飲食業から不動産業へ参入して7年!3店舗を展開する加盟店オーナーが語る「失敗しないFC活用法」
Contents
- 加盟から7年、愛知県・岐阜県で3店舗を運営
- 各店舗の紹介
- 不動産事業への参入に興味を持った理由
- 数あるFCの中からハウスドゥを選んだ理由
- 不動産参入とFC加盟決断の捉え方と結果
- オープン前後の状況について
- 成功の要因となる「エリア選定」
- 人材採用で大事にしていること
- ノウハウを実践できる範囲に絞る
- ロープレの反復練習
- 「新着物件は即てまき&即紹介」
- ノウハウを忠実に実践し続けることが重要
- 初期投資の捉え方
- ハウスドゥの活用方法
- 直営店から生まれたノウハウ
- 加盟店との情報共有と交流
- ハウスドゥの営業ツールを活用
- 現在の取り組みと展望
- 今後の不動産業界について
- デジタル化(DX)への対応とネットワーク(連携)の活用
加盟から7年、愛知県・岐阜県で3店舗を運営
デイライフ株式会社は、ハウスドゥに加盟して7年目になります。最初は、2015年3月に愛知県清須市に「ハウスドゥ!清須店」をオープンしました。その後、2019年には岐阜県に2店舗目となる「ハウスドゥ!各務原市役所前店」を、さらに昨年には3店舗目となる「ハウスドゥ!岐阜東」をオープンし、現在は4店舗目を準備しています。
弊社は、元々飲食業からスタートした会社です。私は20代の頃に、自動車販売をしている会社の中古車部門で働いていました。その後、30代で飲食業への参入をきっかけに独立し、創業4年目で不動産業に参入することになりました。本日は、加盟検討中にどういうことで悩んでいたのか、私が加盟した当時のこと、そこから今に至るまでについて、お話しさせていただきます。
各店舗の紹介
「ハウスドゥ!清須店」がある清須市は、名古屋市の隣にある名古屋のベッドタウンです。現在の世帯数は、約3万4,000世帯ですが、出店当時は、3万世帯もない小さな街でした。現在も人口が増加しており、仲介単価は約61万円で相場も上昇している人気のエリアです。地場の不動産業者や不動産FC加盟店などの競合もあります。オープン当初は、このエリアを牛耳るような強い地場業者がいらっしゃいましたが、ここ3~4年で逆転しました。
スタッフは、営業6名、営業アシスタントが2名、サポート3名です。営業アシスタントは、営業とサポートの間に入っていただくような業務を担当してもらっています。こちらの店舗には、弊社で初めての採用となった新卒社員がおりまして、さらに清須店には物件写真を撮影してくれる専属のサポートスタッフもおります。
「ハウスドゥ!各務ヶ原市役所前店」は、愛知県に近い岐阜県内の店舗です。世帯数は約7万世帯と多く、各務原市にはもう1つハウスドゥの加盟店がいらっしゃいます。三井のリハウスや地場の不動産業者、不動産FCなどの競合もあります。仲介単価は約40万円で愛知県よりは低いものの、愛知県から流れてきている人気のエリアでもあります。スタッフは、営業4名、アシスタント2名、サポート1名です。店長は、以前は賃貸業の経験者ですが、他は大半が不動産未経験者です。
「ハウスドゥ!岐阜東」は、直近でオープンした店舗です。このエリアにも地場の不動産業者さんがありますが、仲良くさせてもらっています。仲介単価は約40万~50万円で、愛知県よりは若干安いです。スタッフは、営業4名、アシスタント3名です。不動産経験者は1名を除いて全員が不動産未経験者です。今は、弊社の飲食事業から不動産業に異動した者が店長をしております。
不動産事業への参入に興味を持った理由
私が在籍していた自動車販売会社は、業績は良かったのですが、私自身がマーケットに対する不安を感じていました。一番の不安は、ディーラーの囲い込みと参入障壁でした。車屋は、誰でもできてしまう仕事でもあったので、まだ20代だった私は、このままで良いのかと悩んでいたのです。転職を考えた時に、営業職は続けていきたいと思いました。しかし、車販売のマーケットには不安がある。そう考えながら、私は輸入車の販売をしていたのですが、輸入車を購入するお客さまはアッパーマス層が多く、不動産に興味を持っている方が多いという印象を受けました。そこから、自動車業界に変わる業界として不動産業界に興味を持つようになり、20代後半で宅建の資格を取り、不動産業に参入したいと考えるようになりました。