新規事業を思いつかない理由は?見込みあるアイデアの条件や探し方など解説

企業の存続・成長のためには、新規事業を創出させる必要があります。しかし、新規事業のアイデアを思いつかずに、困っている経営者もいるのではないでしょうか。この記事では、新規事業のアイデアを思いつかない理由や見込みあるアイデアの条件、アイデアの探し方などを解説します。ぜひ参考にしてください。

新規事業のアイデアを思いつかない理由は?

新規事業のアイデアを思いつくには、自分の習慣や考え方を変える必要があります。

アイデアを出す習慣がないため

魅力的なアイデアを出せる人は、アイデア出しが習慣化しています。一方、ニュースやSNS、口コミサイトなどをあまり見ない人や、斬新さにこだわるあまり考えるハードルを上げてしまっている人は、アイデアを思いつくための行動が不足しています。新規事業につながるアイデアを得るために、情報収集して考えるように意識してみましょう。

常識・固定観念から抜け出せないため

業界の常識や慣習が染みついていると、斬新なアイデアは出てきません。本当にそうなのかと前提条件を疑ってみると、新規事業のアイデアを思いつける可能性があります。

周囲からの反発が怖いため

従業員からアイデアを引き出したいときは、職場環境に注目しましょう。すぐ否定される職場環境では、アイデアが集まりません。仮に思いついたとしても、心にしまい込んでしまう人もいるでしょう。

突飛なアイデアでも、まずは受け入れる環境を構築すると、アイデアを量産できる可能性があります。ただし、本格的に新規事業に取り組む前に、アイデアの絞り込みを行ってください。

見込みある新規事業のアイデアが持つ3つの条件

上手くいく可能性の高いアイデアは、新規性・収益性・解決性の3つを備えています。

1.新規性

新規性を見るときは「完全に新しいものか、既存の商品やサービスに付加価値をつけたものを提供できているか」がポイントになります。新規性があるアイデアを思いつくと、他社と容易に差別化できます。

2.収益性

収益性を見るときは「アイデアを実現したときに得られる収益がどのくらいか、費用対効果に見合っているか」がポイントになります。赤字状態では、社会的に素晴らしい事業を立ち上げてもビジネスとして成り立ちません。

3.解決性

解決性を見るときは「多くの人の悩みを解決できるか、需要があるアイデアか」がポイントになります。アイデアを出すときに新規性を重視する反面、解決性をなおざりにする人がいます。しかし、ビジネスを成立させるためには解決性についても検討してください。

内部環境に注目した新規事業のアイデアの作り方

新規事業のアイデアを考えるときは、自社の長所と短所、成功したビジネスモデルに注目しましょう。

自社の長所と短所に注目する

自社の長所と短所を押さえると、新規事業のアイデアを思いつくきっかけを得られます。長所を活用できないか、短所をカバーすると新しく何かできるようにならないか、短所と思われる部分では競合と勝負しない方が賢明ではないかなど、考えを広げていきましょう。

成功したビジネスモデルを展開する

かつて成功したビジネスモデルを、異なる業種やターゲットに展開する方法も新規事業創出の手段といえます。例えば、近年普及しているサブスクリプションサービスは、多くの業種に展開できるビジネスモデルです。

ただし、需要が見込める分野でなければ、そのままビジネスモデルを展開しても失敗する恐れがあります。前述した新規性・収益性・解決性の観点から、新規事業の勝算を検討しましょう。

外部環境に注目した新規事業のアイデアの作り方

新規事業のアイデアを考えるには、外部環境にも注目しましょう。外部環境に注目した、新規事業につながるアイデアの作り方を解説します。

競合の長所と短所に注目する

競合の長所と短所に注目すると、自社の状況が明確になります。競合の長所と感じられる部分は、自社が対策すべき部分といえます。自社も同じようなことができれば、ビジネスチャンスが広がるかもしれません。一方、競合の短所は、差別化につながるアイデアを考える手がかりとなります。

競合の成功事例をベースにオリジナリティを加える

そもそも競合の成功事例を模倣することは、どの企業もやっていることです。まるっきり同じ事業を展開しても上手くいくとは限りませんが、自社のオリジナリティを加えると成功する見込みが高まります。

ただし、すでに普及している事業を模倣するのでは目新しさがなく、競合も多いと考えられます。海外企業の事業に注目するなど、まだ大勢に知られていない事例をベースに新規事業を検討しましょう。

新規事業のアイデアを思いつかないときに使いたいフレームワーク

アイデアを整理したいときや、視野を広げたいときには、フレームワークを使ってみましょう。

1.KJ法

KJ法は大量のアイデアを整理したいときに役立つフレームワークで、ブレインストーミングで出たアイデアの整理によく使われます。KJ法は以下の手順で進めます。

1.付箋やメモ用紙などの紙にアイデアを書き、関連するものでグルーピングする

2.グループごとの関係性を図解する

3.図解した状況を文章で整理する

2.形態分析法

形態分析法は、変数ごとに挙げられる複数の要素を掛け合わせて、アイデアのきっかけを得るフレームワークです。新規事業創出における形態分析法の進め方を、飲食業界を例に挙げ解説します。

