資産管理会社とは?設立するメリットやデメリットや手順を解説

資産管理会社を設立すると、不動産や株といった資産を持つ人が適切に資産運用をすることができます。そう聞くと資産管理会社は富裕層のものと思うかもしれませんが、実際はそうではありません。副業や資産運用をしている方であれば、サラリーマンであっても恩恵を受けられることがあります。
本記事では、資産管理会社の概要やメリットやデメリット、設立の手順について解説します。

不動産業界参入マニュアル無料プレゼント!ハウスドゥのフランチャイズ資料請求はこちら>

資産管理会社とは

資産管理会社とは、不動産や株といった資産を持つ人が、自らの資産を管理するために立ち上げる会社のことです。
通常の会社とは違い、営業活動などはせずに会社オーナーの資産管理を目的としているため、「プライベートカンパニー」とも呼ばれています。
個人ではなく資産管理会社で資産を管理することで、主に税制面において恩恵が受けられます。

資産管理会社を設立するメリット

大きな資産を運用するなら、資産管理会社を上手に活用することで多くのメリットを受けることができます。
特に節税対策や遺産相続など、トラブルが生じやすい事柄についてリスクを低減できるでしょう。
ここではメリットを5つご紹介します。

1.節税効果

資産から得られる利益を、「個人」で受け取るか「法人」で受け取るかによって税金が変わってきます。
「個人」の税金は収入が増えるほど大きくなり、所得税と住民税を合わせて最大で約55%です。
それに対し「法人」の実効税率は最大約33%。
したがって、所得が大きい場合は法人で事業を行った方が税率を抑えることができます。

2.損益通算の対象(経費)が個人より多い

損益通算とは、複数の事業の損失と利益を合算することです。
例えば、不動産所得の利益と株の損失を合算することで、損失分の利益を圧縮し税金を抑えることができるのです。個人でも損益通算はできますが、法人ではその対象が広がります。
具体的には、生命保険や社宅、出張時の日当などが経費になります。

3.繰越控除の期間が個人より長い

繰越控除とは、当年の損失を翌年以降に繰越し、翌年以降の利益と損益通算できる制度のことです。
個人も繰越控除は認められていますが、個人だと最長3年間繰越せるのに対し、法人は最長10年間まで繰越しできます。そのため、長期に渡って繰越控除が可能です。

4.所得を分散できる

個人が保有する資産からの所得は、本人のみ受け取ることができます。
一方、資産を資産管理会社が保有する場合は、家族を役員とすることで役員報酬という形で本人のみが受け取っていた所得を家族に分散できます。
本来であれば110万円以上の現金を家族に渡す場合は贈与税が発生しますが、役員報酬は贈与税の課税対象ではないため、税率の低い所得税の課税対象として現金を渡すことができます。また、報酬は経費計上が可能です。

5.相続対策

役員報酬により、家族に現金を渡しておくことが相続時のトラブル対策にもなります。
相続税は資産のオーナーが亡くなったタイミングで課税されます。そのため、突然の不幸があったケースなど、急遽まとまった現金が必要なものの足りない場合は、資産を手放さなければならない「物納」のリスクがあります。しかし、あらかじめ家族がまとまった現金を持っていれば、そのリスクを軽減できます。

また、不動産を複数人で相続する場合、土地の分筆(※)や金銭による代償などが必要となります。この手続きは非常に厄介なため、相続者間で争いになるリスクもあります。
(※)=土地を相続人同士で分け合うこと
しかし、資産を資産管理会社に移転していれば、相続される資産は資産管理会社の株式になるため、計算がしやすく資産分割が容易です。

資産管理会社を設立するデメリットと注意点

資産管理会社のメリットはたくさんありますが、設立にはそれなりの費用や手間・時間がかかります。そういったデメリットも踏まえて設立を検討してみましょう。
ここではデメリットと注意点を4つご紹介します。

1.会社の設立と維持にそれなりのコストがかかる

資産管理会社の設立・維持にはそれなりのコストがかかります。資本金の額によりますが、設立時に合同会社は約15万円、株式会社は約30万円必要です。
また、会社維持には経理処理も必要なため、税理士報酬も支払わなければなりません。