その後、ご縁があって飲食店の譲渡を受けることになり、それを機に独立することになりました。ですから、弊社は飲食業からスタートしていますが、飲食業をやりたくて開業したというよりは、不動産業を始めるための資金を捻出するために飲食業を始めたのです。飲食店を立ち上げて今年で10年になりますが、飲食業は日銭の商売で、毎日売上が入ってきます。そういう意味では、キャッシュフローは早いのですが、流行り廃りが激しい業界で、競合も多いです。飲食業の成功要因の大半は、良い立地に店舗を出せるか、にかかっています。競争が激しい好立地は資本力のある大手に取られてしまいます。良い物件の情報は、大手に流れていくからです。
また、飲食の売上には天井があり、席数や回転、営業時間と客単価に応じて業績が決まります。社員待遇も上げにくく、長期就労なので人材が定着しません。少ない資本でも立ち上げることができるのはメリットですが、粗利が高い業種ではないので、飲食業は長期でやっていくには厳しいビジネスだと痛感しました。そのような飲食業のビジネスモデルは、立ち上げた時点で理解していたので、不動産業のスタートダッシュとして飲食業を使ったというほうが大きいです。最初は飲食業をやりながら、早く不動産業界へ繋げていきたいと考えていました。
数あるFCの中からハウスドゥを選んだ理由
飲食業で実績を積み、資金も溜まり銀行との融資取引もできるようになった頃、飲食業を任せられる人材もいたので、そろそろ不動産事業に取り組んでいきたいと思いました。ずっと不動産事業をやりたいと思っていましたが、何から始めれば良いのか、その最初の一歩がわかりませんでした。車の販売と同じ流れで、イチからどこかの不動産会社に勤めて不動産業を学ぶということも一瞬考えました。しかし、独立したのが30代だったので、私が今からそれをするには時間が限られています。そのため、私にはFCに加盟するという選択肢しかなかったのです。FCに加盟するとコストはかかりますが、その分、時間と看板力を買うことができる費用対効果は大きいです。それを、自分たちが使わせていただけるのは、大きなメリットだと思いました。
FCに加盟すると決めて、ネットでFCの情報を集めました。実は、あるFCに狙いを定めて1年ほど検討してきましたが、ずっとモヤモヤしながら決断できずに約1年が過ぎました。その原因は、そのFCには直営店がないことでした。直営店がないので、ノウハウに納得感がない、未経験から成功できるイメージがわかないと感じたからです。また、他の加盟店との横のつながりが閉鎖的な印象もあり、自社での再現性に疑問を感じたことが決めきれない理由でした。今、振り返って思うのは、FCにはプロが加盟するFCと素人でもできるFCがあることです。その当時、そのFCから渡されたのは、厚さ5ミリ程度のマニュアル本でした。これがあればできます、大丈夫ですと言われたのですが、現実的に考えてこれではできないだろうと思っていました。いろいろ話を聞いても、腹落ちしない。やりたい気持ちはあるので何度も話を聞きに行くものの、結局は1年間決めることができませんでした。もし、あの時に納得しないまま、そのFCに加盟していたらどうなっていたのかなと思うことがあります。そんなモヤモヤを抱えていた時、地元の大先輩から「不動産業をやりたいって言っていたでしょ?」と、ハウスドゥに加盟しているオーナーさまをご紹介いただきました。そのオーナーさまは建築業から不動産業に参入し、すでにハウスドゥを4店舗展開していました。未経験からハウスドゥに加盟して実際に成功されている方で、出会った瞬間にその方の凄さを感じ取ることができ、その方が「ハウスドゥは良いよ」と言われるのだから間違いないと思いました。その出会いから1週間後に、ちょうど愛知県でハウスドゥの事業説明会があると知り、すぐにネットから申し込みました。実際に参加し、チェーン№1の説明に説得力を感じましたし、加盟店同士の交流もあることを知りました。ハウスドゥの営業部長が、実際に現場で経験したことも踏まえてお話しをしてくださいました。説明会の後もお時間を頂戴し、私が不安に感じていることを話しました。その方もハウスドゥの店舗にいらっしゃった方で、質問にひとつずつ丁寧にお答えいただき、そのまま気づけば1週間後には加盟契約を結ぶことが決まっていました。
