事業拡大マトリクスとは?活用するメリットや成長戦略の種類についても解説!

事業拡大マトリクスとは、企業や組織などで用いられる考え方の1つです。具体的には、市場や製品に対して、どのような方針や姿勢を取るべきかを決めるのに役立てます。

また、企業としての規模拡大や、安定的かつ継続的な経営を実現するためにも、事業拡大マトリクスは用いられやすいです。

この記事では、事業拡大マトリクスの概要やメリットについて解説するので、参考にしてみてください。

事業拡大マトリクスとは?

事業拡大マトリクスとは、市場開拓や製品開発における方向性や戦略を定めるフレームワークです。

企業の安定的かつ継続的な経営を目指す場合、事業拡大による企業の成長や利益率の改善、リスク分散などは欠かせません。

しかし、むやみに事業拡大を進めるだけでは効果が薄く、投入した資金や時間などが無駄になる可能性もあります。そのため、事業拡大マトリクスを用いて効果的な戦略を策定し、実現性の高い企業の成長方法を追求します。

事業拡大マトリクスを活用するメリット

事業拡大マトリクスを活用すると、さまざまなメリットを得ることが可能です。代表的なメリットとして、下記の2つが挙げられます。

効率的にリソースを使える

事業拡大マトリクスを活用するメリットの1つが、効果的な戦略を立てやすくなることです。企業としての方向性や目的を明確にできるため、資金や時間などのリソースを適切に使いやすくなります。

結果として少ない消費で大きな成果を得やすくなり、使った費用を回収できる可能性が高くなります。経営資源の効率的な利用は、企業の安定的な経営に貢献することも利点です。

成長戦略を見つけやすい

成長戦略を見つけやすくなることも、事業拡大マトリクスを活用するメリットとして挙げられます

事業拡大マトリクスを活用する途中で、市場の変化や新たなビジネスチャンスに触れる可能性が高いからです。

市場の変化や新たなビジネスチャンスを早期に見つけられること自体がメリットでもあります。なぜなら、迅速な対応や準備がしやすくなり、早期の参入による競争優位性の確立や維持に役立つからです。

アンゾフのマトリクスとは?

アンゾフのマトリクスは、戦略的経営の父とも呼ばれた経営学者であるイゴール・アンゾフが提唱した理論です。成長ベクトルや事業拡大マトリクスとも呼ばれています。

アンゾフのマトリクスでは、製品と市場という2つの観点を軸にしています。さらに、製品・市場の2軸を既存と新規に分け、合計4つのグリッド式で戦略を立てるフレームワークです。

製品と市場という2つの面から状況を分析することで、客観的かつ合理的な成長戦略を立てるのに貢献します。

アンゾフのマトリクスにおける成長戦略

アンゾフのマトリクスにおける成長戦略は4種類に分けられます。以下でそれぞれの詳細を解説するので、参考にしてみてください。

市場浸透

アンゾフのマトリクスにおける成長戦略の1つが、市場浸透です。市場浸透は、既存製品と既存市場を掛け合わせた戦略となります。

すでに出来上がっている市場に対して既存の製品やサービスを提供し続けて、売上高・市場シェアを拡大することが目標です。

具体的な戦略としては、成長余地が見込まれる市場や需要を見つけて、認知度の向上やニーズの確立を狙います。

新製品開発

新規製品と既存市場を掛け合わせた戦略が、新製品開発です。方向性は既存市場に向けられており、新製品の開発・投入によって売上高のアップやシェア拡大を目指しています。

市場が出来上がっていて飽和している状態だとしても、手を付けられていないニーズや潜在的な需要が残っている可能性があります。

それらのニーズや需要を満たす製品・サービスを提供できれば、他社との差別化が可能です。結果として、売上高のアップやシェア拡大に繋げることができます。

新市場開拓

新市場開拓は、既存製品と新規市場を掛け合わせた戦略です。具体的には、新しい市場に対して既存製品を投入して、売上高アップやシェア拡大を狙う戦略です。

特定の市場に対して同じ製品・サービスを提供し続けると、やがて供給が飽和して需要が少なくなります。結果として、製品・サービスの売上が伸びにくくなり、企業の成長も鈍化してしまいます。

