大手不動産会社出身オーナーが語る“戦国時代到来” 仕入れ業者の生存競争生き残り術
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大手不動産会社からの独立を経ての今日
私は1991年に大手の不動産会社へ入社し、営業部署において15年間、不動産仲介業に従事していました。2006年に同社を退職し、現在は大阪府堺市と徳島県に拠点を置いています。
ハウスドゥの店舗を運営する大阪府堺市は、前職の経験から私にとって馴染み深い土地であり、大変お世話になった知人からテナントをお借りすることができました。徳島県は私の地元で、もともとは私の母が不動産会社を経営していました。しかし、母が病気を患ったことをきっかけに、その会社が休業状態へ。長く続いてきた会社の廃業を回避できないかと考え、私が会社を引き継ぐことにしたのです。
以前勤めていた会社は不動産の買取を行なっておらず、仲介業オンリーという方針でした。エリアをブロックで分けて複数店舗を展開し、各ブロックの責任者や役職者が置かれていました。私も責任者を務めたことがありますが、基本的には他の営業社員に同行して提案するなど、自ら現場を動き回っていました。やはり現場に出なければ、実績はもちろん、市場の様子や相場感を得ることはできません。責任者である私が現場に出すぎると上層部からよく注意を受けましたが、現場での経験がとても勉強になったと感じています。
2017年にオープンした「ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 堺駅前通り」は、約37.7万世帯を持つ政令指定都市の堺市を商圏としています。昨年の平均仲介単価はおよそ3,300万円。商圏が大きいため、同エリア内に地場の不動産業者や大手不動産会社も存在します。ですが、弊社は売買事業をメインとしておりますので、どちらかといえば不動産の買取を行う他社と競合することが多いです。買取案件においては、3~4社に情報提供して相見積もりし、比較検討して最も条件に合う業者に依頼するという流れがほとんどです。そのため、必ず他社とバッティングするというのが現実です。
独立後の状況とFC検討の背景
独立したとき、「仲介業者にとって、メリットのある売買業者になれたら」という想いを抱いていました。営業時代、買取業者に物件を買い取っていただいた際に「買い取ったら我々のものなんだから、物件の再販に口出ししないでくれ」などと言われてしまったことがあります。仲介業者としては、買取業者によい条件で買っていただくのは当然です。そのうえで、買っていただいた後に再び物件の販売依頼をいただく、いわゆる売り返しをお願いされるようなお付き合いをしたいと考えていました。また、お客さまのフォローや、その後のメンテナンスに携わるなかで「こういう業者がいれば理想的なのに」と常々感じていました。そのため、開業時から売買業でスタートすると決めており、「営業にとって理想的な業者になれば、自然と仕事が集まるのではないか」という考えに至ったのです。
独立したての当時は、前職の同僚や先輩、後輩、取引業者と多くの仲間がいたため、「この案件、どうでしょう」「この物件を買えませんか」というお話をたくさん頂いておりました。しかし、年数が経つにつれ、徐々に仲間たちとの関わりが減ってきました。というのも、30代で独立される方が多いなか、その気がなかった私が独立したのは44歳。当初は仲間たちも現役でしたが、5年、10年経つと50代に突入し、会社によっては定年を迎えて引退される方も出てきました。しかし、後任の新しい営業担当者や取引先担当者とは、年が離れていることもあってなかなか仲良くなれず、案件の獲得が厳しくなってきたのです。「このままでいいのか」と思い、日和佐不動産の名前で広告やチラシを出してみても、反響はほぼ取れませんでした。ポステイングにはかなり力を入れましたが、手応えがなく「これはダメだ」と実感しました。そのときに、やはり今後はブランドカが必要だと考えたのです。大手不動産会社にいた頃と同様、「ブランド」という1つの看板で運営できることは非常に大きな強みになります。自分がものを買う立場でも、「〇〇だから安心」という信頼があるからなのでしょう。そこで、これまでのパイプからではなく、お客さまから仕入れ案件を獲得できるよう、FC加盟を検討し始めました。
