
人材育成を効果的に実施するには、的確な目標設定が大事です。人材育成の目標には、企業方針やそれぞれの従業員が置かれている立場・状況を反映させたうえで、設定する必要があります。
この記事では、人材育成における目標の立て方やポイント、部門別の例などを解説します。人材育成を始める際に、ぜひ役立ててください。
この記事の目次
人材育成における目標の立て方
人材育成で目標を立てるためには、対象となる従業員の現状把握から始めます。また、目標はできるだけ具体的に立て、期日も決めておくと効果的です。以下では、人材育成で目標を立てる方法についてくわしく解説します。
従業員それぞれの現状と役割を把握する
成長を促すために的確な目標を設定するには、従業員それぞれの現状把握による課題発見が必要です。任されている業務や立場などを把握し、目指すキャリアとの差を埋めるに何をすればいいのかを考えます。
目指すべきキャリアや人材像を把握するには、従業員の企業内における役割を明確にすることも大事です。また、従業員が置かれている状況や役割によって課題は変化するため、定期的な見直しも必要になるでしょう。
具体的な内容で目標を立てる
不明瞭や曖昧な目標では、達成に向けた計画が立てにくいほか、達成基準も明確になりません。そのため、目標設定する際には、「何を」「どうやって」「どのくらい」「いつまでに」など、できるだけ具体的で明確なものにする必要があります。
人によって達成基準の判断が異なってしまうと、適切な評価やフィードバックをすることが難しくなってしまいます。また、達成までのモチベーションを維持するためにも、具体的でわかりやすい目標設定が重要です。
目標達成に期日を設け計画を立てる
人材育成のために目標を設定する際には、達成するまでの期日を設けておくことが大切です。何をいつまでに完了するべきか把握できれば、より具体的な人材育成計画を設計できます。明確な目標と達成までの具体的な計画の策定により、従業員は無駄を減らして行動できるようになるため、目標の達成率も向上します。
人材育成の目標設定で重要なポイント
人材育成で目標設定する際に重要となるポイントとして、以下の3つがあります。
・定量的な指標を目標にする
・短期目標と中長期目標を作る
・企業全体の目標を前提にする
それぞれのポイントについて、以下でくわしく解説します。
定量的な指標を目標にする
目標に対する計画や進捗に関して周りが評価しやすいように、定量的な指標を用いて目標設定するとよいでしょう。曖昧で不明瞭な目標はモチベーションが高まりにくく、自発的な行動につながらない可能性もあります。定量的な指標で目標を立てておけば、達成できない場合の解決策や対策も検討しやすいでしょう。
短期目標と中長期目標を作る
短期目標と中長期目標を分けて設定しておくと、モチベーションを保ったまま取り組みやすくなります。時間がかかる目標だけでは達成感を得られないため、少しずつ達成できるように段階的な目標を立てましょう。期間ごとの目標のなかでも、さらに大・中・小と違う大きさの目標を立てると、今やるべきことをスムーズに判断できます。
企業全体の目標を前提にする
企業の利益につながる人材育成を実施するためには、企業目標を前提にした目標設定が必要です。企業の目標に沿っていないと、達成の目的を見失い、なぜ人材育成に励んでいるのかわからずに悩んでしまうケースもあります。
日ごろから企業目標をしっかりと周知・共有し、人材育成に反映できる環境づくりも重要です。企業目標を意識した人材育成ができれば、企業の一員として自覚を持った人材の育成につながります。
人材育成で目標設定が重要な理由
人材育成において目標設定が重要視されるのは、以下の3つの効果が期待できるためです。
・スキルアップによる成果向上につながる
・従業員のモチベーションアップにつながる
・人事評価につなげやすくなる
それぞれの効果について、以下で詳しく解説します。
スキルアップによる成果向上につながる
目標達成するためのスキルが不足していれば、各自でのスキルアップが必要です。上司にアドバイスをもらったり、自発的な学習をしたりする機会になるため、従業員それぞれのスキルアップが実現できます。従業員のスキルが向上すれば、企業全体の成果向上も期待できるでしょう。また、従業員のスキルを把握できれば、適切な人材配置による業務効率化も図れます。
