カーボンニュートラル時代の生存戦略 ガソリンスタンド業から不動産業参入で描く未来図とは?
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大九石油有限会社とは
弊社はもともと、大分県日田市にてガソリンスタンドを運営しておりました。しかし、今後のガソリン需要の動向やカーボンニュートラルに向けた動きを見据えると、ガソリンスタンド単体での事業継続には限界があると考えるようになりました。不動産事業には以前から関心を持っており、また弊社の関連会社を経営している弟が宅建資格を取得していたこともあり、いつかは不動産業に乗り出すことになるだろうと漠然と考えていました。その後、私自身も宅建資格を取得いたしました。
不動産業にはどこかスタイリッシュで魅力的な印象がありました。また、売買仲介業は原価がかからず、手数料で利益を得るというビジネスモデルにも強く惹かれていました。そんな折、ハウスドゥから加盟の案内に関するFAXが届きました。
ハウスドゥへの加盟の背景
ハウスドゥは、弊社に対して非常に積極的にアプローチをしてくださいました。加盟を検討する段階では、複数の店舗を見学させていただく機会もあり、実際にオーナーさまのお話を直接伺うこともできました。不動産業未経験から始められたオーナーさまは、以前からフランチャイズにはご興味をお持ちだったようで、その中でもハウスドゥを選ばれた理由として「新規事業として始める際のノウハウが最も充実していた」とお話されていました。また「他の不動産FCは既に不動産業を営んでいる人向けで、未経験者にはハードルが高い」というお話も伺いました。それもあって、ハウスドゥ以外のFCは特に検討はしませんでした。特に印象に残っているのは「宅建資格を持っているなら、なんでやらないの?すぐ始められるよ」というお言葉をいただいたことです。店舗スタッフの方々の自信にあふれた様子や雰囲気にも触れ「やっぱりいいんだろうな」と弟と話しながら帰ったことをよく覚えています。
そうした中で、社内でもいよいよ不動産事業を始めてみようという機運が高まっていきました。その後、一度は弟が経営する関連会社でハウスドゥとFC契約をさせていただきました。ですが、その会社が郊外に位置していたこともあり、立地面での優位性を考慮し、途中で契約を弊社に変更することとしました。現在は、弊社が運営するガソリンスタンドの敷地内にある作業スペース(ピット)を活用し、スタンドに併設するかたちで不動産事業の事務所を設けております。
ガソリンスタンド業界としての課題は?
ガソリンスタンド業界の課題として、まず販売量が年々減少していることが挙げられます。そのうえ競争も非常に激しく、同業同士での消耗戦のような状況が続いています。こうした中で「このまま続けていくのは正直きついな」と感じる場面も増えてきました。また中小企業にとって、新規のスタンド出店はかなりハードルが高く、1軒建てるだけでも2億~3億円の投資が必要です。その金額をかけるのであれば、不動産業を始める方が効率が良いのではないかと考えました。不動産業であれば、それほど大きな初期投資をせずに始められますし、将来的に店舗数を増やすことも可能です。
ガソリンスタンドと不動産業の事務所を併設
先述した通り、弊社ではスタンドの作業スペースを改装し、併設するかたちで不動産業の事務所を設置しました。もともとタイヤ交換やオイル交換といった整備作業は年間を通してもそれほど多くありませんでした。それであれば思い切って事務所にした方がいいと判断しました。別の場所で事務所を借りるより、今あるスペースを活用した方がコストも抑えられますし、扉一枚でガソリンスタンドとも繋がっているので動線も効率的です。改装には約1,000万円かかりましたが、それでも十分価値があると感じています。実際に不動産業を始めてみて、最初はあまり認知をされていませんでしたが、今では「ハウスドゥさんって、あのガソリンスタンドのところですよね」と言っていただけることもあり、認知度は確実に上がってきました。理想はやはり、給油や洗車に来てくれたお客さまがそのまま不動産の相談にも立ち寄ってくれることです。これまでは不動産のお客さまが、たまたまガソリンスタンドの方もご利用いただいていたというケースは何度かあります。また通常の不動産会社よりも、スタンド併設でエネオスの看板もあることで、安心感からかご来店の敷居が低くなっているのではないかとも思います。
ハウスドゥのメリットは?
まずは看板の力です。自社単独で大九石油不動産として展開するより「ハウスドゥ 日田」というネーミングの方が認知度・信頼感ともに優れています。また、イメージキャラクターの古田敦也さんの知名度を活用できる点も大きな魅力です。またSVパックというサービスを活用し、SV(スーパーバイザー)に指導を受けたことで、一定のノウハウも蓄積できたと感じています。採用面でも違いは実感しています。スタンドは人手確保が難しい一方で、不動産は比較的採用しやすく、人手不足を感じることはありません。導入研修も受講し、新入社員には研修動画「スタドゥ」を使って1週間ほどかけてしっかり学んでもらっています。
現在の店舗状況は?
今期は若干ですが黒字になる見込みで、順調に推移していると感じています。売却依頼の集客には一括査定サイトを活用していますが、こうしたサイトは日田市内というより、県外や遠方に住んでいる方からの依頼が多く、そうしたケースではハウスドゥのネームバリューが大きな信頼につながっていると実感しています。現在は売り物件の集客が中心で、購入希望者向けの集客は主にポータルサイトへの掲載を行っています。特に集客で大きな工夫はしていませんが、日田市ではある不動産ポータルサイトに掲載されている物件が60件ほどと少ないため、良い物件を預かれれば売れるスピードは非常に早いです。反対に、あまりに郊外すぎる物件や、価格帯が200万~300万円のようなものは売れづらい傾向にあり、その点は少し苦労しています。
買取再販事業について
買取再販事業には非常に関心があります。買取、リフォーム、賃貸、最終的に売却するというサイクルはこれから強化していきたいですね。現在もチャンスがあれば買取を行っていますが、建物が老朽化しているケースが多く、更地にして売却することが大半です。それでも安く仕入れて整地し、高値で売却できるため、年間数件でも利益は大きく、非常に助かっています。最近では自社で建築した建売住宅の販売も手がけています。
今後の展望やハウスドゥに期待することは?
まずは地元でNo.1を目指し、その後はもう1~2店舗展開したいと考えています。福岡県のような都市部では、ハウスドゥのブランド力がより発揮されると思うので、そうした地域も狙っていきたいですね。ハウスドゥには今後も店舗を増やしていただいてブランド力を高めていただきたいですし、大分県内では有料のものも含めて研修会を増やしてほしいと思っています。
加盟を検討されている企業さまに一言お願いいたします
ガソリンスタンド業やそれ以外の業種の方も、考えるよりまず一歩踏み出してみることが大事なのではないかと考えています。「合わなければやめればいい」くらいの気持ちで、まずは情報を集めるところから始めてみてはいかがでしょうか。(2025年4月)
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※掲載されている内容(撮影情報、会社情報、役職など)は、取材時点のものです。
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