ハウスドゥを選んだ理由は、他社FCよりも自由度が高く、自社に合った運営ができると考えたからです。FCというものは、店舗の内装やテナントの作り方、電話対応1つとっても、ブランドのやり方に統一する必要があります。自社で好き勝手にしたら、それはもうブランドになりませんよね。大手不動産会社で勤務していたときは、その点が非常に厳しかったです。しかし、ある程度の制約が必要だと理解している反面、自社で運営するにあたってFCが決めた枠にあまりとらわれたくないという思いもありました。そのため、ハウスドゥの「家・不動産買取専門店」は制約がそれほどないという点が大きな決め手になりました。また、運営の財務管理がしやすい固定ロイヤリティ制度も魅力に感じました。
エンドユーザーからの反響が増加
ハウスドゥに加盟後、ホームページやチラシなどから個人のお客さまにお問い合わせいただくことが増えました。お客さまは「ハウスドゥに相談したい」と思ってWebから不動産売却について問い合わせるため、訪問査定につながりやすいです。また、知名度があるハウス・リースバックについてお問い合わせいただくことも多くあります。そこをきっかけにして反響を取り、お客さまを訪問してお伺いしたお話をテーマに、受託や買取をご提案させていただいています。新聞の折込チラシで宣伝した際にも問い合わせがありました。エンドユーザーからの反響獲得を狙ってFCに加盟しましたが、やはり反響が取れるのだなと実感しています。
また、不動産情報の仕入れ先にも変化がありました。先ほどお話ししたとおり、加盟前は前職のパイプを活用して情報を得ていました。ですが、加盟後は親しくなったお客さまからのご紹介や、既存のお客さまの他府県にある物件について相談を受けるなど、エンドユーザーから情報を提供いただけるようになったのです。さらに、まったく知らない他府県の不動産業者から、買取案件を相談されるようにもなりました。自社の商圏と異なるエリアの相場感などは、やはり地元の業者に聞いてみないとわかりません。他府県や他地域の物件について相談があった場合、今ならまずインターネットで検索して、そのエリアで買い取ってくれそうな業者を探します。多くの業者がヒットするなかで、3~4社に絞って問い合わせるとなったら、ネームバリューがあるハウスドゥの買取専門店に連絡してみようと考えるのではないでしょうか。私が逆の立場なら、そう思います。先日も、名古屋の不動産業者から専任案件の依頼をいただきました。そういった業者からの買取依頼も増えてきています。
加盟店間での連携がメリットに
逆に、他府県のハウスドゥの加盟店さまに案件を紹介する場合もあります。
先日、私の知人にお客さまから「佐賀県にも物件があるから、なんとかしてほしい」という問い合わせがありました。一旦、お客さまから住所や詳細を直接お伺いして対応を考えることに。Googleで住所を調べれば、「ここは住宅地だな」と大体わかるものです。しかし、対応できるのではないかと思っても、実際に佐賀県へ行くわけにいきません。そこで、佐賀県の加盟店さまに連絡し、「お客さまにちゃんとご対応して、喜んでいただけるなら」と案件をお任せすることになったのです。昨日、そのお客さまから、早速その加盟店さまに来店されているとご報告いただきました。
また、島根県出雲市の加盟店さまと連携して物件を売買したこともあります。「分かれでもやりますよ」と、現地にいない我々の代わりに物件調査をすべて担当していただきました。もちろん我々も店舗フォローに入り、協力して取り組ませていただきました。
不動産業を営んでいると、このように地方の物件について相談を受けます。加盟前なら、宅建協会に問い合わせて業者名簿から依頼先を探しますが、どれがどんな業者なのかはわかりません。ならば、加盟店同士で案件を譲り合うことがベストです。店舗間での連携は非常にメリットがあると感じますし、全国に多店舗展開しているからこそ、どのエリアでも対応できるのだと考えています。
拡がるハウスドゥブランド
