
「いつかは独立して、一国一城の主になってみたい」「でも未経験でいきなり会社経営は不安」そんな方におすすめしたいのが、フランチャイズを活用した起業です。しかしフランチャイズに加入したからといって、誰もが簡単に事業を成功させられるわけではありません。フランチャイズのメリットを最大限に生かすために、あらかじめ準備しておくべきことや知っておきたいことを解説します。
この記事の目次
フランチャイズを活用して起業するために必要なこと
自分のスキルや志向を棚卸ししてみる
フランチャイズを活用した起業を思いたったら、まず自分自身の経験や能力、何がしたいのかを客観的に見直し、できれば書き出してみましょう。
例えばフランチャイズはほとんどのことがマニュアル化されていますので、素人でもスムーズに開業できる反面、個人商店に比べて自由にできる部分が圧倒的に少ないのも事実。
「どうしても自分の思うとおりにやりたい」「自分のアイディアで勝負したい」という思いが強い人は、そもそもフランチャイズに向いていないかもしれません。
一方、「何かに挑戦するときは、リスクをできるだけ減らしておきたい」と考える人は、フランチャイズに向いています。
すぐ集客できるか、10年後も安定して集客できるかを吟味する
起業する業種を検討する際、「今求められている」「集客しやすい」ことも重要ですが、10年後も安定して集客できる事業かをよく検討してみましょう。
人が「欲しい」と思うものは刻々と変わっています。
今のような変化の激しい世の中なら、なおさらです。どんなに時代が変化しても必ずニーズがあるのは、人々の生活に密着した業種、業態です。
開業に必要な資金を集める
フランチャイズを活用すれば、開業までの道筋はサポートしてもらえますが、そのための開業資金は自分で用意しなければなりません。
調達方法としてもっとも一般的なのは、「金融機関から融資を受ける」という方法。金融機関からの融資というとすぐに銀行を思い浮かべる人も多いでしょうが、日本政策金融公庫(民間金融機関の取り組みを補完し、事業に取り組む人などを支援する政策金融機関)から融資を受ける方法や、各自治体の補助金や助成金を利用する方法もあります。
それぞれ条件が異なりますので、よく検討し十分理解した上で利用しましょう。
経営者としての心構えを持つ
会社員として働いていると、何かうまくいかなかったときに外部や環境に原因があると考えがちです。
しかし経営者は、経営がうまくいかないときに責任転嫁ができず、自分で打開策を考えなければなりません。
「雨が降ったから売れなかった」では済まされず、「雨の日でも買ってもらえるのはどんな仕組みか」を考えなければならないのが経営者思考なのです。
この思考法の切り替えができないと、経営が困難になったときに乗り越えられません。
経営者思考は、経営者になったからといってすぐに身に付くものではありませんので、名経営者といわれる人の本を読んだり、勉強会に参加したりして少しずつ学んでおくことが重要です。
「次に売れそうなものは何か」という勘を磨く
最近は、顧客のニーズが多様化しています。
一時的に人気が出ても、その人気のサイクルがどんどん短くなり、また類似商品がすぐに出て競争が激化する傾向が強くなっています。
一時的なトレンドの波に乗って安易に開業すると、すぐにさびれてしまう場合も…。
消費者の嗜好や動向を敏感に察知し、常に「次の一手」を考えるクセをつけるようにしましょう。
フランチャイズとは
フランチャイズを活用するためには、そもそもフランチャイズがどのような事業形態なのか知っておかなければなりません。
フランチャイズを理解すれば、なぜフランチャイズを利用する企業が非常に多いのかが理解できるでしょう。
フランチャイズの仕組み
フランチャイズ(franchise)とは英語で、「人や会社などに特権を与える」という意味。
つまり独自のノウハウを持っている者が、それを使ってビジネスを展開する特権を与える代わりに、その対価として契約金やロイヤリティを支払うというビジネスモデルなのです。
特権を与える者(本部)を「フランチャイザー」といい、特権を与えられる者(加盟店)を「フランチャイジー」といいます。
フランチャイザーがフランチャイジーに与える特権は、以下のようなものが一般的です。
- 商標やトレードマーク、サービスマークなどのシンボル
- 生産・仕入れ・加工・販売・サービス・営業などのノウハウ
- 経営に必要な人事・マーケティングなどのサポート
フランチャイズとは?意味や仕組み・フランチャイズ経営のメリデメを解説
フランチャイズチェーンが増えている背景
有償とはいえ、フランチャイザー(本部)がフランチャイジー(加盟店)へ商標や事業のノウハウを提供する目的は何なのでしょうか。
フランチャイザーにとって直営店だけを展開することは、事業拡大に時間がかかりすぎる上、投下する資本も大きくなってしまいます。
