フランチャイズ展開する企業が増えている昨今、事業拡大や、独立でフランチャイズを検討している人も多いのではないでしょうか。フランチャイズは、1から始めるよりも事業を始めやすいなどの利点がありますが、きちんと準備していないと、失敗してしまうリスクもあります。
本記事では、フランチャイズの概要や失敗例、成功させるコツなどを解説します。フランチャイズ契約を考える際の参考にしてください。
この記事の目次
フランチャイズとは
フランチャイズとは、本部となる企業が加盟店を募り、企業ブランドや商品、販売ノウハウなどを提供・指導する代わりに、加盟店側はロイヤリティを支払うというビジネスモデルです。
フランチャイズ展開する企業は、自社の知名度向上や多店舗展開につながり、加盟店は、その企業の知名度や社会的信用度を借りて事業を営めるため、双方に利点があります。これまで、コンビニエンスストアで多く見られていましたが、昨今ではそれ以外の分野でもフランチャイズ展開する企業が増えています。
フランチャイズは儲かる?成功率は?
フランチャイズに加盟して事業を始める人にとって、儲かるのかどうかは最も気になるところなのではないでしょうか。フランチャイズ事業の存続率や廃業率について調べたところ、「日本のフランチャイズ・チェーン(商業界)」という書籍から存続率を推定した研究結果では、1991 年から 2003 年までの 12 年間で、31%の存続率となっており、非常に低い結果となっていました。
また、日本商業学会の「フランチャイズ契約が加盟店の廃業に与える影響」によれば、フランチャイズ事業の加盟店が2年後に廃業する率は、14.4%にも上るという研究結果も出ています。
このように、フランチャイズ事業は、必ずしも儲かるわけではありません。十分にリスクも理解したうえで、しっかり準備して挑戦する必要があります。
フランチャイズ事業が失敗する原因
フランチャイズ事業を失敗してしまう理由としては、以下のような要因が考えられます。
1.資金不足
フランチャイズ事業の失敗要因として多いのが、資金不足です。なかでも、開業資金が予算オーバーしてしまったり、ランニングコストを見誤っていたりなど、事業を始める早い段階での問題が多い傾向にあります。
しっかりと予算を計算し、余裕をもって始めれば回避できる問題です。もし資金不足に陥った場合でも、金融機関の融資を受けるなど、対応方法を考えておく必要があります。
2.外部環境の変化
フランチャイズ事業を始めた後の、外部環境の変化も失敗する原因の1つです。近隣で競合店の新規出店があったり、トレンドが変化したりすると、売上に大きな影響が出てしまいます。
しかし、外部環境が変化したとしても、ファンやリピーターをしっかり確保できていれば、影響を最小限に抑えられます。トレンドなどに左右される事業なのかどうかを見極めたうえで、事業を始めるか検討するのも大事です。
3.契約内容の確認漏れ
フランチャイズに加盟する際に、契約内容をしっかり確認していないと、失敗につながる可能性があります。契約内容には、サポート内容や契約期間、競業禁止条項など、さまざまな条件が記載されているため、細かく確認しておかなければ、思わぬトラブルが発生するかもしれません。
不利な条件にならないように必ず目を通し、自分だけでは分からない範囲は本部の担当者や、フランチャイズに詳しい専門家に確認してもらいましょう。
4.オーナーの経験・知識不足
フランチャイズとはいえ、自身で経営していく必要があるため、経営の知識や経験が不足していたために失敗してしまうというケースもあります。企業に勤めて結果を残していたとしても、経営者としての能力が高いとは限りません。
経営能力のほか、人材マネジメント能力などが欠けていたり、自己流で進めてしまったりすると、経営が悪化してしまうというケースもあります。
5.フランチャイズ本部への頼りすぎ
フランチャイズ本部に頼りすぎてしまうのも失敗の原因となります。脳杯の提供や店舗ルールの指導、経営サポートは行ってくれるものの、実際に状況を見ながら運営していくのは自分だということを忘れてはいけません。
通常の起業と同様に、責任もって経営に臨む必要があります。
6.本部との関係悪化
フランチャイズ本部と何らかのトラブルが起き、売上に影響を与えてしまうケースもあります。本部との関係が悪化すると、最悪の場合は契約解除に至ることもあるので注意が必要です。
契約段階で本部との相性を見極め、合わないと思ったら素早く切り替えて新たなパートナーを探すのも重要です。
7.激務によるプライベートへの影響
