新規事業創出におすすめのフレームワーク13選|効果的に使うコツ・落とし穴も解説

アイデアから新規事業を創出する際は、多くの内容を思考・調査しなければなりません。しかし、何を考えればよいか、どのように考えを整理したらよいか分からずに、困っている人もいるのではないでしょうか。スムーズに新規事業を創出するためには、フレームワークが役立ちます。この記事では、新規事業創出におすすめのフレームワークや、使い方のコツ、注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。

新規事業創出の手順

新規事業創出の際は、以下の手順で進めます。

・アイデア出し

・市場調査と分析

・事業化判断と計画

・事業開始後の状況確認

新規事業では考えるべき内容が多く、何から決めていけばよいか迷ってしまう人もいるかもしれません。見切り発車の状態で事業を始めても、利益が伸び悩んだり、中断せざるを得なくなったりする恐れがあります。スムーズな新規事業創出に向け、それぞれの段階に適したフレームワークを使いましょう。

新規事業創出に使えるフレームワークとは?

フレームワークとは、特定の目的を達成するために思考を整理するための枠組みのことです。フレームワークには多くの種類があり、目的はそれぞれ異なります。

新規事業創出にフレームワークを使うメリット

新規事業創出にフレームワークを使うと、思考が整理され、効率的に思考や調査を進められるようになります。

思考が整理され伝わりやすくなる

何から考えればよいか分からないときでも、フレームワークに従って記載していくと思考が整理されます。

また、思考の見える化ができると、メンバーに思考内容が伝わりやすくなります。新規事業創出にかかわるメンバー同士に認識のズレがあると、事業の方向性がブレる恐れがあります。フレームワークを使い、メンバー間の認識を統一させておきましょう。

効率的に思考・調査できる

短時間で効率よく思考・調査できることも、フレームワークを使うメリットです。フレームワークに従えば、抜けや漏れ、重複を防げます。アイデアからビジネスモデルを構築するためには、スピード感が求められます。ライバルに先を越されないように、フレームワークを使って質の高いビジネスモデルを速やかに構築しましょう。

【アイデア出し】新規事業で使うフレームワーク4選

MVVやマンダラートなど、新規事業のアイデア出しに使えるフレームワークを紹介します。

1.MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

MVVは、ミッション(企業の存在意義や目的)・ビジョン(目指すべき姿)・バリュー(行動指針)に合うアイデアかを確認するためのフレームワークです。複数のアイデアがあるときにMVVに当てはめると、企業にとってふさわしいアイデアをシンプルに選別できます。

2.マンダラート

マンダラートは、まんだら模様に似たフレームワークで、アイデアを拡大したいときに使われます。マス目の中心にアイデアを書き、周囲のマスに連想されるアイデアを書き出していきましょう。マス目を埋めようと奮闘するうちに、ユニークなアイデアが生まれる可能性があります。

3.SCAMPER(スキャンパー)法

SCAMPER法も、アイデアの拡大に使われます。マンダラートと似ていますが、SCAMPER法は以下の7つの切り口により思考の偏りを防ぎます。

・Substitute:ほかのもので代用可能か

・Combine:アイデア同士を組み合わせられるか

・Adapt:類似するアイデアはないか

・Modify:色や大きさなど一部を修正するとどうなるか

・Put to other uses:ほかの用途にも使えないか

・Eliminate:アイデアをシンプルにできないか

・Reverse,Rearrange:プロセスを変更しても使えるか

4.ロジックツリー

ロジックツリーは、階層化してアイデアを整理する際に使われます。1つの問題やテーマを深掘りしていくうちに、「木(ツリー)」のようなフレームワークができあがることから、「ロジックツリー」と名付けられました。ロジックツリーでアイデアの関係性を見える化できると、抜けや漏れ、重複を防げます。

【市場調査と分析】新規事業で使うフレームワーク3選

3C分析やVRIO分析など、新規事業で市場調査と分析に使えるフレームワークを紹介します。

1.3C分析

3C分析では、「顧客」「競合」「自社」の3つの観点に焦点をあて、顧客と自社の関係性や、競合に対する自社の競争優位性を探ります。3C分析はシンプルなフレームワークで、一般的にSWOT分析などほかのフレームワークを使う際の土台となります。

2.VRIO(ヴリオ)分析

VRIO分析は、競合と比べた自社の優位性や、優位性の継続性を判断するフレームワークです。優位性を判断する際は、自社の経営資源(人材、資金、設備など)を以下の4つの観点から評価します。

・Value:経済価値

・Rareness:希少性

・Imitability:模倣される可能性

・Organization:有効活用するための組織体制

3.SWOT分析

SWOT分析は、「内部環境」「外部環境」に分けて、企業を取りまく状況を整理するためのフレームワークです。内部環境は、自社の組織や商品、ブランドなどです。外部環境は、市場や競合などを指します。