それと比べると、フランチャイズという形態をとればコストを抑えることができ、かつ圧倒的に短期間での事業展開が可能です。
これこそがフランチャイズチェーンが増え続ける理由ですが、すべてのフランチャイザーが優良なわけではありません。
もしフランチャイズの活用を検討しているなら、フランチャイザーについて以下のポイントを慎重に見極めましょう。
- 本部のサポート内容は手厚く信頼できるものか
- 起業するための費用は妥当な設定なのか
- 初期投資はいつ回収できそうなのか
- 本部は明確な経営ビジョン・理念を持っているのか
これらは最低限のチェックポイントなので、十分な検討の上、話を進めるべきです。
フランチャイズでの起業メリット

ビジネスの成功度が検証されている
ゼロからスタートしてすべてを自分で作りあげなくてはならない個人事業は、試行錯誤してノウハウを切り開く必要があります。
しかしフランチャイズの場合、すでにできあがっている成功法則に乗って展開すればいいので、成功モデルの再現性が高いのが最大のメリットです。
集客しやすい
多くの人に知られているブランドなので、開店初日からお客さんがたくさんやってきます。
また本部が集客に必要なノウハウを持っているため、軌道に乗るまでの集客の不安や苦労が少ないのも特長です。
ハウスドゥが最も得意とするのがこの集客で、全国各地にある直営店直伝のノウハウが強みとなっています。
開業に必要な資金を集めやすい
個人企業と違って銀行が積極的に融資してくれますし、融資額も圧倒的に多くなります。
また立地条件のいい場所を大家さんや地主さんが、格安で貸してくれます。
また本部は同じ規格の備品を大量に持っているので、開業に必要な資金を安く抑えられます。
なかでもハウスドゥは初期投下金額が他の事業に比べて低く、参入障壁も低いのが特長です。
困った時に相談に乗ってもらえる
会社経営者は常に決断を迫られ、経営についてなかなか腹を割って相談する相手もいない孤独なポジションです。
しかも新人経営者ならなおさら、不安が大きいでしょう。
しかしフランチャイズで起業した場合は、多方面から相談に乗ってくれるスーパーバイザーがついてくれますし、他店舗からの成功事例などの情報を得ることもできます。
商品開発力が、個人商店よりも格段に優れている
開発にあてるコストやマンパワーが限られている個人商店の場合、顧客を満足させ続ける商品を短期間で開発し続けるのは、よほどの実力がなければ難しいのが現実。
しかしフランチャイズであれば、本部が多くの店から集めたデータをもとに、スペシャリストたちが開発に専念してくれます。
全国ほぼ全てのエリアで展開しているハウスドゥもまた、サービスメーカーとして時代に即した不動産ソリューションサービスの情報提供が可能です。
フランチャイズ起業でのデメリットと注意点
フランチャイズ起業には、メリットばかりではなくデメリットや注意点も存在しています。
むしろデメリットや注意点を知ることが成功の秘訣ともいえるので、項目ごとに詳しく考えてみましょう。
ネームバリューに惑わされない
情報収集をせず、「有名な会社だから安心」「誰でも知っている会社だから間違いない」とばかりに、一社に決め打ちするのはとても危険です。
何社かの資料をとりよせ、条件を比較・検討しなければ、その会社のいい点も悪い点も見えてきません。
説明会の話をうのみにしない
フランチャイズの説明会では、いい話ばかり聞かされることが多いものです。
売上シミュレーションも、「やってみたい」と思える儲かる数字を中心に出してくるところも少なくありません。
その場で「やってみたい」と思っても即決せず、家に持ち帰ってじっくり検討しましょう。
巨大すぎる市場を選ばない
市場が大きければ大手企業が参入してくる可能性も大きくなりますし、大手が参入してきた瞬間に価格破壊が起こります。
その結果、小規模な企業ほど価格競争に敗れる確率が高くなります。
「儲かりそう」だけで選ばない
いかにフランチャイズに成功の要素がつまっているとはいえ、やはり人によっては向き不向きがあります。
全く興味も知識もない分野よりも、ある程度知っていたり、経験があったりする業界のほうが成功する確率が高くなるのは当然のこと。
興味も知識もないのに「儲かりそうだから」「今、話題になっているから」などの短絡的な理由だけで選ぶと、後々かえって苦労することになります。
ロイヤリティをよく確認する
ロイヤリティとは、本部が所有する商標やノウハウなどを利用する対価として、加盟店が「毎月支払う使用料」を指します。
契約時に、その中身を納得できるまで確認しておかないと、開業後にロイヤリティの金額とサポートの内容のバランスに不満を抱くことも…。
きちんと理解していれば、疑問や不満を抱いた時も本部に堂々と交渉できます。
フランチャイズのロイヤリティ相場はどれくらい?種類やメリットを解説