フランチャイズ事業を始めたことにより、プライベートに影響が出る可能性があります。たとえば、人件費節約のために、従業員を最低限しか雇わず、オーナー自ら業務もこなしてしまうと、プライベートの時間が確保しにくくなってしまいます。
家族がいれば関係悪化につながり、経営を続けられなくなるかもしれません。無理せずに働くための人員確保など、しっかりとした運営計画も大事です。
8.宣伝の不足
フランチャイズは、基本的にフランチャイズ本部で宣伝を担当してくれますが、完全に本部に依存してしまうと、宣伝不足になる可能性があります。
昨今では、テレビやインターネット上での広告展開だけでなく、SNS運用によって集客する企業も増えています。売上を伸ばすには、店舗独自でSNS運用するなど、加盟店側での宣伝も必要です。
ほかにはこんな失敗事例も
上記で挙げた原因以外にも、フランチャイズ事業に失敗するケースとして以下のような失敗談もあります。
- フランチャイズ本部の話を鵜呑みにしすぎた
- そもそも本部の知名度が低くて集客できなかった
- 業界未経験で始めたが相性が合わなかった
- 人手不足に陥った
- 本部からの強制が厳しかった
フランチャイズ加盟店の募集では、「業界未経験でも大丈夫!」「簡単に始められる」などと謳っているところも多くあります。しかし、続けていくためには、謳い文句を鵜呑みにするのではなく、自分自身で経営を進めていくという心構えが必要です。
フランチャイズに失敗する人の特徴
フランチャイズ事業を始めたものの、失敗してしまったという人には、以下のような特徴があります。
1.他力本願思考のある人
他力本願の人は、本部に依存しやすく、失敗につながりやすくなります。自分で1から準備しなくても起業できるのがフランチャイズの利点ですが、本部に頼りすぎると経営は上手くいきません。
自分自身で経営をしていくという責任が持てないと、失敗につながってしまいます。
2.自信過剰な人
自信過剰な人は、フランチャイズを始めれば儲かるものと思い込んでしまう傾向があります。また、契約内容をしっかり確認しなかったり、リスクヘッジを怠ってしまったりして、トラブルにつながるケースも考えられます。
店舗経営は、順調であっても突然悪化したり、好転したりするため、状況に応じた対応が必要です。そのため、常に危機感を持ち、慎重で謙虚な姿勢を意識する必要があります。
3.コミュニケーションが苦手な人
コミュニケーションが苦手な人は、経営を失敗しやすい傾向があります。特にフランチャイズは、従業員や顧客だけでなく、本部の担当者とのコミュニケーションも重要です。
経営ノウハウを提供してもらっても十分に活かせず、事業運営に支障が生じる可能性があります。
フランチャイズの失敗を防ぐ3つのコツ
フランチャイズに挑戦する際に、失敗を防ぐためのコツを以下で3つ解説します。
1.本部との関係を良好に保つ
フランチャイズを成功に導くためには、本部と円滑な関係を構築する必要があります。本部から提供される経営ノウハウやルールを取り入れ、助言などがあれば真摯に受け入れて事業展開していくのが肝心なポイントです。
困った時に助けてもらえるような関係性で、独自の経営方針を生み出していく必要があります。
2.自分に合った業種を選ぶ
未経験の業種よりも、自分の経験が生かせる業種を選んだ方が、失敗のリスクが低くなるでしょう。また、自分がやりがいをもてる好きな仕事や興味のある仕事を選んで、楽しんで経営していくのも大事です。
本部のサポートがあったとしても、自分に合わない職種であれば、苦労に耐えられず、経営もうまくいきません。
3.事前のリサーチを綿密にしておく
失敗を回避するには、事前のリサーチは欠かせません。フランチャイズ本部の情報収集や、その業界知識や市場動向の調査も重要です
本部から提供される情報であっても、信頼性を確認し、慎重に検証すれば、フランチャイズ選びの失敗が防げるでしょう。
フランチャイズの成功率を上げる方法
フランチャイズの成功率を上げる方法としては、経営状況をオーナー自らがしっかりと把握しておくことが大事です。フランチャイズ加盟店の売上は、本部でも管理されますが、現場の管理者であるオーナーが随時チェックし、状況に応じて対応していかなければなりません。
「来客数が多かったからある程度の売上があるだろう」などのアバウトな理由ではなく、数字での確認が大切です。
まとめ
フランチャイズに加盟すると、本部のブランド力や集客力、経営ノウハウが活用できるため、起業のハードルが下がります。しかし、オーナー自らの経営判断や人材マネジメントも重要であり、失敗しないためには事前準備や本部の信用性のリサーチも重要です。
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