「ここならできる」と確信 不動産未経験の挑戦と、地域物件シェア率85%達成の裏側
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複数事業を展開するなかで感じた、不動産事業の必要性
日笠REC株式会社は、不動産事業の立ち上げに伴って2024年に設立した会社です。母体会社となる株式会社桜梅桃里は、認知症の方を対象とした介護施設の運営を事業としており、弊社の社長である日笠がおよそ20年前に岡山県で立ち上げました。その後、フィットネスジム運営のフランチャイズ事業やサウナ事業、飲食事業を展開する別会社として、株式会社日笠を設立。近年では、ベトナムにも法人を立ち上げ、洗車機の販売やバーの経営なども行なっています。多岐に渡って事業を展開するにあたり、常にテナントを探している状況だったため、日笠自身が不動産事業をやりたいと思ったそうです。
私は元々日笠の友人で、前職は建設業で働いておりました。不動産業は未経験でしたが、建設業は不動産が結構関わる仕事です。そのため、「一緒にやってみないか」と日笠から声をかけていただいたことをきっかけに、不動産事業の立ち上げメンバーとして転職を決めました。そしてハウスドゥに加盟し、2024年9月に「ハウスドゥ 岡山西大寺松崎」がオープン。今は店長をしております。
「こことなら一緒にやれる」と思うフランチャイズ
不動産事業に参入すると決めたものの、私たちは異業種からのスタートです。「看板がない状態で始めても、多分お客さまは来てくださらないだろう」という理由から、日笠と「フランチャイズに加盟して始めよう」と話していました。「どこが良いのかいろいろ当たってみてほしい」と言われて、何社かお話を聞かせていただきました。ハウスドゥの担当者から最初にお話を聞いたのは2024年1月で、翌月には加盟を決めていました。
もちろん比較検討のために複数の不動産フランチャイズからお話を伺いましたし、ハウスドゥを含めた3社にまで候補を絞ったんです。そのうちの1社は、ハウスドゥと同じ売買仲介がメインでした。しかし直営店がなく、加盟店の事例をマニュアル化しているというお話を聞き、ノウハウとして確立されたものがあるのか少し不安でした。
もう1社は、私と担当者の相性が合わないと感じたんです。その会社は、以前は女性の俳優さんをイメージキャラクターとしてテレビCMに起用していましたが、最近ある男性の俳優さんに変わったとのことでした。「女性がCMをしていると『不動産賃貸』のイメージでしょ?男性であれば『不動産売買』のイメージなんですよ」と説明され、私も女性として店長をやっていく上で、そうした固定観念がある会社は嫌だと思ってしまったんです。
テナント確保が不動産事業立ち上げのきっかけではありましたが、当初は賃貸事業か売買事業か、いずれに着手するか決めきれずにいました。そこで、「こことなら一緒にやっていけると思えたフランチャイズに決めよう」と日笠社長とも話し、最終的にハウスドゥへ加盟することを決めました。
未経験からは不動産業に参入できない?
私たちは不動産業未経験からの参入でしたが、実は先述した他社の担当者から「不動産業をやったことがないですよね。3~4年は利益が一切出ない覚悟でやるのであれば、一緒にやりますけど」といったことを言われたんです。そこで、「未経験から不動産事業を始める会社は無いのでしょうか」と、逆に質問してみました。すると、「元々不動産業をしていて、ブランド力を持つ看板が欲しくて加盟する人がほとんど。不動産業をやったことがない会社が、弊社に加盟した実績はほぼありません。それでも弊社の看板が欲しいのであれば用意しますよ」と言われて、こちらからお断りしました。その担当者からは「逆に、未経験でもできると言っている不動産フランチャイズがあるんですか」と言われるほどでしたね。
一方で、ハウスドゥの担当者は「未経験からでも、絶対にできます!」と断言してくれたんですよ。「本部が全面的にサポートするし、それができないのであればフランチャイズに入る意味はないと思います」と言ってくれたので、ハウスドゥに決めました。岡山にもたくさん店舗があるため、ハウスドゥのことは元々知っていました。私たちは不動産業をやったことがないからこそ、「絶対にできる」と言ってくれたハウスドゥの言葉を信じて、やってみようと思えました。
実は、宅建の講習会に参加した際、偶然にも隣の席に座っていた方がハウスドゥ加盟店の店長だったんです。名刺交換をしたときに、「実はハウスドゥに加盟しようかと思っているんです。どうですか」と率直に聞いてみたところ、「サポートが手厚いので、大丈夫だと思いますよ」と言ってもらいました。異業種から参入されたその方の「未経験でも、ハウスドゥならできる」というお言葉が、私の背中を押してくれました。
選んだエリアで思いがけない効果が!
