宅地建物取引業免許とは?取得するための要件や宅地建物取引士との違いを解説!

宅地建物取引業免許とは、宅地建物取引業の営業のために必要な免許です。宅地や建物についての業務を適切に運営し、公正な取引の実現を目的としています。この記事では、宅地建物取引業免許の概要や種類などを解説します。取得の要件や取得までの手順についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

宅地建物取引業免許とは

宅地建物取引業免許とは、宅地建物取引業に必須の免許です。宅地建物取引業とは、不特定かつ多数の人を相手に、事業として宅地や建物の取引を反復継続して行うことです。定義に当てはまっていれば、個人でも法人でも宅地建物取引業免許の申請や取得ができます。

宅地建物取引士との違い

宅地建物取引業免許は、宅地建物取引業を営むために必要な免許です。国が定めている不動産取引に関する法律に基づき交付されています。一方、宅地建物取引士(宅建士)は、宅地建物取引業についての専門的な知識や技能を証明するための資格です。

宅地建物取引業法に基づく国家資格であり、個人が取得できます。重要事項説明書の説明は、宅建士しかできません。また、宅建業を営むには、5名に対して1名以上の宅建士を在籍させる必要があります。

宅地建物取引業免許が必要な理由

宅地建物取引業免許が必要な理由は、宅地や建物に関する取引が適切に行われるようにするためです。宅地や建物は人の生活にとって欠かせないものですが、宅地や建物の取り扱いに関する知識や経験が乏しい人も少なくありません。

そのため、悪質な業者と取引し、損害を被るリスクがあります。宅地建物取引業を営む事業者に対し、宅地建物取引業免許を必須とすることで、適切な取引を実現できるようにしています。

宅地建物取引業免許の種類

宅地建物取引業免許の種類には、都道府県知事免許と国土交通大臣免許があります。それぞれについて解説します。

都道府県知事免許

都道府県知事免許は、特定の都道府県内のみで事務所を展開する際に必要です。該当する都道府県の知事から宅地建物取引業免許の交付を受けます。

たとえば、東京都内のみに事務所を設置する場合は、東京都知事免許を申請して交付を受ける必要があります。東京都に設置したすべての事務所を閉鎖して他の都道府県へ移転する際は、改めて移転先の都道府県の知事から、宅地建物取引業免許の交付を受けなければなりません。

国土交通大臣免許

国土交通大臣免許は、2つ以上の都道府県に事務所を設置する際に必要です。各都道府県の知事から交付を受けるのではなく、国土交通大臣から免許の交付を受ける必要があります。国土交通大臣免許の申請は、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行います。

後から特定の都道府県内に事務所を集約することにした場合、国土交通大臣免許から都道府県知事免許への変更が必要です。

宅地建物取引業免許を取得するための要件

宅地建物取引業免許を取得するには、一定の要件を満たす必要があります。以下でくわしく解説します。

専任の宅地建物取引士を設置している

宅地建物取引業免許を取得するには、専任の宅建士が必要です。事務所ごとに、5名に対して1名以上の宅建士を配置しなければなりません。この宅建士は事務所に常勤し、宅地建物取引業に専従していることも条件です。

免許申請者と商号が適合している

宅地建物取引業免許の取得のためには、免許申請者と商号の適合も要件の1つとなります。免許申請者や商号によっては一定の制限を受け、変更が必要となるケースもあります。たとえば、法律で使用が禁止されていたり、公的機関の名称と紛らわしかったりする場合、変更が求められる可能性が高いです。

欠格要件に該当しない

代表者、役員、政令使用人などが欠格要件に該当していると、宅地建物取引業免許を取得できません。たとえば、能力や信用に問題があると判断される場合、欠格要件に該当するとみなされます。また、過去に刑罰を受けていたり、宅建業に関する不正な行為があったりすれば、宅地建物取引業免許の交付が認められません。

事務所の形態に問題がない

事務所の形態も、宅地建物取引業免許の交付の可否に影響を与えます。具体的には、第三者から客観的に見て事務所として認識でき、継続的に業務を営める環境である必要があります。一般的なオフィスであれば、基本的に問題はありません。ただし、戸建住宅や居室用のマンションの一室を事務所とする場合、不認可になるケースもあります。

