独立開業とは、自分で事業を立ち上げ、個人事業主になったり法人企業を作ったりすることです。独立開業すると柔軟な働き方を実現でき、会社に雇用されている場合よりも高収入を目指せる可能性があります。この記事では、独立開業に伴って必要なことや、独立開業がしやすい業種の特徴などを解説します。
独立開業とは
独立開業とは、自ら事業を興し、個人事業主や法人企業の代表者になることです。会社に雇用されず、自ら責任をもって事業を運営できます。開業と似た言葉としては起業もあります。ただし、起業は個人ではなく組織として事業に着手する意味合いが強いです。ベンチャー創業や法人設立などが該当します。
独立開業のメリット
独立開業にはさまざまなメリットがあります。ここでは、特に注目度の高い2つのメリットについて解説します。
自己成長を実現できる
独立開業するとすべての業務に自分で対応して事業を運営する必要があり、仕事に関する知識が深まるとともにスキルが高まる点がメリットです。また、自分で考えて行動し、その経験が蓄積されていくため、成長を実感できます。
頑張り次第で高収入が可能
会社に雇用されている場合、努力しても給与の上限が決まっているケースが多いです。しかし、独立開業すれば、成果を出すほど収入を増やせます。頑張り次第で高収入を得られるため、充実度も高まりやすいでしょう。
独立開業のデメリット
独立開業にもデメリットがないわけではありません。具体的にどのようなデメリットがあるか解説します。
責任が重い
独立開業すれば、すべての責任を自分で負う必要があります。会社員であれば、重大なミスをしても勤め先が責任をとる場合が多いです。よって、会社員を辞めて独立開業すると、仕事における責任がより重くなります。
経済面で不安になりやすい
独立開業すると売上によって収入が左右され、経済面で不安になりやすい点は懸念すべき材料です。特に、開業して間もないうちは赤字になりやすいため、注意しましょう。資金について計画的に考えておく必要があります。
独立開業に向けてやること
独立開業を目指す場合、事前にやっておきたいことがあります。以下でくわしく解説します。
事業の計画を立てる
まずは、どのような事業を立ち上げるかについて計画を立てましょう。事業の内容が明らかになっていなければ、独立開業のための行動は起こせません。事業の内容だけでなく、収益の見込みについても検討する必要があります。具体的な計画を立て、実際に実現できるか慎重に見極めましょう。
資金や備品の準備
独立開業するには、資金や備品が必要です。独立開業した後に用意しようとすると事業に支障が出る恐れがあるため、事前に準備しておきましょう。事業の計画をベースに、どの程度の資金やどのような備品が必要か考え、資金計画を策定することが大切です。可能な限り過不足なく準備を整えられると、独立開業がスムーズになります。
開業届などの提出
独立開業の準備が整ったら、実際に事業に取り組むための手続きをしましょう。個人事業主になる場合は、所轄の税務署に開業届を提出する必要があります。独立開業のタイミングは、個人事業主として開業届を出した日付となります。忘れずに手続きを行いましょう。
国民健康保険や国民年金への加入
独立開業したら、国民健康保険や国民年金へ加入する必要があります。もともと会社に勤めていた人は会社の健康保険や厚生年金を脱退し、新しく国民健康保険や国民年金に加入しなければなりません。保険の料率は、前年度の年収、加入者数、年齢などによって変動します。
個人事業主やフリーランスが将来に備えるには、国民年金だけでなく、国民年金基金、iDeCo（個人型確定拠出年金）、付加年金のなどの活用も検討すると安心です。
独立開業しやすい業種の特徴
独立開業しやすい業種は、どのような業種でしょうか。特徴を解説します。
初期費用が抑えめ
スムーズに独立開業するには、初期費用が少ない業種がおすすめです。初期費用があまりかからなければ、必要な資金を確保しやすくなります。また、万が一事業が失敗してもリスクは限定的です。たとえば、店舗や事務所が必要ない業種や、在庫を抱えなくてよい業種は、初期費用を抑えて独立開業できます。
場所を選ばず仕事がしやすい