しかし、特定の市場では伸びなくなっている製品・サービスでも、新しい市場なら関係がありません。新しい市場における需要と合致していれば、シェアが拡大して売上が伸びるでしょう。

多角化

多角化も、アンゾフのマトリクスにおける成長戦略の1つです。多角化は、新規製品と新規市場を掛け合わせた戦略になります。

メリットとして挙げられるのは、成功すれば先行者利益を得やすく、競合も少ないため多くの顧客や需要を補足できることです。

しかし、多角化は製品も市場も新しい方向性で進むため、既存のノウハウや技術などが流用しにくいです。

そのため、新規製品・サービスの開発における、コストや時間などのリソース面の負担も大きく、リスクは高い傾向にあります。

多角化における4つの方向性

多角化は、アンゾフのマトリクスにおける4つ成長戦略の1つです。しかし、多角化はそれ自体が4つの方向性に分けられます。ここからは、多角化における4つの方向性と、それぞれの詳細について解説します。

水平型多角化

既存の技術やノウハウを活用して、新製品や新サービスの開発を目指すのが、水平型多角化です。成熟したノウハウや、すでにある技術を応用して製品・サービスの開発に取り掛かれるため、各種コストを抑えやすいことが利点として挙げられます。

また、新製品・サービスが完成したら、既存の市場と似ている別の市場に投入します。別の市場に投入する理由は、既存の市場で競合が発生することを防ぎつつ、多角化を達成するためです。

垂直型多角化

多角化における方向性の1つとして、垂直型多角化が挙げられます。垂直型多角化は、新しい製品やサービスを、既存の市場と類似した市場に投入する手法です。

既存の技術やノウハウは活かしにくいため、製品やサービスにおけるメリットは多くありません。しかし、市場に対するアプロ―チという面では、コストやリスクを抑えやすいです。

なぜなら、既存の市場と類似した市場であれば、それまでの経験や販売網などを活用しやすいからです。

具体的には、蓄積してきたマーケティングデータや取引先との関係などが、流用しやすい傾向にあります。

集中型多角化

集中型多角化は、製品・サービス面は既存の方向性で、市場は新規の方向性で進める多角化です。

製品・サービスの開発は、企業が持つノウハウや資源などのリソースを流用できるため、コストや時間などを抑えられます。

しかし、新しい市場に進出するため、市場に関するノウハウや資源などは活かしにくいです。そのため、効果的なマーケティングの確立や販売網拡大などにコストがかかり、リスクも高くなります。

集成型多角化

多角化における方向性の1つとして挙げられるのが、集成型多角化です。なお、コングロマリット型とも呼ばれます。

集成型多角化では、保有している技術やノウハウ、得意とする市場とは全く関係のない分野へ進出します。

いずれの方面でも既存の技術や各種リソースを活用できないため、初期投資が高くなりやすくリスクも大きい手法です。

しかし、成功すれば大きなリターンが得られる他、新たな技術やノウハウの蓄積にも繋がります。

まとめ

事業拡大マトリクスの概要や活用するメリット、アンゾフのマトリクスの概要やそれぞれの戦略について解説してきました。

事業拡大マトリクスは、企業の成長や安定した継続を実現するために役立つ手法です。そして、事業拡大マトリクスにおける戦略の多くで、ノウハウは重要されています。

しかし、ノウハウは自力で獲得しようとすると多くの時間とリソースがかかってしまいます。そこでおすすめしたいのが、外部からノウハウを取り入れることです。

ハウスドゥは、長年に渡って複数の直営店を経営しており、豊富なノウハウや実証済みのシステムを保持しています。

事業拡大マトリクスを活用したいと考えている企業の担当者の方は、ぜひハウスドゥへの依頼も検討してみてください。

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