不動産参入とFC加盟決断の捉え方と結果
全くの異業種である不動産業への参入に対して、社員たちに反対されることはありませんでした。もちろん、初期投資が必要となることは認識しておりましたので、私自身もすごく不安は大きかったのですが、私は「やらないリスク」というものもあると思っておりました。今があるのは7年前にそのリスクを回避して、やると決断したからこそだと思います。もちろん、やるリスクもありますが、あのまま何も「やらないリスク」の方が大きいと、自分の背中を押してくれたのだと思います。不動産業に参入を考えた一番大きな理由は、社員を守るためです。社員の未来を創りたいという思いがあり、決断できたのだと思います。
もし、仮に不動産事業に参入する前にコロナ禍を迎えていたならどうなっていたのかを考えますと、実際、飲食業はコロナ禍の影響が直撃しています。このような経験をしたのは初めてです。私が独立したのは、リーマンショック後の回復傾向にあった時期だったので、リーマンショックによる苦労は経験していません。今回のコロナ禍では、不動産業の柱を持っていなければ、皆さまの前でこのようにお話しできる状況ではなかったと思います。今、飲食業はそれなりにうまく回せるようになりましたが、会社を一つ大きく支えているのは、7年前に不動産事業に投資していた結果が出ているからです。ですから、事業の柱は1本でも2本でも多く持っておいた方が良いと思います。
オープン前後の状況について
1店舗目をオープンし、その後に2店舗目をオープンするまでは時間がかかりましたが、3店舗目のオープンはスムーズでした。弊社の直近6ヵ月(2021年7月~12月)の実績は、売上粗利1億2,000万円超えとなっております。営業は全体で14名、うち9名が1~2年目の社員で、そのような環境でこの数字を作っています。
オープンしたばかりの頃は、立ち上げ準備でやるべきことは、本当に多岐に渡ります。担当SVがいるので、いろいろと指導はしていただけますが、やはり一番大切なのは「誰がやるのか」という人の部分だと思います。そのためには、人材の選び方も重要になります。採用媒体は何を使うのか、その人をどうやって選ぶのか、人材が集まればどのように集客をしていくのか。不動産業は情報の商売だと思います。不動産に関する専門知識も必要ですが、やっぱり商品を提案するセールス力も必要です。また、店舗運営のためのマネジメントも必要になってきますので、最初はわからないことだらけでしたが、その中でハウスドゥに救われたと思うのは、エリア制を導入している点でした。加盟店ごとにエリア分けがしっかりしていたので、わからないことがあれば他の加盟店さまに積極的に質問させていただきました。立ち上げの苦労は皆さん経験されていらっしゃるので、質問をすると「これを使っているよ」とか、「うちのチラシを持っていきなよ」とか、本当に凄く親切にしてくださったので、ここまでやってこられたのだと思っています。これは、他社のFCにはない部分だったと思います。
また、加盟店同士が交流できる場が設けられ、ハウスドゥの代表である安藤社長の話を直接聞ける機会もありました。そのような環境の中でいつも思っていたのは、わからないことがあってもすぐに誰かに聞ける状態だけは作っておこうということで、私は、不動産は素人から始めるので、わからないことが出てくるのは当然の壁だと思う。だからこそわからない時にいつでも誰かに聞ける状態を作っておきたいと思っていたので、加盟店さまと会うたび、ひたすら名刺交換をして、わからないことを電話でお伺いしたり、店舗を見学させていただきました。もちろん、加盟店さまだけではなく、FC本部やSVさんにもお世話になり、直営店も見学させてもらいました。リアルな店舗を見に行くのが、一番の勉強になると思います。
成功の要因となる「エリア選定」
今、ハウスドゥで空きエリアが一番少ないのが愛知県です。私は愛知県豊田市出身で、実は清須市に縁もゆかりもありません。最初、エリアを決める時は、愛知県はもちろん、岐阜県、三重県にも探しに行きました。いろいろな候補地を見た中で、家から近いエリアもまだ空いていたのですが、私が意識していたのは、家からの距離ではなく、事業の成功でした。家からは近いが難しいエリアを選ぶくらいなら、家から遠くて通うことが大変でも成功確率が高いエリアを選びたい。その当時、私にはエリアの善し悪しはわからなかったので、他の加盟店さまにいろいろ聞いてみたり、担当SVに相談したりしながら、結果的に清須市を選びました。立ち上げの際、一番時間を使ったのはエリア選定だったと思います。