ほかの加盟店が原因の風評被害
フランチャイズ事業は、同じ商標やブランドを使用して運営しているので、ほかの加盟店で発生した不祥事の影響を受けることがあります。
お客様の立場で考えてみれば分かることですが、あるブランドの一店舗で不祥事があった場合、それはフランチャイズとは無関係にブランド全体の評判が下がることを意味します。
分かりやすい事例では、飲食チェーンであった「バイトテロ」といわれる不衛生行為の拡散です。
これは誰でも情報発信できるようになったSNS社会の悪い面が出たケースですが、ごく一部のアルバイトが不適切投稿を行った結果、当該店舗と無関係の加盟店にまで影響が及びました。
いくら自店舗で社員教育をしっかり行っていたとしても、他店の不祥事は防ぎようがありませんし、このようなケースは完全にもらい事故です。
避けようがない風評被害ですが、このようなこともあり得るということを理解しておきましょう。
自由度が低く独自色を出せない
フランチャイズは、加盟することでフランチャイズ本部が持つ商標・ブランドや商品・サービスを利用し事業展開できるものです。
その反面、事業を行う上での制約や守るべきルールが多く、フランチャイズオーナーによっては息苦しく感じることがあります。
特に、コンビニエンスストアやファーストフードのフランチャイズでは自由度が低いケースが多く、それに関係したトラブルもありました。
FC本部サイドから見れば、自社ブランドイメージの統一性を守るために行っている規制で、比較的古いフランチャイズ(フルパッケージ型:すべて本部指示に基づく経営)に多いパターンです。
少し古い話になりますが、コンビニ各社の本部は賞味期限が迫った商品の値引き販売を禁止していました。
その後、公正取引委員会の是正勧告などもあり、食品ロスを減らす観点からも値引きが普通になりましたが、それほどまで本部の規制が厳しかった一例です。
加盟にあたってはフランチャイズ契約を結んでいるので、本部指示に逆らって自由な経営をしていれば、契約違反として違約金の請求や契約解除のリスクもあることを理解しておきましょう。
競業避止義務による足かせ
フランチャイズの加盟契約には、契約終了後の一定期間について同種・類似の営業をすることを禁止する「競業避止義務」が盛り込まれていることが一般的です。
この競業避止義務とは、法律に定められているものではなく、あくまで法学上の用語でありフランチャイズ契約などによって課されています。
このような規定が盛り込まれている理由は、フランチャイズのノウハウ流出防止や顧客・商圏を確保するためです。
ただ、フランチャイズ加盟者の立場で考えると、営業の自由への制約にあたることになり、契約終了後の営業で大きな足かせとなります。
この競業避止義務については、契約書の内容をよく確認することが必要で、過度の制約は無効になる可能性があることも念頭に置いておきましょう。
デメリットをメリットへ変える思考も必要
フランチャイズ起業のデメリットは、そのほとんどがメリットと裏表の関係にあるものばかりです。
突き詰めて考えてみれば、フランチャイズ起業が順調に行っていない、あるいは加盟料やロイヤリティが不当に高く感じるなどが考えられます。
このような状態はポジティブに考えれば「これ以上は落ちない状況」なので、デメリットの裏にあるメリットを得られるよう思考を変えることも必要です。
もう一ついえることは、フランチャイズ起業で重要なのは「どのフランチャイズを選ぶか?」ということで、その時点でフランチャイズ起業の成否は半分以上決まっています。
フランチャイズ起業におすすめの業種

フランチャイズ起業の大きな目的は、奇麗ごと抜きに「一国一城の主として安定的に儲ける」ことに尽きるでしょう。
そこで、フランチャイズ起業におすすめの業種を、現在のトレンドや今後の社会情勢を踏まえてピックアップします。
フランチャイズ起業におすすめの業種とそのポイント
フランチャイズ起業は独立・開業の有力な選択肢ですが、成功するためにはこれから成長する分野を選ぶことが重要です。
ネットで「フランチャイズ おすすめの業種」と検索すると、もっともらしい理由を添えていまだにコンビニエンスストアや店舗型飲食店をすすめるサイトがありますが、正直なところ信用できません。
そのような中で、以下のフランチャイズであれば成功の可能性は高いといえます。
- ゴーストレストラン・キッチンカー
- ハウスクリーニング
- 買取専門店
- ペット葬儀サービス
- 結婚相談所
- 美容サービス
- 個別指導塾
- 不動産仲介業
これらのビジネスモデルに共通していることは、開業後のランニングコストがフランチャイズオーナーの努力によって圧縮できるところです。
フランチャイズ起業で注意しなければならないのは、事業開始後に軌道に乗るまでの運転資金の確保で、リスク回避のためにはスモールオフィスを意識しましょう。