場所を選ばずにできる仕事も独立開業に向いています。店舗、事務所、在庫の保管場所などが必要ない業種なら、自宅でも仕事が進められるでしょう。初期費用が少ないうえに、家賃や光熱費などの維持費用もほとんどかからないため、資金の不足による失敗を防げます。
利益率が高め
独立開業においては、利益率にも注目する必要があります。利益率とは、売上に対する利益の割合です。利益率が高い業種なら単価や生産効率も高いため、効率的に稼げます。事業が軌道に乗りやすく、稼働時間が少なくても収入を得ることが可能です。
独立開業を目指す際のポイント
ここでは、独立開業を目指す際に意識したいポイントについて具体的に解説します。
必要なスキルを習得する
独立開業するなら、計画や目標に合わせて必要なスキルを習得しましょう。たとえば、ITエンジニアならプログラムの知識や技術、動画クリエイターなら動画編集に使用するソフトのスキルなどがあげられます。必要なスキルは選ぶ業種によって異なるため、独立開業に向けて何を習得すべきか考えましょう。
副業から始めてみる
いきなり独立開業すると失敗する可能性が高いため、まずは副業として試してみるのも1つの方法です。たとえば、会社員として働きながら、副業に取り組んでみましょう。副業で事業を始めた場合も、実際の業務を通して経験を積めます。その過程で人脈やコネクションなども構築できるため、独立開業する際に活かすことが可能です。
ビジネスとして成り立つ物を選ぶ
独立開業するからには、自分が取り組もうとしている事業がビジネスとして成立するのか、見極める必要があります。需要がなければ、利益が出るサービスや商品も提供できません。多くの人に必要とされる商品やサービスを生み出すには、市場、需要の有無、競合状況などについて入念な調査が必要です。調査の結果を踏まえ、成功する可能性のある事業に取り組みましょう。
独立開業における注意点
独立開業については、気をつけたいこともあります。ここでは、独立開業における注意点を解説します。
組織ではなく個人から始める
独立開業は、組織ではなく個人から始めることをおすすめします。いきなり複数人の組織で事業を始めた場合、人件費や管理などのコストが多くかかります。そのため、事業が失敗した際のリスクも大きいです。事業が軌道に乗るまでは個人で対応できる範囲に集中し、状況に応じて事業規模を拡大しましょう。十分な利益が出るようになれば、増員もスムーズに行えます。
必要な資金は事前に用意する
独立開業後に必要な資金は、独立開業前に用意しておきましょう。独立開業するには開業資金のほか、当面の事業の運転資金や生活費などが必要です。独立開業してから事業が軌道に乗るまでには、時間がかかる場合も少なくありません。それまでの期間を乗り切るためにどの程度の資金が必要か考慮し、十分な資金を手元に用意しておきましょう。
独立開業の資金を調達する方法
独立開業の資金は、どのように調達すればよいのでしょうか。以下でくわしく解説します。
助成金や補助金を活用する
独立開業の際は、助成金や補助金を活用できる場合があります。経済産業省の中小企業庁、厚生労働省、地方自治体などが助成金や補助金を出しています。申請の期間が決まっている場合もあるため、公式サイトなどをよく確認しましょう。
ただし、助成金や補助金を受けるには、条件を満たしていなければなりません。審査もあるため、目的や使い道を明確にしたうえで申請しましょう。
銀行などから融資を受ける
必要な資金のすべてを自力で用意できない場合は、銀行などが提供しているビジネスローンや起業支援ローンなど、独立開業向けの融資を受ける方法もあります。その場合、ビジネスプランや財務計画などの提出が必要です。状況によっては、担保が求められる可能性もあります。融資は返済が必要であるため計画的に利用しましょう。
まとめ
独立開業すれば、自らの努力次第で豊富な経験を積んだり、高収入を目指したりすることができます。ただし、軌道に乗るまで時間がかかる場合も多いため、計画的に取り組むことが大切です。事前の準備に力を入れ、スムーズな独立開業を目指しましょう。
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