商圏エリアを選ぶ際、ハウスドゥが設定している岡山の商圏エリアに残された3つのエリアから選ぶことになりました。調整区域のエリアであるため、ランドマークとなるものが何もなく、店舗に適した物件がなかなか見つからなかったです。車が多く通る場所には既に他の不動産会社があり、結局その時に空いていた物件を選びました。
正直、エリアとテナントを消去法で選んだというのはあります。しかし今となれば、それが功を奏している部分もあります。1つは、周辺にあまり競合店舗がいないことです。最初は「きっとここでは商売にならないから競合がいないんだ…」と思ったのですが、逆に競合がいないからか「ハウスドゥができたと知って来ました」と、お客さまにご来店いただけることがありました。
あともう1つは、店舗が小学校の運動場のすぐ南の場所にあることです。実は、この小学校近辺がすごく人気のエリアだったんです。建物は戸建てよりもコーポが多く、「子どもをこの校区の小学校や中学校に通わせたいから、この辺で家を探しています」というお客さまが多く来られます。しかも先ほど言ったように、このエリアにはライバルがいません。そのため、毎朝不動産のポータルサイトで新着物件をチェックすると、もうずっと「ハウスドゥ 岡山西大寺松崎」の物件広告が出てきます。先日確認してみたら、このエリアでの弊社店舗の物件シェア率は85%でした。検索しても、ずっと弊社しか出てこないくらいなので、最近はお客さまからの問い合わせも多いです。先月は23件の反響がありました。今月も反響は好調で、このエリアで認知されてきたと感じています。
オープニングスタッフの考え方
SV(スーパーバイザー)にも相談し、宅建の資格を持つ不動産業未経験の3人でスタートしました。私を含めてみんなが同じ目線で話せるよう考慮したためです。ただ、基本知識があっても、やはり実践となると難しいと感じています。それでも、実際に半年ほどやってみて、全くわからないなりにハウスドゥのスキームに乗ることで、何とかやってこられたと思います。本当に経験がなくてもできるものなんですね。
私が店長という立場でありながら不動産業の経験がないので、特にオープン時はスタッフとのパワーバランスを踏まえると、経験者を採用しなくて良かったのかもしれません。SVが言うとおり、もし店舗に経験者がいたとしたら、その人の考え方に左右されて、お店を統率できていなかったかもしれません。実はオープン前の採用活動で、不動産業の経験をお持ちの方を面接したことがありました。長く不動産業界にいらっしゃるからか、面接の途中で私とその人の立場が逆転したんです。「経験がないなら、教えてあげますよ」と言っていただいたのですが、オープンまではとにかくハウスドゥのマニュアルに沿って進めたいと思っていたので、「最初はみんなで足並みを揃えて、一緒に頑張っていただける方を探しています」とお伝えしました。結局、「未経験でも大丈夫」と言ってくれたハウスドゥを信じてみようと、未経験のスタッフだけでスタートすることにしました。
オープン後の状況
オープン後は、オープンイベントをしたり、3人でチラシを2,000枚ほど配ったりもしたのですが、最初はなかなかお客さまが来ず不安もありました。しかも、いざお客さまがいらっしゃった時は、何をすればいいのかわからず苦労しました。資金計画のこと、住宅ローンのこと。何もわからず、とにかくSVに電話して質問しながら対応しました。それでも、すぐにSVに質問できる環境であることは、本当にありがたいと思っています。フランチャイズに加盟していなかったら、何もできていなかったでしょう。今でも「まだできていない」と思う部分はありますが、いつもSVがサポートしてくれるので、何とか乗り切れています。一つ欲を言えば、担当SVがお休みの時もスムーズに相談できる体制があれば、もっと安心だなと思いました。未経験から始めて何もわからない状態からのスタートだと、特にお客さまが多くご来店される土日にSVが休みで、現場が混乱してしまうこともありました。でも、それだけ日頃からSVに頼っており、なくてはならない存在になっているのだと思います。