フランチャイズ起業にも大きな影響を与える社会的要因
あらかじめ分かっていたことなのに、最近になって叫ばれているのが「人手不足」による事業継続の困難さです。
この傾向は今後変わるべくもないことで、この点をフランチャイズ起業に考慮しておかないと将来的に立ち行かなくなるでしょう。
一見したところライバルの少ないブルーオーシャンな事業であっても、人間の労働力への依存度が高い労働集約型産業では、事業の継続が難しくなる可能性が高まるはずです。
需要はあったにせよ、募集しても人が集まらない介護系サービスがその典型例で、目先のニーズだけにとらわれない事業選定が重要になってきます。
フランチャイズ起業でリスクを低減する方法
フランチャイズ起業でいわれがちなのは「ライバルの少ない業種を選べ」という、素人でも分かりやすい理屈です。
ただ、そこで考えてほしいのはライバルが少ない理由を知ることです。実は、先行者利益を得られないような事情が潜んでいるかもしれません。
確かにライバルが少ないように見えるブルーオーシャンは、フランチャイズ起業を目指す方にとっては魅力的に映るでしょう。
しかしライバルが少ないというのは「魅力的ではない市場」である可能性があります。
フランチャイズ起業の大事なポイントは、競合先の多さよりも、そんなライバルを蹴落とす可能性のある魅力的な市場を見つけられるかです。
フランチャイズ起業を考えれば、FC本部は魅力的に見える提案をあなたにしてくるはずですが、それとは別に市場の将来性について自身で検討することがリスク軽減に直結します。
少なくともフランチャイズ起業で、起業するモチベーションを維持できないような業種は避けたほうがよいでしょう。
フランチャイズ起業の具体的な流れと開業手続き
フランチャイズで起業すれば事業のノウハウは提供してもらえますが、しっかりとした計画を立てなければ成功の可能性は低くなってしまいます。
そこで、フランチャイズ起業の具体的な流れと、開業へ至るまでの具体的な手続きを確認しましょう。
情報収集と業種の選定
独立・開業するにあたりフランチャイズ起業を念頭に置くなら、情報収集とそれに基づく業種の選定で、開業後の成否がほとんど決まるといっても過言ではありません。
この段階で目を奪われがちなのは「フランチャイズオーナーとしての年収」になりがちですが、そこに大きな落とし穴が潜んでいます。
基本的にフランチャイズ加盟店を増やしたいFC本部は、バラ色の未来を提示しがちです。
しかしフランチャイズ起業とはそんな簡単なものではありませんし、少なくとも開業後5年間の見通しを持たねば継続すらおぼつきません。
先ほどもいったように、開業後に自身のモチベーションを保てなければ事業の成功は難しいです。その点を考慮しながらFC本部選びを進めていきましょう。
資金計画と加盟審査
自分が起業したい業種のFC本部が見つかったとしても、それだけでフランチャイズ起業ができるほど甘いものではありません。
フランチャイズに加盟したいと意思表示をしても、FC本部が素直に許可してくれるとは限らず、なおかつFC加盟にはまとまった資金が必要です。
独立・開業でフランチャイズ起業を念頭に置くなら、加盟審査と同時に必要資金の調達が必要になります。
ほとんどの場合は、FC本部の選定と並行して開業資金や開業後の資金計画を立て、それに基づく折衝をしなければなりません。
資金計画についてはフランチャイズ起業でなくとも必要ですが、独立・開業に関して最大の難関だといえます。
開業準備と研修
資金計画に基づく借入や加盟審査に通った後は、具体的な開業準備を確実に進めなければなりません。
業種によっては出店する場所の確保であったり、従業員の採用であったりと、やるべきことは山積しているはずです。
業種によっては開業するための物件選びや、内外装工事などの設備投資も必要になってきます。
開業に関わる業務の多さは、フランチャイズ起業する業種によって大きく変わりますが、この段階では開業後のスタートダッシュに全神経を集中すべきでしょう。
販促活動そして開業
フランチャイズ起業のメリットとして考えられるのは、自力では考えられないほど販促活動が楽な点です。
基本的にフランチャイズ起業では、企業たる自分と事業体を知ってもらう手間を省くことができます。
そのために加盟料やロイヤリティを払っているといっても過言ではなく、フランチャイズ起業でメリットを感じられる瞬間だといえるでしょう。
個人旅行か、パックツアーか
個人商店とフランチャイズは、よく個人旅行とパックツアーに例えられます。
情報収集も独力で行い、情報不足や情報の誤りによるアクシデントも含めて旅の醍醐味として楽しむのが個人旅行(個人商店)。
経験者の知見を活かして、見知らぬ土地でも危険なエリアに迷いこむことなく、安心して旅を楽しみながら最短距離で目的地に行くのがパック旅行(フランチャイズ)。
どちらを選ぶかは、あなた次第です。