不動産業を個人事業主で開業!メリット・デメリットやタイプも解説

不動産業で個人事業主となる人が増えています。本業が会社員やフリーランスでも、不動産業を個人事業主として始めることは可能です。この記事では、不動産業で個人事業主になるメリット・デメリットを示したうえで、手続きの方法について解説します。ぜひ参考にしてください。

不動産業を個人事業主で開業

不動産業は主に3つに大別できます。具体的には、不動産投資家、不動産賃貸業、不動産業(不動産会社)です。個人事業主としてそれぞれを開業する場合について、概要を解説します。

そもそも個人事業主とは

個人事業主とは、個人で事業を営む人全般を表しています。不動産であれば、不動産投資家、不動産賃貸業、不動産業(不動産会社)などに個人で取り組む人が該当します。

税務上の区分の個人事業主として認められるためには、税務署に対する個人事業の開業・廃業等届出書の提出が必要です。書類は、事業を開始してから1ヶ月以内に提出しなければなりません。

個人事業主になる場合、費用は特にかかりません。書類さえ提出すれば、基本的に誰でも個人事業主として認められます。

個人事業主として不動産投資家になる場合

不動産投資家は、一般的に不動産の売買による差益を得ている人のことです。不動産投資家として個人事業の開業・廃業等届出書を作成して税務署へ提出すれば、個人事業主の不動産投資家になれます。

ただし、不動産の売却益は譲渡所得であり、分離課税に分類されます。確定申告が必要ですが、損益通算はできません。他の所得がある場合は注意しましょう。

個人事業主として不動産賃貸業を始める場合

不動産賃貸業は、所有している不動産を他人に貸し出して賃料を得る事業です。たとえば、アパート経営者や駐車場経営者などが不動産賃貸業に該当します。

不動産の賃貸収入は不動産所得であり、所得税が発生します。確定申告をしたうえで所得税を納税しましょう。不動産の賃貸収入による所得は損益通算が可能です。

個人事業主として不動産業(不動産会社)を開業する場合

不動産業は、不動産全般を取り扱う事業です。不動産取引の仲介や売買などが該当します。不動産業においては宅地建物取引士の設置が必須です。個人事業主として不動産業(不動産会社)を開業するには、開業する本人が宅地建物取引士の資格を保有している必要があります。なお、従業員5人以上いる場合は、開業者のほかにもさらに1名の専任宅地建物取引士が必要です。

また、不動産取引は高額になるケースがほとんどであるため、保証協会へ加入することが一般的です。よって、実際には個人事業主よりも法人として経営するケースが多くなっています。

不動産業を個人事業主として開業するメリット

不動産業を個人事業主として開業する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下でくわしく解説します。

経費計上できる範囲が広がる

個人事業主になれば、確定申告の際に経費として計上できる項目が多くなります。不動産業のためにかかった経費を申請できれば、その分だけ節税になります。また、家族を従業員にした場合、事業専従者控除も利用可能です。個人事業主になると、税制面でより有利に不動産業を展開できるようになります。

青色申告で節税できる

個人事業主になると、確定申告の青色申告も利用可能です。青色申告は、白色申告よりも税制面における優遇措置が豊富です。具体的には最大65万円の青色申告特別控除があり、指定した範囲内で事業専従者控除も受けられます。ただし、青色申告を適用するには、青色申告承認申請書を事前に税務署へ提出する必要があります。

損失を3年繰り越せる

個人事業主として開業すれば、損失を3年繰り越せます。たとえば、不動産業で今年赤字が発生し、損失を繰り越したとします。この場合、翌年に利益が出れば、繰り越した損失分の控除が可能です。

不動産業を個人事業主として開業するデメリット

不動産業を個人事業主として開業するうえでは、デメリットもあります。ここでは、具体的にどのようなデメリットがあるか解説します。

失業手当が受けられない

会社員を辞め、開業届の提出により個人事業主として不動産業を始めた場合、たとえ不動産業がうまくいかなくなっても失業手当は受け取れません。失業手当を受け取るには、職探しをしている状態である必要があるからです。開業すれば受給資格がなくなるため、不正受給をしないよう注意しましょう。

青色申告をするのに手間がかかる

開業届とともに青色申告承認申請書を提出すると青色申告を利用できますが、そのためには複式簿記による帳簿作成が必須です。簿記に関する知識がないと、帳簿作成がうまくいかない可能性があります。複雑で難しいと感じる場合は、税理士への相談も検討する必要があります。

開業届を提出する際に必要な書類など

不動産投資家、不動産賃貸業、不動産業(不動産会社)のいずれかで開業する場合、開業届の提出が必要です。複数の書類が必要になるため、注意しましょう。ここでは、開業届を提出する際に必要な書類について解説します。

個人事業の開業・廃業等届出書

個人事業の開業・廃業等届出書は、個人が新しく事業を開始する際に提出する書類です。また、事務所の新設、増設、移設、移転、廃止などを行う際も、改めて届け出る必要があります。

事業を開始したら、その日から1ヶ月以内に個人事業の開業・廃業等届出書を提出しましょう。提出先は、納税地を所轄する税務署長です。提出用と控用の書類を用意します。税務署の受付印がつかれた控用の書類は、自分で保管します。控用の書類は融資を受ける際に必要となる可能性があるため、大切に管理しましょう。

マイナンバー確認書類・本人確認書類

個人事業の開業・廃業等届出書にはマイナンバーの記載欄があり、マイナンバーを確認するための書類も用意する必要があります。マイナンバーカード、個人番号通知カード、個人番号記載の住民票のいずれかを用意しましょう。

また、なりすましを防ぐ目的により、本人確認書類の提示も求められる可能性があります。ただし、マイナンバーカードに限っては写真付きの書類であるため、本人確認書類の提示は不要です。

印鑑

事業の開業・廃業等届出書に押印欄はないものの、訂正が必要になれば訂正箇所に訂正印を押す必要があります。窓口で書類を提出する場合、万が一訂正が発生しても、印鑑を持参していればその場で対応できます。

事業開始等申告書

事業開始等申告書は、都道府県税事務所と市町村に提出する書類です。個人事業税に関して必要な書類となっています。ただし、各自治体によって、事業開始等申告書の名称、手続き方法、期限などはそれぞれ異なります。申請の際は自治体のホームページを確認し、どのような書類や手続きが必要なのか確認してください。

開業届と同時に提出しておいたほうがよい書類

開業届を出す際は、同時に提出したほうがよい書類があります。以下でくわしく解説します。

青色申告承認申請書

開業に伴い青色申告をするには、事前の申請が必要です。開業届の提出時に、所得税の青色申告承認申請書も提出するとスムーズです。ただし、青色申告承認申請書は後からでも提出できます。青色申告を行う年の3月15日までに税務署へ提出しましょう。

青色事業専従者給与に関する届出書

家族や親族を従業員として雇用する場合、開業届とともに青色事業専従者給与に関する届出書を提出しましょう。この書類を提出すると、家族や親族に支払う給与を経費として計上できるようになります。提出期限は、給与を経費として計上する年の3月15日までです。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、給与を支払っている従業員から徴収した源泉所得税の納付方法を変更する際に必要な書類です。通常は翌月10日までに納付する必要がありますが、書類を提出すればまとめて年2回の納付で済ませられます。煩雑な事務作業の軽減につながります。

まとめ

不動産で個人事業主として開業する場合、不動産投資家、不動産賃貸業、不動産業(不動産会社)などの種類があげられます。開業して不動産業に取り組むとさまざまなメリットを得られるため、必要な書類を揃えて手続きしましょう。

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