あと、やはりハウスドゥの看板をお借りしている効果は大きいと感じています。看板の色が目立つことはもちろん、先ほど話したようにお客さまから「ハウスドゥができたと知って来ました」と言っていただけます。それに、他の不動産会社の方にもよく来ていただけるようになりました。大手不動産会社に長年勤務して独立したような方にも、「我々のような小さな不動産会社は、大手の力を借りないといけないんですよ」と言っていただいたことがありました。もちろん、その方は私たちが未経験からスタートしていることもご存じでした。それでも、「ハウスドゥは大きいし、一緒にお仕事できたら助かります」と自社の物件を貸していただけたり、逆に物件を販売してくれると言ってくださったりすることもあります。これは、ハウスドゥのブランド力があってこそですね。
それに、ハウスドゥの他の加盟店さまにも助けられていると実感しています。何か困ったことがあって電話すると、ちゃんと教えてくださるんです。他店舗との繋がりは、ハウスドゥのフランチャイズに加盟するメリットだと感じています。
Instagramを活用し、地域と繋がる
店長として日々店舗を運営しながら、店舗公式のInstagramアカウントで、地域の情報などをこまめに発信しています。私たちのエリアの魅力を伝えるために、お店に行って「Instagramでご紹介していいですか」と声をかけさせてもらうのです。掲載を断られることもあるため、なかなか投稿できず苦労するときもあります。しかし、今の時代は、やはりSNSでの発信が大事だと考えています。また、掲載してもいいか声をかけた際、「うちにチラシを置いてもいいよ」と言ってくださるお店も結構あるんです。現在では、定期的にチラシを置かせていただけているお店もありますし、「あそこのお店もいいよ」「家族のお店もInstagramで紹介してよ」と声をかけていただけるようになりました。さらには、「うちの実家を売りたいんですけど」というご相談をいただけることもありました。Instagramを通じて、地域のお店やお客さまとの繋がりが生まれているため、引き続きSNSの運用は続けていきたいですね。
今後の展望
会社の展望としては、私を含め日笠もきっと、ハウスドゥ店舗を増店したいと考えているでしょう。弊社はベトナムでも事業をしているので、ハウスドゥのアジア進出を見て、同じビジョンを思い描いているのかもしれません。一方で、私はまだ目の前のことに必死で、そこまで大きなスケールで物事を捉えられていません。ただ、私自身とても負けず嫌いな性格で、私たちのエリア内で他社が物件を売っていると悔しいんです。やはり私たちのエリアの物件は、「ハウスドゥ 岡山西大寺松崎」で全部担当するという気持ちなので、売上が上がってきたら増店していきたいと思っています。とにかく今は、目の前のことに一生懸命やっていくつもりです。
もちろん私たちは企業なので、利益を出していくことは無視できません。しかし、「家」とは生活や人生のベースになるところです。生活の要に携わらせていただける不動産業は、重要な仕事だと思っています。そのことを日笠とも話し、まずは利益よりも「人々に喜んでいただける会社」にしていこうと不動産事業を始めました。その想いを忘れずに、来てくださったお客さまに喜んでいただき、その喜びが広がっていくようなお店にしたいと考えています。でも最近、喜んでもらうことを重視しすぎて、「少しお客さまへの対応が手厚すぎるじゃないか」という声もあります。丁寧にやりすぎてしまっている部分もあるかもしれません。ですが、やっていることは絶対に間違っていないため、私たちの店舗の強みとして、丁寧にしっかりと情報をお伝えすることを続けていけたらと考えています。お客さまに喜んでいただけるお店にしながら、2店舗、3店舗と増店し、社長が描く展望にも応えていけるようになりたいです。(2025年3月)
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※掲載されている内容(撮影情報、会社情報、役職など)は、取材時点のものです。
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