独立開業に成功する人と失敗する人には、どのような違いがあるのでしょうか。もし不動産会社を開業するのであれば、先人たちの失敗事例から、どのようにすれば失敗しないで済むのか学んでおきたいものです。
この記事では、不動産会社勤務から独立を目指している人に向けて「なぜ不動産屋の開業が失敗するのか?」について考察し、よくある失敗事例7選と、失敗しないために実践すべきコツと対策を解説します。ぜひ参考にして、不動産屋の独立開業を成功させてください。
この記事の目次
不動産屋の独立開業が失敗する理由
東京商工リサーチによれば、2025年における不動産業の休業・廃業および解散は2,000社(前年比3.3%増)、倒産は136社(前年比32.0%増)となり、過去10年間で最多を更新しました。
一方で、売買を主な事業とする不動産会社6,090社の最新期(※)の決算は、売上高が17兆3,430億円(前期比7.9%増)と好調でした。
つまり成功している不動産会社が存在する一方で、倒産や廃業する不動産会社も増えていることが分かります。
不動産屋で成功する側になるには、どうしたらよいのでしょうか。
失敗事例から学ぶために、まず「独立開業が失敗する7つの理由」について解説します。
- 集客が続かないから
- 看板を失った途端に信用がゼロになるから
- 閑散期に資金が尽きてしまうから
- 顧客対応の品質が落ちてしまうから
- 競合他社と差別化できず価格競争に巻き込まれるから
- 広告費が増大して経営が傾くから
- クレーム対応に追われ本業がおろそかになるから
※2024年7月期~2025年6月期
集客が続かないから
そもそも集客できなければ、仲介手数料を手にできず、店舗の家賃やポータルサイトなどの広告費の支払いにも困ることになるでしょう。つまり不動産屋の独立が成功できるか否かは、継続的に集客できるかどうかにかかっています。
駅前など一等地にお店を構えたからといって、すぐに集客できるとは限りません。さまざまな集客方法を駆使して、常に安定した集客が見込めるような集客導線が必要になります。
看板を失った途端に信用がゼロになるから
不動産会社に勤務していた人や、優秀な成績を収めていた人が陥りやすいのは、看板や知名度の重要性を、過小評価してしまうことでしょう。
独立した途端顧客から信用してもらえず、これまで契約できていたのは自分の実力ではなく、不動産会社の看板のおかげだったのだと気づくのです。
地道な努力の大切さを再確認し、後半で紹介する成功するためのコツや対策をぜひ参考にして、まずは実践することから始めてみてください。
閑散期に資金が尽きてしまうから
不動産業界には繁忙期と閑散期があり、収入に波が出てしまいます。つまり閑散期に備えて資金を蓄えておく必要があり、この時期を乗り越えられないと、不動産事業を存続できません。
くれぐれも、開業時に資金を使い果たさないように注意しましょう。また運転資金としてかかる費用を試算しておき、数カ月分は確保しておくようにしてください。
顧客対応の品質が落ちてしまうから
一人社長や限られた人数で営業活動していると、十分な対応ができず、顧客の心をつなぎ止めておくのが難しくなってしまうことがあります。
会社員時代であれば、営業だけに集中できたかもしれません。しかし経営者になると、会社全体の業績や資金繰りなども考えなければならず、「まったく時間が足りない」と感じるでしょう。時間配分やタイミングを考えて、営業活動がおろそかにならないよう注意してください。
競合他社と差別化できず価格競争に巻き込まれるから
国土交通省のデータによれば、2025年3月末時点の宅地建物取引業者数は132,291業者で、11年連続の増加です。不動産業は未経験からでも比較的参入しやすいのが特徴ですが、競合他社が多い業種ともいえます。
多くの不動産会社の中から選んでもらうために、「仲介手数料の値引き」に手を出してしまう不動産屋もあります。
しかし成約に至ったとしても、仲介手数料を割引してしまうと利益は減ってしまいます。価格競争に、巻き込まれないように注意しましょう。
参照:【国土交通省】令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について
広告費が増大して経営が傾くから
不動産ポータルサイトを見て物件探しをする人が多いため、ポータルサイトへの広告掲載は増加傾向にあるでしょう。ただしいくら広告を掲載しても、多くの広告に埋もれてしまえば、十分な効果は期待できません。
しかし、広告掲載はやめられないものです。経営が悪化してもそのまま続ければ、広告掲載料が大きな負担となり、経営は傾いてしまいます。広告媒体の選定や費用配分には注意し、効果的な広告かどうか見極めることが大切です。
クレーム対応に追われ本業がおろそかになるから
不動産業は、未経験からでも比較的開業しやすい業種の1つです。しかし不動産や法律の知識が不足しているとミスを招きやすく、また大きなお金が動くこともあり、トラブルに発展しかねません。