1.ターゲット・価格帯・料理のテイストなどの変数を挙げる

2.変数ごとに要素を挙げる(ターゲットならファミリー層・会社員・主婦・学生など)

3.要素同士を掛け合わせて全ての組み合わせを挙げる

4.最善のアイデアを探す

3.チェックリスト法

チェックリスト法では、以下の9つの項目に従って視野を広げます。

・転用:他の方法で使えるか

・応用:似たようなアイデアを参考にできるか

・変更:形や色などを部分的に変えられるか

・拡大:規模やジャンルを拡大できるか

・縮小:規模やジャンルを縮小できるか

・代用:人や物などを代用できるか

・置換:順序や配置を変えられるか

・逆転:逆転の発想ができるか

・結合:他のアイデアや既存のやり方を組み合わせられるか

4.マンダラート

マンダラートは、アイデアの深掘りに使う曼荼羅のようなフレームワークです。マス目上になったフレームの中心にキーワードを書き、周辺の8つのマス目に連想されるキーワードを書き出します。書き出した8つのキーワードについても、同じように連想を繰り返します。

マンダラートの目的は、抽象的なアイデアの具体化です。考えられるアイデアをとにかく書き出し、後から見込みあるものを絞り込みましょう。

新規事業のアイデアを思いつかないときに試したいこと

ここまで解説した内容を実行しても、アイデアを思いつかないときもあります。アイデアを出すために以下で解説する方法を試してみましょう。

外部の意見を取り入れる

1人で、または同じチーム内で考えていると、常識や固定観念にとらわれやすくなります。以下の方法で外部の意見を取り入れましょう。

・交流会やワークショップ、セミナーなどで情報収集する

・アイデアを公募する

・部門外の人とブレストする

・コンサルタントに相談する

世の中の困りごとを探してみる

大勢が困っている問題には、ビジネスチャンスが潜んでいます。また、困りごとを解決できれば、社会貢献した企業として世間からの注目を集められます。以下の方法で、困りごとを探しましょう。

・主婦や高齢者など自分とは異なる人の立場を想像する

・少子化や地球温暖化などの社会問題を掘り下げてみる

・SNSや口コミサイトを調査する

・カスタマーサポートに寄せられる意見を分析する

価値を感じていなかったものを再評価してみる

価値がないと自社で決めつけていたものでも、人によっては価値を感じてもらえる場合があります。例えば、製造する段階で廃棄していた部分、無料で対応しているサービスなどは、有料にできる可能性があります。

ただし、無料で提供するものを突然有料にするとクレームを受けるかもしれません。お金を払うメリット、無料のときから何がレベルアップしたかなどを、顧客に説明できるようにしておきましょう。

とにかくアイデアを出していく

新規事業を考えようと意気込んでしまうと、アイデアが出にくくなる場合があります。あまり気負わずささいな内容でも書き出していくと、アイデアの質がしだいに向上します。

新規事業に取り組む際の心構え

アイデアを思いついたら、本格的に新規事業の計画を立案します。新規事業に取り組む際の心構えを解説します。

新規事業を立ち上げる理由を明確にする

新規事業を立ち上げるには、アイデア出し以外にも多くの苦労が立ちはだかります。事業を立ち上げる理由を明確にしておけば、挫折するリスクを抑えられます。

トレンドに合わせすぎない

トレンドに合わせることは大切ですが、自社の長所・強みを発揮できるアイデアを考えましょう。トレンドは変化が激しいため、一時は成功しても同じようなやり方では事業を続けられません。

見切り発車で進めない

経営資源を無駄なく使って事業を成功させるには、綿密に計画を練る必要があります。ビジョンがあいまいなまま事業計画を立案しても、経営資源を集中すべき部分が分かりません。また、既存事業と代わり映えしない新規事業では、成果を得られず経営資源を無駄にしてしまいます。

新規事業立ち上げに適したタイミング

企業は、創業期・成長期・成熟期・衰退期の4つのステージを繰り替えしながら存続します。新規事業を立ち上げるタイミングは、成長期・成熟期です。新規事業の立ち上げには、人材や資金に余裕が求められるためです。

成長期に企業活動が軌道に乗っていれば、新規事業に挑戦するとよいでしょう。既存事業が上手くいっていなければ、既存事業に集中した方がよい場合もあります。また、企業活動が安定する成熟期には、人材や資金を調達しやすいと考えられます。

まとめ

新規事業につながるアイデアを思いつかないときは、アイデアを出すための行動が不足していたり、考えが凝り固まっていたりする恐れがあります。最初から斬新なアイデアでなくても構わないので、アイデアを出す習慣を定着させましょう。企業の内部・外部環境に着目したうえでフレームワークを使うと、アイデアを思いつきやすくなります。

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