右も左もわからない清須市でオープンしましたが、正直3ヵ月~半年が経つ頃には、地元の豊田市より清須市に詳しくなったと思うくらいになっていました。地元にこだわらず、知らない土地だから出店場所として選んではいけないということは、あまり考えなくても良いかなと思っています。今後は、もっと県外にも出店していこうと思っています。
人材採用で大事にしていること
オープン準備で一番の肝となるのは、人材採用です。安藤社長もおっしゃっていますが、どんなに素晴らしい戦略をとっても、それをやる人がいなければ回っていきません。ハウスドゥの加盟店様の中でも、既存事業から人を回せるような会社ばかりではなく、立ち上げのために新規で人を採用しなければいけないことも必要な要素になると思います。私は、ここでの人材選びが重要になると考えております。弊社での採用は、面接は私が担当しています。私が大事にしているのは、チーム営業ができる人、協調性がある人です。不動産の営業は、個人プレーの印象がありますが、実はチームで動かしていくことが多いです。個人能力も必要な部分としてありますが、店舗としてどうやって機能していくかが重要ですので、協調性のある人のほうが大事だと考えています。
伸びていく人材の特徴としては、小さなことをコツコツとマメにやれる人が伸びていく印象です。どちらかといえば、マンパワーで走っていくタイプの人よりも、決められたことをきちっとやれる人、それを毎日必ず徹底してやれる人かどうか面接で判断させていただくようにしています。
採用に関しては、中途採用から始める会社が多いと思いますが、その中でも特に営業職の募集に関しては「稼ぎたい」という目的の応募者が一番多いと思います。しかし、稼ぎたいと言う割には、お客さまの前でのパフォーマンスは素晴らしいが、小さなことをコツコツとマメにできそうにない人がいます。それだと店舗運営に支障が出てしまうので注意が必要です。その判断は面接だけでは難しいので、当社ではFC本部が推奨している適正検査を活用させていただいております。私は、1年目で1,000万円を売れるようになれば合格です。もちろん1年目で2,000万円売れたら二重丸ですが、ひとまずは1年目で1,000万円売れる人材を何人も育てることができれば、それで二重丸だと思います。そのためにも入社した時に、「1,000万円を目指そうね」ということは、ちゃんと伝えておいたほうが良いと思います。適正検査は、当社でも一次面接を通過した人たちに、二次面接で必ず受けていただくようにしています。相当数の適正検査の結果を見てきました。入社した社員の結果も「どんな結果だったかな」と後から振り返るなどして、実際にどんな結果が出るのかを研究しています。これは、不動産業だけではなく、飲食業の採用にも使わせてもらっています。そして、当社では協調性や素直さなどを数値で見るようにしています。とても正確に出ますが、もちろん例外もあるので、お会いした時のインスピレーションも大事にしながら、この適正検査を活用されてもいいのではないかと思います。
ノウハウを実践できる範囲に絞る
店舗を展開するうえで大事なのは、やはりエリア選定だと思います。弱者でも戦いやすいエリアを選ぶことが大事で、私も未経験からのスタートだったのですが、その場合は何も武器がない状態から始めていくことになります。他のFCで加盟を検討していた時は、出店場所として名古屋の中心地を「このエリアは売れますよ」と勧められました。確かに売れるのかもしれませんが、不動産は反響が全てなので、どんなに良いエリアで、どんなに良いマーケットであっても、競合が強すぎて反響が取れなかったら何にもなりません。反響が取りやすい、武器がなくても戦っていけるエリアを選定していくことです。そして、エリアを絞ることも大事です。清須市は、今は約3万4,000世帯ですが、加盟当時は2万5,000世帯でした。商圏が小さいと思うかもしれませんが、オープンした当時はその2万5,000世帯をさらに1万世帯まで、全世帯の約半分まで小さく絞ることで集中してやっていました。地域のこともわからず、不動産業としての動きもまだわからない状況なので、最初はやれることも限られています。実際にやりながら学んでいく中で、やれることを絞っていくことにしました。それは、エリアはもちろん、行う作業についても絞っていくということです。このような助言も、他の加盟店様からいただき、それを実践しながら2年くらいかけて対象エリアを広げていきました。最初から全てをやるよりもやれることを絞り、その絞ったことを徹底してやっていくことが重要だと思います。