2.損失が出ていても法人住民税がかかる

損失が出ている年であっても、均等割という法人住民税が発生します。金額は自治体によりますが、最低でも年間7万円必要です。

3.資産管理会社の保有資金は自由に使えない

資産管理会社のお金を個人目的で使うことはできないため、臨機に資産管理会社から個人へお金を移す必要があり、これには資産移転コストがかかります。
役員報酬や配当として支払うのですが、総合課税として扱われ、税金は最大で55%です。

4.海外遺産の相続には手間と時間がかかる

海外資産の相続には手間と時間がかかります。
例えば、アメリカに不動産を保有していた場合、相続人に名義変更するには原則としてプロベートという裁判所管理下の手続きが必要です。このプロベートは、遺言の有無に関わらず必要な手続きで、完了までには1〜3年かかると言われており、その間資産は凍結されます。
やり取りも英語のため、国際的な税務・相続に精通したプロに任せることが一般的で、当然費用も発生します。

5.会社の廃業時に費用がかかる

会社を廃業する時には、手間や費用がかかります。
例えば不動産などは名義を移転してしまうため、廃業時には個人へ名義を戻すために税金や登記費用がかかります。

資産管理会社の設立手順

1.会社に関する情報の整理

会社の設立にあたり、「社名」「本店所在地」「出資者」「資本金の額」「決算月」を決める必要があります。

  • 「社名」
    社名を決める際、株式会社や合同会社など会社の種類名を含める必要があります。商標権登録されている名称や行政官庁の名前・複雑な記号などは使えません。
  • 「本店所在地」
    本店所在地は自宅にする方が多いです。
    銀行から融資を受ける際は、その銀行の営業エリアに本店所在地が入っているかを見ることがあるため、融資を受けたい方はその点も踏まえて検討しましょう。
  • 「出資者」
    オーナーだけでなく、家族などを入れる場合もあります。役員報酬を支払う家族は、出資者である必要はありません。
  • 「資本金の額」
    資本金は1円から設定可能です。事業会社ではないため資本金の額にこだわる必要はなく、少額でいいと言われています。
  • 「決算月」
    決算月は、何月に設定しなければならないなどの決まりはありません。
    ただし、1〜3月は公認会計士や税理士の繁忙期と被るため、避けた方が良いです。

2.必要なものの準備

会社の設立には、「代表者印・社印・銀行印」「定款」「登記書類」「開業届」「就任承諾書」「出資金」「会社設立費用」が必要です。

  • 「代表者印・社印・銀行印」
    会社設立時には3種類の印鑑が必要です。金額はさまざまですが、相場は各2万円程度です。特にこだわりがない場合は、インタースネットでの作成も可能です。
  • 「定款」
    定款は、会社の基本的なルールを定めたものです。司法書士に依頼をすることももちろんですが、インターネットで雛形をもとに作成をすることも可能です。
  • 「登記書類」
    資産管理会社の設立登記のため法務局へ提出する書類です。一般的には司法書士に依頼をします。
  • 「開業届」
    個人が事業を開始した際に、税務署へ提出する書類です。あわせて「青色申告承認申請書」を提出すると繰越控除を受けることができます。
  • 「就任承諾書」
    役員になる人全員から回収する必要があります。
    内容は、日付と本人の名前・住所に加えて「○○○株式会社(会社の名称)の設立時取締役に選任されたので、その就任を承諾します」といった文言を記載します。
  • 「出資金」
    法人の銀行口座を作成し資本金を振込み、通帳のコピーを法務局に提出します。
  • 「会社設立費用」
    会社設立費用は、別途準備しておきましょう。

3.役所への届出

法務局へ登記書類を、税務署へ開業届を届出ます。

まとめ

資産管理会社を活用することで、節税や相続対策などのメリットが得ることができます。ご自身の資産の状況に合わせて、ぜひ検討をしてみてはいかがでしょうか。

不動産売買仲介専門フランチャイズのハウスドゥは、いただくロイヤリティに対して様々な事業サポートを行っています。
圧倒的なブランド力と仕組みで業界経験者のみならず、未経験者の成功者も多数排出してきました!
現在資料請求をした方にもれなく、ハウスドゥオリジナルの「不動産参入マニュアル」をプレゼント中です。

ハウスドゥのフランチャイズ資料請求はこちら(無料)