SWOT分析では、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のカテゴリーに分けて状況を整理し、経営戦略を立案します。

【事業化判断と計画】新規事業で使うフレームワーク3選

ビジネスロードマップや4C分析など、新規事業で事業化判断と計画に使えるフレームワークを紹介します。

1.ビジネスロードマップ

ビジネスロードマップは、目標を達成するためのプロセスを整理するためのフレームワークです。ロードマップの右上に目標と達成したい日付を記載して、左下のスタート地点には、現在の日付と状況を記載します。ロードマップの対角線上には、目標を達成するための中間目標を日付とともに記載しましょう。

ロードマップに組織や市場に対する計画を書き込んでいくと、目標達成までのプロセスが具体化します。

2.4C分析

4C分析は、顧客目線での事業計画を思考するフレームワークです。「4C」が示す4つの項目は以下のとおりです。

・Customer Value:総合的な価値

・Cost:購入・維持にかかる費用

・Convenience:購入しやすさ

・Communication:問い合わせやクレームのしやすさ

3.リーンキャンバス

リーンキャンバスでは、9つの決められた項目に沿って事業計画を立てます。9つの項目は以下のとおりです。

・顧客の課題

・顧客属性

・企業が提供できる価値

・課題解決につながる具体的な技術ややり方

・販売チャネル

・料金設定

・初期投資にかかる費用

・目標達成に向けたKPI(目標値)

・自社の競合に対する優位性

【事業開始後の状況確認】新規事業で使うフレームワーク3選

事業開始後も、フレームワークを活用して取り組みを改善できます。PDCAやバリューチェーン分析などを解説します。

1.PDCA(ピーディーシーエー)

PDCAは、計画・実行・評価・対策のサイクルを1セットとしたフレームワークです。サイクルを繰り返すと、事業の目標達成に向けて取り組みを改善し続けられます。PDCAを効果的に回すには、定量的な目標を設定し、達成度合いを明確にする必要があります。

2.バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、事業の強みと弱みが分かり、強化すべき要素を見つけられるフレームワークです。

分析の際は、事業を「主活動」と「主活動をサポートする活動」の2つに分け、それぞれを細分化します。例えば主活動には、材料調達や製造、物流、販売などが挙げられます。活動ごとにコストを記載すると、費用対効果が高い活動や、コスト削減の対象となる活動を判別可能です。

3.PLC(プロダクトライフサイクル)

PLCは、製品を市場に投入した時期に応じて、戦略を考えられるフレームワークです。フレームワークでは、経過時間ごとに「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」を設定し、それぞれの段階で適した施策を検討します。ただし、将来的な市場や競合の予測は難しいため、複数の施策を用意しておくと状況の変化に対応しやすくなるでしょう。

新規事業創出でフレームワークを活用するコツ

新規事業創出でフレームワークを活用する際は、客観性や経営理念との親和性が重要です。フレームワークを活用するコツを解説します。

客観的に判断する

フレームワークを活用する際は、客観的に判断するように意識してください。人には考え方の癖があるため、意識しないと主観的な思い込みに誘導され、論理的に考えられなくなってしまいます。

また、定性・定量の2方向から、フレームワークを活用しましょう。定性的な情報は論理の組み立てに必要です。定量的な情報は、実態を具体化するために使われます。

自社の経営理念に合っているか確認する

新規事業創出では、経営理念に合う内容かが重視されます。経営理念に合っていない事業を立ち上げても、従業員のモチベーションは上がらず、取引先や顧客からの反応も思わしくないと考えられます。長期的な成功のために、フレームワークで得られた結論と経営理念との親和性を確認しましょう。

複数のフレームワークを使い分ける

フレームワークの種類は豊富で、上述したように、それぞれ目的があります。最初に選んだフレームワークが最適なものとは限らないため、あえて異なるフレームワークでも思考してみることが重要です。また、複数のフレームワークを使うと多角的な視点を得られ、分析の精度が増します。

新規事業創出でフレームワークを使うときの注意点

スピード間を重視する、フレームワークを使う目的を理解するなど、新規事業創出でフレームワークを使うときの注意点を解説します。

事業化までスピーディーに進める

ライバルに先を越されない、ニーズを逃さないといった理由から、新規事業創出にはスピード感が求められます。

フレームワークは思考や調査に使うものであって、施策そのものではありません。行動によって分かることもあるため、思考や調査に時間をかけすぎずスピーディーに事業化まで進めましょう。

フレームワークを使った時点で満足してはいけない

上述したように、フレームワークは思考や調査を効率化する手段に過ぎません。フレームワークで導かれたアイデアや事業計画は、実行してこそ意味があります。ある程度思考・調査がまとまったら、新規事業創出に動き出しましょう。

まとめ

新規事業創出にフレームワークを使うと、思考が整理され、効率よく思考・調査できるようになります。フレームワークを使うときは客観性を重視し、結論が経営理念に合っているかも確認しましょう。

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