営業保証金の供託または保証協会に加入する

宅地建物取引業免許を取得するには、供託金の支払いや保証協会への加入が必要です。これらが必要な理由は、宅建業者と取引する一般の消費者を保護するためとされています。

供託金を支払う場合、主たる事務所は1,000万円、支店は1店ごとに500万円の支払いが必要です。保証協会へ加入する場合も、弁済業務保証金分担金の支払いを求められます。弁済業務保証金分担金の金額は、主たる事務所は60万円、支店は1店ごとに30万円です。

宅地建物取引業免許の取得までの手順

ここでは、宅地建物取引業免許を取得するまでの手順について、具体的に解説します。

1.書類を用意して申請する

申請書類を用意し、各都道府県の窓口に提出して申請しましょう。申請書類は各都道府県の窓口やWebサイトなどから入手できます。また、申請時には、33,000円の手数料がかかります。不動産業課の手数料収納機で専用のシールを買い、申請書類に貼り付けて支払う仕組みです。

2.内容を審査される

申請書類が受理されると、内容について審査が行われます。具体的には、欠格要件の審査、事務所の形態に関する審査、専任の取引士に関する審査などが実施されます。審査にかかる期間は、30~40日程度です。

3.宅建業免許を取得する

審査に通過すれば、その旨を伝えるハガキが事務所の本店に郵送で届きます。ただし、この時点では免許証を実際に入手できているわけではないため、まだ宅地建物取引業を開始できません。免許証を受け取る前に営業活動や広告活動に着手すると違反とみなされ、罰則の対象になるため注意が必要です。

4.営業保証金を供託する

免許証を取得するには、営業保証金の供託が必要です。審査に通過して免許を取得してから、3か月以内に供託を完了させない場合、取り消しになる可能性があります。営業保証金の供託は2種類に分かれているため、以下でそれぞれについて解説します。

供託所へ営業保証金を預ける

主たる事務所から最寄りの法務局の供託所に営業保証金を預ける方法です。すでに触れたとおり、主たる事務所については1,000万円、支店は1店ごとに500万円がかかります。

弁済業務保証金分担金を納付する

保証協会に加入し、弁済業務保証金分担金を支払う方法もあります。弁済業務保証金分担金の金額は、主たる事務所は60万円、支店は1店ごとに30万円です。

 5.宅建業免許証が交付される

供託所へ営業保証金を預けた場合、供託した旨を免許権者に届け出ると宅建業免許証が交付されます。また、保証協会に弁済業務保証金分担金を納付した場合、納付の写しを免許権者に提出すると宅建業免許証を受け取れます。この時点から、営業活動や広告活動への着手が可能です。

宅地建物取引業で免許が取り消しになる事項

宅地建物取引業については、免許が取り消しになるケースもあります。該当する事項について解説します。

必要的免許取り消し事項

以下の要件に該当する場合、必ず免許の取り消しが行われます。

・欠格事項に該当する

・免許換えをしていない

・免許の交付後、1年以上営業していない

・廃業の事実が判明した

また、以下の要件に当てはまる場合は、5年間免許を受けられなくなります。

・免許の不正取得、情状が特に重い不正不当行為、業務停止処分違反により免許を取り消された

・免許の不正取得、情状が特に重い不正不当行為、業務停止処分違反の疑いがあるとして聴聞の公示をされた後、廃業などの届出を行った

・禁錮以上の刑や宅地建物取引業法違反などにより罰金の刑に処せられた

・免許を申請する前の5年以内に、宅地建物取引業に関する不正または著しく不当な行為をした

欠格事項

必要的免許取り消し事項における欠格事項について具体的な内容をあげると、以下のとおりです。

・成年被後見人、被保佐人、破産手続の開始決定を受けている

・宅地建物取引業に関して不正または不誠実な行為をする恐れが明らかである

・事務所に専任の宅地建物取引士を設置していない

任意的免許取り消し事項

必ず免許の取り消しになるとは限らないものの、以下の要件に該当すると免許が取り消される可能性があります。

・免許交付時の違反事項が判明した

・宅地建物業者の所在地が不明になった

・営業保証金の受託に関する届出がない

まとめ

宅地建物取引業を営むには、宅地建物取引業免許が必要です。取得するには、要件を満たしたうえで申請する必要があります。状況によっては免許が取り消しになるケースもあるため、要件をよく確認したうえで対応しましょう。

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