ロープレの反復練習
ありがたいことに、ハウスドゥの認知度が高く、オープンしてすぐにお客様が流れ込んできました。ただ、お客様は「ハウスドゥに行けば、そこには不動産のプロがいる」と思っています。そんなお客様といざ接する時に自分が困らないよう、初回面談や資金計画に関するロープレを何度も練習しました。自社ではもちろんですが、他の加盟店様の店舗にもお伺いして、ロープレを一緒にやっていただいたこともあります。どのような初回面談をしているのかということを、ロープレを実践する中で一緒に学ばせていただくのですが、オープン当初はそれをひたすら行っていました。
「新着物件は即てまき&即紹介」
私は、これがハウスドゥの原点だと思っているのですが、「新着物件は即てまき&即紹介」という言葉を、毎朝朝礼で唱和しています。不動産は、情報を取り扱うビジネスです。その情報を、いかに早くお客様に伝えられるかが肝になり、これをどれだけ徹底できるかが成功の要因となります。営業は業務の中で、ここにどれだけの時間をかけられるかがポイントになります。追客に関しては、安藤社長の言葉が全てだと思います。それは、「反響顧客は2年以内に、90%がどこかで買っている」という言葉で、これが不動産業の答えだとも思います。これは、2年間お客様をしっかりフォローし、常にお客様に張り付いていたなら、90%は契約できるということなのです。それは、実際に業務をしている中で証明されていると思います。その答えを私たちが実際に何度も経験していますので、これは本当に名言だと思います。営業は、どうしても目先の顧客、反応が良いお客様を追いかけてしまいがちです。2年間しっかりお客様を追客できるかが成功の要因であり、「新着情報は即てまき&即紹介」を実践し、新規物件が出てきたら紹介し続けられるかどうかが、良い営業かどうかのポイントになると思います。
ノウハウを忠実に実践し続けることが重要
不動産業を始めて、自分である程度できるようになると我流が出てくるようになり、ちょっとハウスドゥのノウハウからズレてしまう、そんな時期が私にもありました。自分なりのやり方でやりたくなって、それで実際に数字が落ちてしまうという経験もしました。これまで7年間やってきて、やっぱりハウスドゥが言っていることが正しいという結論に至り、今またハウスドゥのノウハウを忠実に実践しているところです。社員も、2~3年目になると「こっちのほうが良いのではないか」と言い出すのですが、私自身が一周してハウスドゥのノウハウが正しいという結論に達していますので、いろいろやりすぎるのではなく、大事なポイントをどれだけ徹底してコツコツやっていけるかだと、社員に伝えています。
初期投資の捉え方
初期投資3,000万円に対して、これを大きいと感じるか感じないかは各企業によって違うと思いますが、初期投資のほとんどが運転資金だと思っていただいて良いと思います。飲食業と違うなと思うのは、飲食業はお店を構えるまでにお金がかかりますが、オープンすれば日銭が入ってきます。しかし、不動産業はオープンして、例えすぐに契約が決まっても、入金は1ヶ月後になります。そういった意味での運転資金として3,000万円くらいはかかるのが現実だと思います。この3,000万円をどう捉えるかが重要であって、飲食業は「ミドルリスク・ローリターン」のビジネスモデルです。最初の初期コストが大きく、それを小さな粗利で回収していきます。不動産業は「ミドルリスク・ミドルリターン」で、そこからハイリターンに持っていくこともできます。ただ、投資しなければリターンは返ってきません。つまり、小さな投資だと小さなリターンしか戻ってきません。私は、3,000万円の初期投資にその価値があると思っていたので、そこに対する抵抗はありませんでした。