従業員のモチベーションアップにつながる
目標が設定されていると「達成しよう」という意欲が湧きやすく、モチベーションアップにつながります。企業側が設定するだけでなく、従業員自身に目標設定してもらうと、自主的なやる気を引き出すきっかけにもなるでしょう。また、目標を達成することで、次の目標達成に向けたモチベーションの向上も期待できます。
人事評価につなげやすくなる
目標を設定しておけば、人材育成の担当者に対する人事評価もスムーズに進められます。目標に対する進捗状況や目標達成に向けた姿勢などが評価基準となり、判断しやすくなるでしょう。評価される側も、明確な基準があることで評価に対する納得感が生まれます。目標達成に向けて積極的に行動する企業風土の醸成にも効果的です。
人材育成における目標設定の注意点
効果的に人材育成するためにも、目標設定では以下の2点に注意が必要です。
・無謀な目標を設定しない
・進捗確認とフィードバックの機会も作る
無謀な目標を設定しない
達成できないような無謀な目標設定は、従業員のモチベーション低下の要因となってしまいます。前向きな姿勢で取り組んでもらうためにも、本人のスキルに見合った、達成見込みのある目標設定が必要です。前述したとおり、手の届きやすい小さな目標を達成しながら、段階を踏んで大きな目標を目指すとよいでしょう。
進捗確認とフィードバックの機会も作る
人材育成においては、目標に対する進捗状況を定期的に確認し、上司や人事担当者からのアドバイスや、フィードバックを受ける流れを構築していることが大切です。結果だけで判断するよりも、進捗状況を見ながら伝えたほうが成長のスピードを早められます。改善点や今やるべきことを把握してもらうためには、個別面談の機会を設けるのも1つの方法です。
人材育成の部門別目標例
人材育成において的確な目標を設定するためには、所属部門の特徴も反映させる必要があります。ここからは、人材育成で重要な目標設定について、部門別に具体例を挙げて解説します。
事務部門での目標例
事務を担当する部門は明確な数値目標があまりなく、目標設定が難しい傾向にあります。社内データや社外データを大量に取り扱うため、効率化やミスの防止を目標としたうえで数値を入れる方法もあります。
【目標設定の具体例】
・データ入力の際にダブルチェックを徹底し、毎月の入力ミスを3件以下にする
・作業内容を見直して業務を効率化し、今月の残業時間を5時間削減する
営業部門での目標例
営業部門は、数値目標がすでにあるケースが多いため、目標を達成するための具体的な内容を詰めていくとよいでしょう。数値目標の達成のために何が必要なのかを考え、目標を設定します。
【目標設定の具体例】
・訪問件数を毎日5件増やし、今期の個人売上を50万円アップする
・上司とのロールプレイングを毎朝実施し、月の新規獲得率を15%アップする
技術部門での目標例
技術部門は、製造や開発・修理などさまざまな業務があり、それぞれで目標を立てる必要があります。業務効率化のための不良・エラーの削減や、品質向上のための技術力向上など、課題の洗い出しから行いましょう。
【目標設定の具体例】
・新しいプログラミング言語を学習し、今期中にアプリを1つ開発する
・修理効率を上げるために、作業環境や工具の収納場所を見直し、1件にかかる作業時間を10分短縮する
管理部門での目標例
管理職としてのスキルアップのためには、個人の目標のほか、組織目標や各業務、人材育成に関する目標を立てる必要があります。全体の生産性向上や売上アップを目指すための目標設定や、人材育成の達成率などの目標設定が必要です。
【目標設定の具体例】
・毎週個人面談を実施し、人材育成目標の達成率を100%にする
・社内業務の効率化を図り、生産数を20%アップさせ、売上を100万円アップする
まとめ
人材育成で重要な目標設定は、より具体的に、定量的な指針を用いた設定が必要です。さらに、無謀すぎる目標を設定するのではなく、従業員が自主的に、モチベーションを維持しながら達成を目指せるように、手の届く範囲で設定しましょう。解説した具体例なども参考に、従業員ごとに適切な目標設定をして、効果的な人材育成を実施してください。
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