板金業から未経験で不動産事業参入を決意 オープンから3ヶ月で増店を決めた、その成長戦略を語る
Contents
株式会社実広板金について
株式会社実広板金は、2003年に先代である僕の父が創業し、建築板金、いわゆる屋根の工事を中心に行う会社です。僕の父は非常に厳しい人で、「外で働きなさい」と言い、実家で修行させてくれませんでした。そのため、18歳から丁稚奉公として他社に入り、屋根や外壁工事など外装関係の仕事に従事していました。当時は会社の寮で一人暮らしをしながら修行し、お金を稼ぐことの大変さを学んでいました。その時は、自分が社長になるという意識は全くなく、「いつか一人前の職人になりたい」という夢を描きながら働いていたんです。
修行6年目となる24歳の時には仕事も一通り覚え、ある程度は自分でできるようになっていましたが、実家に戻るなんてことは考えていませんでした。しかし、その頃に父から「人手が足りないから助けてくれないか」と声をかけてもらえるように。僕もちょうど、独立して自分でやりたいという野望が芽生えたタイミングだったので、父の事業を継承するほうが早くスタートできると考え、実家へ戻ることにしました。最初の1年は個人事業主として独立し、その後に父の会社へ入って事業を継承。それから従業員数が増えていき、売上も順調に上がってきて今に至ります。
お客さまと直接つながる機会を得るため、不動産事業へ
事業を継承する前から、自分でも何か新しいことに挑戦したいという思いはありました。継承前は父の会社であるため、僕が勝手に判断できる状況ではありませんでしたが、事業を継承した後から徐々に色々なことをするようになりましたよ。例えば、僕らはずっとBtoBの仕事しかしてきませんでしたが、BtoCの仕事、いわゆるエンドユーザーに向けた仕事を始めるなど、新しい取り組みを少しずつ積み重ねてきました。
ある時、家の増築工事で、地面を掘るところから大工さんがやるような基礎づくりまでの工程を頼まれたことがあったんです。屋根や外壁の工事しか経験がない我々にとって簡単ではないと思ったため、「それは難しい」と一度はお断りしました。しかし、お客さまから「きっとやれるから、やってみてほしい」と再度お願いされ、勉強して挑戦してみることにしました。その工事が何とか形になり、「意外とできるものなんだな」と思った時、内装も含めた工事全般の仕事をやってみたいと感じたんです。しかし、僕たちのように屋根などの外装工事に特化している一企業が、お客さまと知り合う機会はなかなかありません。先ほどお話しした案件を含め、たまたま知り合いからご紹介いただけるだけでは、事業として成り立たないと理解していました。それならば、お客さまと直接繋がることができる川上のビジネスである不動産事業が良いのではないかと考えるようになり、まずは宅建の勉強から始めることにしました。
ハウスドゥ加盟で、既存事業との2本柱を目指す
宅建の勉強を始めた頃、ちょうどハウスドゥからフランチャイズ加盟案内のDMが届いたんです。弊社の前の事務所に届いていたらしく、父からそのDMを渡されました。たしかお正月の頃だったと思います。正直なところ、こういったDMはよく届くため、いつもなら破棄するんですが、父から渡されたこともあってか、そのDMだけは手に取って封を開けてみました。「FAXまたはメールで返信ください」と書いてあったので、試しにメールを送り、ハウスドゥの営業担当者とオンラインで話すことに。当時は宅建の勉強こそしていましたが、不動産事業のことは全然わからないし、そもそもフランチャイズの仕組みもよくわかっていない状態でした。しかし、担当者からいろいろご説明いただき、興味が出てきた僕は、既存の加盟店さまを訪問させていただくことにしました。他店を見させてもらった後、「よくわからないけど、面白そうだな」と思い、加盟へ向けて進んでいきましたね。
どんな事業でもそうですが、事業を始めるときはお金がかかります。そのため、毎年決算書もちゃんと作って、売上も利益も良い感じに上がってきている。金融機関から積極的に借り入れながら、何か大きいことを始める時のためにと準備してきたんです。ハウスドゥのお話を聞いたときに、「今、これがその時なんじゃないか」と感じました。また、ハウスドゥの方から「不動産業って、華やかに見えて案外泥臭いんですよ」と言われた時、自分に合っているかもしれないなと思ったんです。簡単ではない、甘くない事業だと充分わかったうえで挑戦することにしました。加盟に踏み切った理由には、事業の柱がもう一つ欲しいという思いもあります。屋根や外壁の工事は、広く見ればまだやれることがあるのかもしれませんが、「これ以上の伸び代は無い」と感じていました。それなら、父から引き継いだ既存事業を捨てずに新規事業を始めて、事業の柱を2本持てるようになりたいと考えたんです。
1店舗目オープンから3ヶ月で増店を決意
2024年12月、「ハウスドゥ 泉南」がオープンしました。現在で約3ヶ月が経ちましたが、すでに2店舗目の出店を決めています。僕は、何に挑戦するにしても、スピード感を持って取り組みたいんです。そして、それくらい切羽詰まった状況にすることで、自分も走りきりたいと思っています。仮に1店舗だけの運営で泣かず飛ばず、売上も横ばいとなってしまった時に、「やっぱりその程度か…」と、従業員のモチベーションが下がってしまうのではないかという不安がありました。目先の数字も大事ですが、次の目標があると、やはりモチベーションは上がりますよね。あらかじめ増店を決めたおかげで、従業員たちは今も前向きに考えながらやってくれていると思います。それに、通常であれば1店舗目で上手くいかないと、2店舗目を出そうという気にすらならないじゃないですか。でも、「もう2店舗目が決まっているから、何とかしよう」とするほうが良いですよね。従業員から「2店舗目はいつ出すんですか」と聞かれても、なかなか明確な答えを出せないものです。売上が上がったとしても、「売上がどれだけ上がった段階で」というような正解はありません。それならば、もう増店を決めてしまっているほうが目標も立てやすくなると考えて判断しました。