クレーム対応しなければならない状況になれば、本業がおろそかになり、精神的にも参ってしまうでしょう。
宅地建物取引士の資格を取得した後でも、知識の積み重ねは必要です。他社の失敗事例なども参考にして、トラブル回避に努めましょう。
不動産屋の独立開業を失敗しないためのコツ8選

不動産業を営むうえで、失敗しないためには、どのようなことに配慮したらよいのでしょうか。ここでは、不動産屋で成功している人たちが実践している、以下の8つのコツを詳しく解説していきます。
- 十分な開業資金を用意する
- 独立開業に適したエリアを見極める
- 適切な資金管理を徹底する
- 不動産や法律に関する知識を身に付ける
- 複数の集客方法を取り入れる
- 知名度アップの行動を忘れない
- 成功事例を参考にする
- 人材育成に努める
十分な開業資金を用意する
開業初期は収入が安定しにくいうえに、不動産業には繁忙期と閑散期があります。経営が軌道に乗る前に資金が尽きてしまわないよう、十分な開業資金を準備し、少なくとも3~6カ月分程度の運転資金は確保しておきましょう。
自己資金が足りないときは、金融機関や日本政策金融公庫の融資を受けるか、国や自治体の補助金・助成金の利用、クラウドファンディングの活用なども検討してみてください。
独立開業に適したエリアを見極める
不動産業で独立するのであれば、開業に適したエリアかどうか見極める必要があります。例えば競合となる不動産会社がどのくらい存在するのか調べ、客層や需要の有無などを市場調査しましょう。
また、競合他社が多ければ多いほど、新規参入に苦労するかもしれません。もし富裕層をターゲットにしたいのであれば、都内のいわゆる一等地と評価されるところが向いていますし、賃貸業をメインにするのであれば、複数の大学があるようなエリアがよいでしょう。
もちろん地元で開業し、人脈を生かして事業を始めるのも1つの方法です。独立に適したエリアを選定するためにも、市場調査を行ったうえで、開業の場を選定するようにしてください。
具体的には以下のようなポイントを調査します。
- 近隣の価格帯(売買であれば成約価格帯、賃貸であれば家賃相場)
- ターゲット層(富裕層・若いファミリー・学生・外国人が多いなど)
- 需要の有無(人気の有無や、人口の増減)
- 不動産会社の数(同じ商圏内に競合となる不動産会社が何社あるか)
適切な資金管理を徹底する
不動産屋に限った話ではありませんが、資金管理が適切にできていれば、経営に行き詰まるような事態を回避しやすくなります。
毎月出ていく費用にはどのようなものがあり、それぞれいくらぐらいの支出になるのか試算し、キャッシュフローを把握しましょう。
収入がいくら見込めるのか想定し、赤字となるラインがどこになるのかわかれば、予期せず経営破綻するようなことはなくなるでしょう。
ただしマイナスが大きくなってしまったら、どこかで経営判断をしなければなりません。税理士とも相談しながら、無理のない経営を心掛けましょう。
不動産や法律に関する知識を身に付ける
トラブルやクレームを避けるためにも、不動産や法律に関する知識を身につけましょう。法律は随時改正されるため、宅地建物取引士の試験に合格した後でも、知識の更新は必要です。
不動産に関する法律や情報には常にアンテナを張っておき、他社の失敗事例なども参考にするとよいでしょう。
不動産業界ならではの特徴ともいえますが、他社と協力して1件の契約を成立させるような場面が多々あります。外部のセミナーに参加する方法もあるので、横のつながりも大切にし、積極的に情報交換の場を設けるようにしてください。
複数の集客方法を取り入れる
ホームページや不動産ポータルサイトなど、Webを使った集客方法に偏らず、チラシのポスティングや新聞折込広告、DMといった、一見アナログで労力がかかるような集客方法も取り入れるべきでしょう。
さまざまな手法を利用することで、ターゲット層を狭めることなく、広く広告できるからです。もちろん物件の特徴やエリアの特性を考慮する必要はありますが、PDCA(計画・実行・評価・改善)を繰り返し行い、効果的な集客方法を探りましょう。
知名度アップの行動を忘れない
不動産会社にとって大切なのは、知名度です。大切なマイホームを売買するのに、聞いたことがないような不動産会社へ依頼することに、躊躇しないといえるでしょうか。
消費者は既視感のある名称や看板に安心を覚えるため、知名度によって信用を得やすくなるのがメリットです。
そうはいっても、独立後すぐにブランドを確立するのは難しいでしょう。不動産イベントやセミナーを開催する、もしくは地元のお祭りなどに参加するなど、地道な活動も実施してみてください。
成功事例を参考にする
成功している不動産会社や事例を参考にして、再現できるポイントを取り入れてみましょう。ノウハウやマニュアルを確立しようと、あれこれ試行錯誤しているうちに、経営が傾いてしまっては意味がありません。
