事業承継を経て、自ら描きだす成功のシナリオ 次世代へつなぐための新たな成長戦略とは
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事業承継で経営の道へ
私は以前、「ジャパン建材株式会社」に22年ほど在籍していました。転機となったのは、小堀材木店の当時の社長との出会いです。私が栃木県宇都宮市のエリアを担当していた頃、小堀材木店はメインの取引先でした。「ハウス・デポ・ジャパン」に加盟いただいてからは社長とお話しする機会も増え、情報交換や相談を行う間柄となりました。そうしたなかで、社長から後継者について相談されたのです。私自身は自営業の家庭で育ったこともあり、もともと経営や代表業には関心がありました。その思いを社長に少し話すと「じゃあ、うちの会社に来ないか」とオファーをいただき、2015年に事業を承継。弊社の母体となる有限会社小堀材木店で、代表を務めることとなりました。
小堀材木店は、工務店やリフォーム業者、地域のハウスビルダーなどに、住宅用建材や関連商品の卸売りを行なっています。弊社の敷地内にあるアルミ建材を扱う有限会社ケイズ・システム、群馬県桐生市にあるM&Aで譲受した協和産業株式会社、そして弊社の計4社を運営しています。
数十年後も会社が存続できるように
建材販売の業界が抱える課題は「人材の確保」ではないかと考えています。さまざまな業界でAIの利用やDXによる仕事の効率化、時短勤務などが進む一方、我々の業界は得意先への対面対応を求められることが多いです。また、建築資材を扱うにあたり、力仕事をこなせるマンパワーが不足しています。建設に携わる職人や現場監督も圧倒的に不足していると同時に、建築資材を提供する我々の業界でも、高齢化は加速しているのです。
若手世代の不足を考慮し、我々は一昨年から完全土日祝休み、年間休日123~125日制を導入。企業としてはリスクもある決断です。しかし、私が引退するであろう15年後、20年後に次世代へバトンタッチし、会社を存続させていくことが大切だと思っています。人が入りやすい環境づくりこそが、これから業界で総力をあげて取り組むべきことではないでしょうか。
建築業界の変化が不動産業界参入の後押しに
以前は新築住宅の着工数が順調に伸びていました。しかしウッドショックや新型コロナウイルスの流行を経て、資材やエネルギーの価格が高騰。それに伴い住宅コストが上昇し、新築住宅の着工数は大きく減少しています。業界の流れの変化とともに、成長を続けてきた弊社グループも影響を受けました。直近1~2年の業績は非常に厳しく、先ほど触れた働き方改革や営業施策の見直しなどに取り組んだものの、完全に打破できていません。そこで、以前から関心を持っていた不動産事業を本格的に検討し始めました。
業界では中古物件のリフォーム・リノベーションが活発化していますが、当社が拠点とする栃木県では、中古住宅の供給はそれほど増加していませんでした。しかし、宇都宮市の都市開発が進み、中心エリアの土地の価格が上昇。家を買いたい人々の間で、宇都宮市郊外に中古住宅を購入してリフォームするニーズが高まりつつあると感じました。「いつかは不動産事業に取り組まなくてはいけない」と考えていたため、時代に乗り遅れないよう思い切って不動産事業への投資を決意したのです。
業界のつながりを重視し、ハウスドゥへ加盟
先ほどお話ししたとおり、「ハウス・デポ・ジャパン」に10年ほど前から加盟し、月1回開催される社長会へ参加しています。その会を通じて、ハウスドゥに加盟している企業の社長さまから、その好調ぶりを伺っていました。当社と同じ業界・業種の企業が、ハウスドゥで結果を出し、事業を継続できている。その様子に加え、これまで培ってきた横のつながりを活かして加盟後のリアルな意見やアドバイスをいただける環境を考慮すると、ハウスドゥへの加盟が大きなメリットだと気づきました。フランチャイズ本部だけでなく、コミュニティ内の他加盟企業とも情報交換できる点が最大の利点であるため、他社の不動産フランチャイズと比較検討することはありませんでしたね。
もちろん、ハウスドゥ本部が提供する店舗備品やサポートも充実していると感じています。東京で参加したオーナー研修の内容も非常に充実していました。また、不動産業界に関して素人同然の我々に、基本知識を丁寧に教えてくださるSV(スーパーバイザー)は非常に頼もしい存在です。今後も伴走いただけることを期待しています。
生涯の夢であった「会社の設立」
この度、事業のスタートに向けて株式会社ケイズ・ネクストを設立しました。これまでは既存の会社を引き継ぎ、経営者としてかじを取ってきました。貴重なご縁をいただいてきた一方で、「ゼロから会社を立ち上げて、自分の色をしっかりと出す」ことは、私の生涯の夢の1つでした。不安がないと言えば嘘になりますが、自ら成功へのシナリオを描くことに、ワクワク感とやりがいを感じています。
新会社では、新たに社員を採用し、組織を作っていく予定です。求める人材は「先入観にとらわれない人」です。ハウスドゥの指導に沿って確実に実行することが成功のメソッドだと考えているため、素直に受け入れられる人が望ましいと考えています。
ハウスドゥ加盟による今後の展望
ハウスドゥには、メディアをより活用し、今以上に世間の認知度を向上させてほしいです。テレビCMや広告などで認知度は十分高いですが、他社の不動産フランチャイズも負けていません。店舗の看板やのぼりがより目立つよう、ハウスドゥというブランドを地域に根付かせることが重要だと思います。
まずは宇都宮市の中戸祭で1号店をオープンし、将来的には弊社のグループ会社がある群馬エリアへの進出も目指しています。不動産のプロ集団として一目置かれるような会社に成長したいですね。
また、母体の小堀材木店では「KOBORI LAB」という研修を不定期で開催し、地域の工務店へ業界情報を提供しています。弊社の不動産事業の体制が整えば、売買仲介を通して工務店へお仕事を依頼でき、新たなシナジーが生み出せるのではないでしょうか。(2025年2月)
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※掲載されている内容(撮影情報、会社情報、役職など)は、取材時点のものです。
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