逆に、飲食業だと仕入れや原価がかかってきますが、不動産業は情報を扱っており、その情報に関するコストは0円なので、そこはかなり身軽にできたと感じています。そして、初期投資の3,000万円を回収したのは、オープンから1年半でした。これが飲食業だったなら、1年半での回収は難しかったと思っています。しかし、いきなり拡げてしまうと、必要な運転資金も大きくなってしまうので、なるべく運転資金を小さくするためにも、小さく絞ってやっていくことを意識しました。ただし、広告は凄く大事なので、お金をかけることです。広告費を絞ってしまう人もいますが、使うところは使う、メリハリと言いますか、そこに投資する覚悟が大事です。逆に、中途半端に投資をしてしまうと、無駄なコストになりかねません。
ハウスドゥの活用方法
ハウスドゥのイメージキャラクターである古田敦也さんの効果は大きいです。お店がオープンして、最初に売却希望のお客様とご契約した際も、その方は古田さんのチラシを持って来店されました。家を売却したいお客様は、年齢層が高い方が多いです。そのような方々に、古田さんは印象が良く、認知度も高いと感じました。ハウスドゥが、ここまでイメージキャラクターを古田さんから変えずに来ていますので、今後も変えてほしくないと思います。よくイメージキャラクターを変えてしまう企業さんがありますが、ここを変えないという判断は、さすが安藤社長だなと思います。ここまでずっと変えなかったことで、しっかりイメージが浸透していますし、私たちが加盟した7年前よりも、ハウスドゥと古田さんのイメージが、かなり強くなっていることを加盟店として実感しています。古田さんを起用したくても、中小企業1社で古田さんを使わせてもらえるわけがないので、この効果を少しの費用で使わせていただけるメリットは大きいと思います。集客はもちろん、採用や他社への企業イメージなど、いろいろなところに影響してきますので、古田さんのイメージを使わせていただけるのは、武器になると思います。
直営店から生まれたノウハウ
ハウスドゥに加盟した大きなメリットは、直営店から生み出される実践的な戦略の活用だと思います。私も、よく直営店に行かせていただきますが、実際の営業現場で生まれたアイテムやアイデアを使って、いろいろな商品やサービスが開発されており、それを加盟店に提供してくれているのだなと感じます。加盟店としては、その武器が活用できる状態をつくってもらっており、これは他のFCではなかなかできないことだと思います。やはり直営店があってこそだと思います。これを使わない手はないですし、どんどん活用させてもらっています。直営店があるのは重要で、よく不動産コンサルなどもありますが、その大半が理屈というか机上の空論であり、実際に運用されている中で生まれた説得力には敵わないと思います。
加盟店との情報共有と交流
ハウスドゥは、他の加盟店様と交流できる関係性があり、私はそれが大きいと思います。今はコロナ禍ですので、他の加盟店様と会える機会が減りました。しかし、成功事例共有会など、加盟店同士が情報共有できる環境があるのはありがたいことです。愛知県は、ハウスドゥの加盟店が最も多いエリアです。実は同じハウスドゥの店舗が一番のライバルというか、逆に近くに他社さんのお店ができても何とも思いませんが、ハウスドゥのお店が近くにできるとなれば、それが一番手強いのではないかと思います。今後も加盟店同士で情報共有をして、さらに刺激を与えあえる関係が築けたら良いなと思います。
ハウスドゥの営業ツールを活用
直営店の社員が実際に現場で使っていたものを、システム化して加盟店にも提供してくれています。
「DO TOUCH BOX」は、タブレットにアプリを入れて使う営業ツールです。昔は、「アプローチブック」という冊子を使っていましたが、今は本部がつくってくれたこのアプリを見ながら提案できるようになっています。この「DO TOUCH BOX」を一通り話せる形を作っておければ、未経験の方でもやっていける仕組みになっています。これを使うことで重要なのは、お客さまへの伝え漏れがなくなり、その都度的な営業が減っていきます。特に、未経験から始める方には武器になるツールだと思います。しっかり営業の型が出来あがっていきますし、どのお客様に関しても重要な要素をこぼすことがないよう、ページをめくっていけば一通り重要な要素がお伝えできるものになっています。1年目の社員は、本部で開催している初期研修がありますが、「DO TOUCH BOX」を徹底できることが、研修期間の一つの目標としてやってもらっています。特に、未経験から始める方には武器になるツールだと思います。これは、7年前にはなかったシステムなので、これがあったらもう少し楽だったかもしれないなと思います。