成功している不動産屋は、何かしらの戦略を持っているものです。もちろん自社の強みや特徴を生かしながらも、成功者のノウハウも取り入れて、自分のものにしましょう。
人材育成に努める
不動産屋で独立するのであれば、社員の人材育成も忘れてはいけません。自分に営業力があったとしても、一人ですべてを行うのは難しいからです。優秀な人材を育てて、ゆくゆくは多店舗展開を目指しましょう。
多店舗を経営することで、1店舗の業績が悪かったとしても、業績がよい他の店舗の収入で補うことができます。
人材育成は、すぐに数字を生まないため後回しにしがちです。しかし長い目で見れば、会社にとっても有益な活動だといえます。
外部のセミナーを活用する方法もありますが、費用が気になる場合は、社内での勉強会から始めてみましょう。
不動産屋の独立開業で失敗したくない方におすすめの対策

ここまで不動産屋が陥りやすい失敗事例と、成功するためのコツを紹介してきました。コツが有効なのはわかっていても、「すべてを実践するのは難しい」と感じてしまった方は少なくないでしょう。
ここからは、不動産屋の独立を失敗しないための対策を解説します。まずは3つの対策を実践し、不動産屋の独立開業を成功させましょう。
業務効率化システムを導入する
一人社長や少数精鋭で不動産屋を独立開業するのであれば、業務効率化システムの導入やDX化(デジタルトランスフォーメーション)をおすすめします。業務効率化システムとは、日常業務にITを導入して自動化し、無駄な労力や時間を削減できるシステムのことです。
顧客管理や物件登録など、収入を生まない業務はなるべくシステムやDXを導入し、集客のための営業や顧客対応に時間を費やしましょう。
そして経営が軌道に乗れば、不動産や法律に関する知識を身に付ける時間や、人材育成のための時間を捻出できます。
ただし、システムやDX化導入には、手間と費用がかかります。よく比較検討し、経営に影響が出ない範囲で取り組むようにしてください。
参照:【ハウスドゥ】不動産DXが必要なこれだけの理由!DX導入のメリットと課題を解説
自社の強みを生かしてブランディングをする
先述の通り、不動産会社は増加傾向にあり、今後もその流れは変わらないでしょう。競合他社や不動産ポータルサイトで埋もれてしまわないためにも、他とは異なる強みや特徴を打ち出し、ぜひブランディングすることを忘れないようにしてください。
ブランディングとは、企業のブランド価値を高めて、消費者に存在を認識してもらい、他社と差別化するための取り組みのことをいいます。
特に大手不動産会社と比べると、知名度が低い中小の不動産会社には、ブランディングが欠かせません。消費者から選ばれる不動産会社になれば、不動産ポータルサイトで指名検索されるようになり、集客コスト削減にもつながるでしょう。
そして不動産屋の知名度がアップすれば、自然と優秀な人材が集まってきます。ブランディングこそ、不動産屋が生き残るための秘策といえるでしょう。
知名度の高いフランチャイズに加盟する
不動産会社の知名度を高める方法として、最も有効なのは「すでに知名度が高いフランチャイズに加盟すること」です。
多くの消費者に認識されているFCの看板を掲げれば、その安心感から消費者は敷居をまたぎやすくなるため、集客が格段にしやすくなります。またフランチャイズ店舗数が多ければ多いほどスケールメリットがあり、システム導入や広告にかかるコストを抑えることも可能です。
すでに成功しているビジネスモデルを利用できるのも魅力で、本部のサポートもあることから、不動産業経験者はもちろんですが、業界未経験からでも成功しやすいでしょう。
不動産屋の開業で失敗したくない方には、不動産フランチャイズへの加盟がおすすめです。ただしFC本部によって知名度やサポート体制、ロイヤリティの仕組みが異なります。よく理解したうえで、加盟先を決めるようにしてください。
ちなみにハウスドゥでは、固定ロイヤリティを採用しています。つまり業績を上げれば上げるほど、手元に利益が残るため、モチベーションを維持しやすい仕組みが整っています。また、成功・失敗事例を共有できるイベントも多数ご用意しています。
まずはLINE公式アカウントを追加し、お役立ち情報を参考にしてみてください。
まとめ
不動産屋の独立開業で失敗する理由と、成功するためのコツ・対策を解説してきました。多くの経営者が失敗した理由を知っておくことで、成功しやすくなります。失敗事例から学び、成功事例を取り入れましょう。
独立開業で失敗したくない方は、リスクヘッジの1つとして、ぜひフランチャイズへの加盟を検討してみてください。知名度の高いフランチャイズに加盟することで、集客力はアップし、収入の安定も期待できるでしょう。
ハウスドゥでは、事業説明会を随時開催しており、過去に開催した事業説明会のバックナンバーを無料で公開しています。ハウスドゥの加盟店の成功事例を、ぜひ参考にしてください。