他にチェーンメリットとして挙げられるのは、イメージキャラクターの古田敦也さんを活用できる点です。「あの古田さんだよね」とお客さまに言っていただいたことが何度もありました。
先ほどお話ししたとおり、ブランド力は信頼に直結します。そのため、便箋や封筒はハウスドゥのロゴが入っているものを使用し、お客さまが見たときに「ハウスドゥだ」と安心していただけるようにしています。
大阪府内にハウスドゥの店舗が増えていることも、お客さまからの認知度アップにつながっています。さらに、加盟店舗数が増えていくなかで、加盟店さまと交流する機会も出てきます。つい最近、大阪府枚方市のハウスドゥ店舗から買取案件を紹介してもらい、契約させていただきました。その契約をきっかけに、「この案件はどうですか」と情報をいただけるようになりました。そういったつながりは、非常に大事だと思います。
加盟店同士の交流が学びと成長を加速
ハウスドゥでは、他の加盟店さまと交流できるイベントが定期的に開催されています。先日のイベントに、私も参加させていただきました。どの事業においても言えることですが、特に不動産事業においては情報収集が大切であり、いかに多くの方々と接しているかがポイントだと考えています。例えば、イベント会場で席が隣になった方と親しくなったら、「この地域では、こんな案件がありますがどうでしょう」と案件のお話をいただき、そういったことが重なって成約へとつながっていきます。「同業者同士で情報交換することはない」と捉えるのではなく、地域が違えば値段や相場も異なる。ましてや同じブランドを掲げる加盟店同士なら、話が通じ合うことも多い。これからもハウスドゥには、他の加盟店さまと交流できる機会をもっと設けていただきたいです。
なかでも、買取再販での失敗回避を目的とする「買取研究会」は非常に有益です。この勉強会では、ハウスドゥ直営店の失敗事例が共有されます。我々の商売は「失敗した」だけでは済まされません。1つの失敗が事業存続の危機になりかねない。建売の業者なら、1現場の失敗が会社の倒産につながってしまいます。過去にそのような事例をいくつも見てきました。さらに、高いリスクが見込まれる買取案件も身近にあります。そのため、「こんな失敗があった」と共有していただけると勉強になりますし、成功事例よりも学びが多いと感じます。
他にもハウスドゥには、人材採用に関する研修、契約書の作成方法や取引の進め方を学べる研修もあります。法律改正でルールが変化していくため、常に勉強したいと思っていました。先ほど、現在取引をしている買取業者から「契約書の間違いを赤ペンで訂正しておく」と連絡を受けたばかりです。私は不動産業界のベテランですが、これまでの知識を更新しなくては時代についていけないと感じています。その点からも、FCのコミュニティに参加することは重要だと考えています。
今後の展望
昔の不動産業界は相対取引が定番でした。しかし、現在は相見積もりが主流となっています。私がよく情報をいただく仲介業者は「4社に物件を見せることが必須」だと話していました。つまり、他社との競争で勝ち抜かなくてはいけない状況が前提なのです。早急に契約を決めたいと思っても、金額の裏づけを持っておかなくてはいけません。また、初めて取引する業者に買付案件を飛ばされたこともありました。さまざまなリスクがあるからこそ、慎重に取り組んでいくべきだと考えています。
弊社は買取専門店を運営しているので、基本的には物件を買い取って再販する。そして専任で契約する。この2点を今後の展望としています。実を言うと、「こんな物件を探している」とご来店いただいたとしても、お客さまのニーズにお応えできない場合はあります。だからこそ、よい物件を仕入れて販売することが重要になるのです。よりよい仕入れ物件をいかに増やしていくか。これを常に考えており、反響数や仕入れ先を増やすことなどを視野に入れてビジネスモデルを模索しています。(2025年6月)
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※掲載されている内容(撮影情報、会社情報、役職など)は、取材時点のものです。
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