あと、「DO TOUCH BOX」の売り方ガイドも売却の時に使っています。売却の提案はなかなか難しいのですが、これも「DO TOUCH BOX」に沿って説明していくことで、重要な要素をしっかり説明できるようになっています。
また、昔は紙で一枚ずつ出していた物件資料ですが、今は「DO TOUCH MAP」の地図上にある物件を一気に見ることができるので、これも伝え漏れ防止に便利です。紙で物件情報を出すと、どうしても営業の好みで出してしまうところがあり、それによって伝え漏れが起こり、伝えていなかった物件で他社に決められてしまうこともあります。それを防ぐためにも、ここにどんな物件があるのかというのを地図で確認できる「DO TOUCH MAP」は使えます。物件を探す際に、ある程度は地域を絞って探す方が多いのですが、自分が見た中から選択していけるというプロセスがつくれるのは大きいです。「DO TOUCH MAP」は、過去の成約事例を見ることもできます。これにより、お客様の目線をつくっていくことができますし、その価格が相場と比べてどうなのかは、お客様だけでは簡単に判断することはできません。また、「DO TOUCH MAP」があれば、その辺の物件がそんなに出ないということも伝えやすいです。まだ、どこの不動産屋さんでも、間取り図が掲載されている紙を見せているだけのところが多いですが、「DO TOUCH MAP」は地図と連携していて、現地の状況を見ることもできるので、使い勝手がいいです。
そして、かなり使えるのが「Life Plan DO」です。当社でも、以前は違う資金計画のソフトを使っていましたが、それが難しくて、1~2年目のスタッフでは使いこなせないという難点がありました。「Life Plan DO」がリリースされて実際に使ってみると、これは1年目の社員でも使えるようにと開発してくれたのだなと感じます。初回面談・仲介業では、この資金計画がかなり重要な提案となります。資金計画の知識が全てだと言っても過言ではないと思いますが、それを見やすく、直感的に捉えられるようにしてくれているソフトです。お客様は、「家は欲しいけど、本当に買っていいのか」「本当に、ローンを払いきれるのだろうか」という不安があり、中には「不動産会社に騙されていないだろうか」と思うお客様もいる中で、その不安を一つひとつ取り除いてあげることが、今の不動産屋に求められていることだと思います。それを解決していくためには、キャリアや技術が大事だと思いますが、それを入社したばかりの新人でも、ムラなく平均的なレベルまで持っていってくれるのが、「Life Plan DO」だと思います。これらのシステムを活用させていただき、反復練習をすることで、成功スピードはかなり速まっていきます。
現在の取り組みと展望
現在、当社の社員数は40名で、昨年は「労働環境の整備」「組織の習慣形成」に取り組んできました。店舗運営は、チームプレイです。いろいろな価値観を持った人たちが集まってきていますので、それをしっかり一つの目的に向かうための力に変えていこう、当たり前のことを当たり前にできる環境づくりが必要だと感じました。昨年は、労働環境の整備として働き方の改善にも、かなり力を入れて取り組んだ1年でした。
今年は、さらに営業力の向上を目指します。先に営業力ではなく、まずは組織としての骨格を作ってから、そこに営業力の向上によって技術を乗っけていけたらと思います。営業力だけで走ってしまう人もいましが、それでは崩壊してしまうのではないかと、思います。売れる人間ばかりを求めてきた結果、私は自分の会社を崩しかけたことがありました。その経験からも、まずは組織として、会社として何を目指していくのか。会社として守っていきたい部分、目指していく方向を決めてから、次に技術的な部分を乗せていくことが大事だと思います。やっぱり、小さなことをコツコツできない会社に、大きなことはできません。そこで、まずは組織と人の習慣形成を、そして今年からは営業力の向上を目指すことで、技術を一つ上にあげていきたいです。
