見据えるは『事業承継』既存事業×不動産事業の両立へ
エネルギー事業とは別のビジネスを模索
有限会社柴原石油店は、ガソリンスタンド運営・ガス販売事業をメインとする岡山県の会社です。祖父の代から続けており、現在は私の父が代表を務めています。私はもともと広島県の別会社で、法人向けの人材コンサルタントとして働いていました。しかし、父の会社が困っていると聞き、自分にとって最も身近な会社を助けたいと考え、勤めていた会社を退職して戻ってきたのです。
昨今、人材不足が叫ばれている中で、特に私たちの拠点エリアは郊外にあり、若年層や車の整備などができる専門職の人材不足が課題となっています。その点を踏まえて、既存事業のサポートを目的に戻ってきましたが、一方でエネルギー産業は右肩下がりになると予想していました。そのため、新しい分野で事業を始めなくてはいけないという課題もありました。
新規事業を検討し始めた頃は、日用品などの買取専門店を展開するFCにも話を聞くなど、運営のイメージがしやすい別業種の事業を主に検討していました。不動産業は、扱う金額が大きい分、ある分不安も大きく、さらに未経験の私たちにはハードルが高く感じられ、あまりできる気がしていなかったです。
不動産FCに決めた3つのポイント
そんな中で、最終的にハウスドゥが運営する不動産売買仲介事業のFCを選んだ理由は、3つあります。
まず1つ目は、父が以前から宅建を勉強しており、不動産業に興味があったからです。
2つ目は、会社を通じての社会貢献です。やはり衣食住は私たちの生活で欠かせない要素であり、幸福度に関わる大事なところだと考えています。私が以前の会社を退職して、広島県から岡山県に帰ってきた際、住む家を借りようとしても候補が全然なかったんです。一方で、空き家もどんどん増えており、町の過疎化が進んでいると感じました。その課題を解決し、地域活性化につながりうる不動産事業を始めました。
3つ目は、弊社の既存事業と不動産事業でシナジーを発揮しやすいことです。例えば、不動産業で物件が売れた際、ガスの開通やリフォームについて、いち早くお客さまにご提案できます。私たちのようなガス業者は、基本的にガスの工事を請け負っています。お客さまとの信頼関係が築けていないと、リフォームまでお任せしてもらうことは難しいため、不動産業を始めてからはトータルでご提案しやすくなったと実感しました。また、中古車販売事業では、車を持っていないことが多い都市部からの移住者をキャッチしやすくなると見込んでいます。
ハウスドゥ加盟店の成功に憧れ
私が岡山県に帰ってきてから約2ヶ月後に、ハウスドゥから加盟のお話をいただきました。「不動産業未経験でもできる」と言っていただいたことや、ノウハウをしっかり教えてくれるサポートがあることから、よいのではないかと考えました。何度かお電話もいただき、「成功します」という言葉の勢いで決めた節もあります。ですが、市況に左右されにくいビジネスであることも、経営的な観点から大きな決め手となりました。
もう一つ加盟の決め手となったのは、ハウスドゥ加盟店さまのセミナー動画です。私たちと同じガソリンスタンドの運営から始まった企業さまで、愛知県郊外の一部エリアで多数店舗を展開し、ハウスドゥ加盟店の中で売上No.1。実際に成功されている企業さまの存在に影響を受けました。
店舗オープンまでを振り返って
テナント候補は2つありましたが、1つはお客さまから見えにくい住宅街の奥にあったため、主要道路に面している今の店舗を選びました。もともとお店だった建物ですが、家のような造りになっています。他のハウスドゥ店舗と違うので最初は不安でしたが、逆に「家のようなアットホームな雰囲気」を強みにしようと切り替えています。
現在は私と事務サポート社員の2人体制で店舗を運営しています。増員に向けて知人に声をかけており、場合によっては採用活動も始める予定です。ちなみに、その知人は不動産業の経験がありません。一緒に働いてみないとわからないと考えているため、経験の有無にこだわらず、試用期間を通してお互いの波長が合う方を探していく方針です。
SVの存在
SV(スーパーバイザー)には、いつも大変お世話になっています。加盟前に「ハウスドゥは不動産業未経験でもサポートします」と言ってもらっていたように、未経験である私ともう1人の社員からの質問に、電話やLINEで対応していただいて感謝しています。ただ、SVの経験値によって他のSVから教えてもらうことと違うときが何度かあり、前任のSVに相談しにくくなった時期もありました。担当SV以外の相談先などもあれば、とても助かるなと思います。
とはいえ、SVがいないと不安で、おそらくやっていけないでしょう。不動産業界に参入して、時折業界の課題ともいえる部分に直面することもあります。その際、「私たちはちゃんとしている」と感じさせてくれるのがSVという存在であり、とても励みになっています。
最も身近な会社と、意思を継いでいく
店舗運営に関しては、愚直にコツコツとお客さまに向き合っていきたいと考えています。売上や今後の運営について不安になるときもありますが、やはり目の前のお客さまへの真摯な対応を大切にしていきたいです。利益を追い求めるあまり、目的と手段を取り違えないように、初心を忘れずやっていきます。
今は新しい事業を任せてもらっている状態なので、まずはこの不動産事業を早く形あるものにし、既存事業とうまく両立できるようにしたいと考えています。
会社に戻ってきた理由には、将来の事業承継を見据えていることもあります。会社を存続させることが正しいことではないかもしれませんが、これまで休みもなく愚直に数十年頑張ってきた父を見てきたため、心残りがあるまま会社が途絶えてしまうことは避けたいですね。私自身も大変なことは多いかと思います。ですが、少しでも多くの人々のためになる仕事や会社を作っていきたいです。(2025年6月)
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※掲載されている内容(撮影情報、会社情報、役職など)は、取材時点のものです。
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