オープンしてから感じること
オープンしてから、ハウスドゥの知名度はやはり凄いと改めて実感しています。不動産業を始めようとした際、自社で不動産会社をしようと思えば、きっとできたと思います。でも、そんな個人商店の延長で始めた不動産会社が、すでに地元でずっとやってきたような不動産会社がある地域で頑張っても、相手になんかしてもらえないだろうと思いました。そう考えると、やはり看板力があるということは魅力だなと実感しましたね。
あと、僕たちは全員が不動産業未経験からスタートしているため、最初に受ける導入研修はとても良いと思いました。それから、SV(スーパーバイザー)の存在も大きいですね。経営として成り立たせるために厳しいことを言われることもありますが、SVがいなかったら、ここまでできていなかったでしょう。弊社の担当SVが1週間ほど出張で不在だった期間は、結構不安でした。とはいえ、担当者だけじゃなく、本部もサポートしてくれる体制が整っているので、わからないことをいつでも確認・相談できる環境があることは良いですね。僕たちは、一歩進んで一歩躓いて、また一歩進んで一歩躓いての繰り返しなので、何かあればすぐに電話して質問するようにしています。すぐに教えてくださる環境があることは、とてもありがたいです。SVが店舗スタッフの指導や実務のフォローをしてくれる「SVパック」というオプションサービスも利用しています。利用するかどうかは任意で決められますが、これは利用するほうが良いですね。これがなければ、多分僕たちは店舗を立ちあげることができず、オープンまでたどり着けなかったのではないかと思っています。
加えて、ハウスドゥには、「DO NETWORK」という非常に優れたシステムがあります。まだ全然使いこなせてはいませんが、このような便利なシステムは他社だとあまりなく、フランチャイズ加盟で利用できることもありがたいです。
横のつながりでモチベーションもアップ
ハウスドゥは加盟店同士のつながりが強く、僕たちもよく他の加盟店さまから教えてもらっています。担当SVがきちんと店舗同士を繋げてくださるので、本当に1回しかお会いしたことがない加盟店さまからも、電話で実体験に基づくアドバイスをいただけることがあって、とても心強いです。
また、僕たちと同じく未経験からスタートしているオーナーさまに出会えることも励みになります。加盟店同士の交流や集まりも盛んだと実感していますね。関西エリアの加盟店が参加する接客ロープレ研修会やリフォーム研究会、店長の会、成功事例共有会など、ハウスドゥが企画するイベントや研修会には、極力参加するようにしています。各研修やイベントの内容はもちろんですが、実際に他の加盟店さまと顔を合わせて相談できることもありがたいです。「どの加盟店さまも、こんなに親切に教えてくれるものなのか」と驚きました。業界の外から見ていた時は、不動産業界に対して閉鎖的なイメージを持っていました。しかし僕が知っている限りで、ハスウドゥの加盟店さまにそんなイメージのお店はありません。
昨年店舗のオープン前に参加した全国FC大会では、ハウスドゥチェーンの安藤代表が登壇され、直々にお話を聞くことができて感銘を受けました。「1億円の利益を上げた時、自分の好きなものが買えてある程度は満足したけれど、当時の自分の志は低かった」とお話しされていたと記憶しています。安藤代表のように、やはり僕も志を高く持ち、まだまだ頑張らなければと感じました。チェーンのトップにあのような場でお話しいただき、さらに著名人の方も来るような舞台を見て、僕たちもいつかあの壇上に立ちたいと奮い立つ思いでした。
今後の目標・展望
すでに決まっている2店舗目のオープンに向けて、今後も人材に関しては未経験の方を積極的に採用していく方針です。ただ、僕たちの商圏である泉南エリアは、和歌山県に近い大阪府の南部にあります。求職者数が少なく、積極的に面接しようと思っていても、なかなかそこまで進まず苦労しています。そこが今後の課題でもありますね。
売上目標としては、まずは直近でハウスドゥが設定している単月300万円~400万円という売上のベースを築くことを目標としています。現在、反響は結構ありますが、なかなか契約まで進めていません。赤字を黒字転換させる、つまり売上と利益を上げて、2店舗目として予定している貝塚店に補填できれば理想ですね。また、ハウスドゥ加盟を通して、リフォーム事業の強化も見据えています。今は弊社の従業員が新しくホームページを準備している段階です。SVに相談しながら、着実に進めていく予定です。
成功されている加盟店の皆さまは、「ハウスドゥのやり方をきっちりやっていれば大丈夫」と口をそろえておっしゃっています。不安は、物事をわかっていないからこそ出てくる感情です。だから僕はすぐ決断し、まず一歩を踏み出してみることが大事だと思っています。とにかくハウスドゥからの教えを実践し、愚直に頑張っていきます。(2025年3月)
100以上の加盟店事例を無料でダウンロード!
※掲載されている内容(撮影情報、会社情報、役職など)は、取材時点のものです。
チェックした資料をまとめてダウンロード!最大5件まで選択可能です。