などを取り扱う金融機関に対して、戦略的なアドバイスや業務プロセスの最適化、リスク管理、テクノロジーの導入など、さまざまな領域で専門的なサポートを提供します。

世界的なデジタル化の影響によって、外部からの参入やネットバンクの攻勢があり、金融機関は、これまで通りの戦略では生き残りが難しい時代になりました。そのため、最新情勢に詳しい金融コンサルティングによる新たな視点での経営革新が注目されています。

総合系コンサルティングファーム

総合系コンサルティングファームは、他のコンサルティングファームに比べて、幅広い分野を網羅できる人材を有しているのが特徴です。幅広い課題に対するアプローチが可能で、大手企業から中小企業まで幅広くサービスを提供しています。

多岐にわたるテーマや業界に詳しく、経営課題の解決から戦略策定、システム導入までさまざまなプロジェクトの立案・実行による効果が期待されます。

シンクタンク系コンサルティングファーム

シンクタンク系コンサルティングファームは、大手企業や金融機関に所属し、主に政府や公的機関を対象に調査、研究、提言などするコンサルティングファームです。母体となる大手企業や金融機関の組織ネットワークによりサポートされるため、安定的な経営をしています。

依頼内容に関する調査や研究、分析に高い精度が求められるため、高い能力が必要とされ、他分野のコンサルティングファームよりも専門性が高いのが特徴です。

不動産コンサルティングファーム

不動産コンサルティングファームは、不動産に関する専門的なコンサルティングサービスを提供する企業です。主に企業が持つ不動産資産の活用や運用、管理、不動産投資、地域開発など、不動産に関する悩みや課題を持つ企業に対して、専門知識や経験を活かしたアドバイスや支援を実施します。

不動産の取り扱いには、不動産業界や市場動向に関する知見や関連法の知識なども必要となるため、専門性を持ったコンサルティングファームに依頼する企業が増えています。

企業がコンサルティングファームを利用するメリット

課題解決のために、コンサルティングファームを利用するメリットは、コンサルタントが持つ専門知識や経験に基づいた、外部からの専門的な見解を取り入れられる点です。

各コンサルティングファームに属しているコンサルタントは、特定分野のエキスパートなため、社内にはない視点から新たな知見が得られます。戦略の立案や業務改善において、有益な判断基準となるでしょう。

また、第三者目線での提案やアドバイスによって、自社の強みや弱み、業界における立ち位置などを客観的に評価できるというのもメリットです。

近年、日本企業のコンサル活用は増えている

日本経済新聞と調査会社による「2022年の経営コンサルティング調査」によると、調査対象となる企業の経営陣の33%が、以前に比べてコンサルティングの利用が増えたと回答しています。一方、減ったという回答は18%となっており、全体的に増加傾向にあります。

また、コンサルティングファームの選定で重要視する要素では、「専門性」最も高く71%で、次いで注目度高いのが「実績」の64%でした。コンサルティングファームの利用には、少なくは無い費用がかかるため、利用効果を高めるためにも、自社に合う専門性と信頼できる実績がある企業の選定が必要です。

まとめ

コンサルティング利用は、企業の経営課題を解決するために有効な手段です。コンサルティングを提供しているコンサルティングファームには、さまざまな種類があります。そのため、自社の現状や課題を見つめなおし、適切なコンサルティングファームを選んで依頼しましょう。

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