目指すのは、曖昧さをなくすこと。この曖昧さというのは、会社としての曖昧さです。曖昧さをなくし、当たり前のことを当たり前にできる会社にしていく。これが、組織習慣であると考えています。弊社は、この先100年企業を目指していこうと思います。ビジョンは、「小さくても存在価値のある強い組織づくり」で、強い組織になれば何でもやっていけるはずです。今後も、不動産業を通して、会社づくりの勉強もさせていただきたいと思います。
今後の展望としては、2022年度としては3店舗ですが、来年末までに3店舗増やし、売上高25億円を目指します。さらに、2025年までに10店舗まで増やして、売上高50億円を目指します。これは、決してできない数字ではないと思います。ここで重要になるのはエリアです。どれだけ良いエリアを獲れるのかだと思いますし、新規加盟店様も増えてきているので、私たちも急いで良いエリアを獲っていかなければいけません。自社でやられている不動産屋さんもありますが、私はやっぱりハウスドゥで10店舗にしたいと思います。今後もハウスドゥは伸びていくと思いますし、やはり強いです。他社さんと比較しても、ハウスドゥのノウハウは凄いと感じていますし、直営店で新たに生まれるノウハウも必要ですが、やっぱり安藤社長が実際に営業しながらたたき上げてきた会社の強さだと思うので、今後もハウスドゥについていきたいと思います。
ハウスドゥの加盟店様の中には、複数の店舗を持っていらっしゃる会社が多いのですが、他のFCでは1店舗に集中している会社が多いという印象です。これだけ店舗展開していくオーナー様が多いFCであることは、FC選びのポイントでもあると思います。店舗展開をするとリスクもあり、もちろん1店舗で固めてやったほうがリスクは少ないです。それでもやられているオーナー様が多いのは、そこに成功の要因があるということですし、私はまだまだ伸びていくと思います。
今後の不動産業界について
これから不動産業界で勝ち残っていくためには、「地域一番店は選ばれ続ける」「地域密着で付帯収益を仲介手数料に上積み」「1組のお客様を中長期的に」という点がポイントになると思います。
地域密着戦略に関しては、安藤社長もよく地域一番店は残る、選ばれ続けるとおっしゃっています。ハウスドゥの加盟店が、それぞれの地域で一番店となることが、ハウスドゥのビジョンだと思います。
そして、不動産業をすればするほど、1件の契約にどれだけの売上を上積みできるのかというフェーズが出てきます。仲介を1件決めて、そこから、2階、3階へと売上を積み上げていくのが、不動産営業の技術だと思います。これに関しては、他の加盟店様に教えていただき、または業者さんを紹介していただくなどしながら、一つの契約にいろいろなサービスを付けていく環境を整えてきました。売買仲介は不動産取引の中心にあるもので、そこからいろいろな売上に繋げていくことができます。2年以内に90%の方がどこかで何かを買っているという原点を忘れず、着実に売上を作っていけたらと思います。
デジタル化(DX)への対応とネットワーク(連携)の活用
不動産もデジタルシフトしており、最近では「不動産テック」という言葉も使われています。不動産業界でもデジタル化のスピードが速くなり、今後もかなり速い段階で進んでいくと言われています。これも、小さい会社だけではできないことが多々あります。その部分に関しては、ハウスドゥが中小ではなかなかできないようなITへの投資をしてくれているので、これも大きな強みだと思います。
また、ここからは数の勝負で、ハウスドゥがどれだけエリアを押さえていけるのか、私たちがどれだけ地域一番店となっていけるかで、相乗効果も変わってくると思います。全体で戦っていける部分と、各々で戦っていく部分があると思います。加盟店が増えれば、本部はもっといろいろなことに投資してくれると思います。そして、システムやサービスも充実していくと思うので、そういった部分も活用しながら、各エリアで戦っていけたらいいなと思います。
最後に、やはり複数の事業の柱を持つことが大事であると、今はそれを強く感じています。今後は、新しい事業の柱を増やすことも視野に入れ、不動産業としてはハウスドゥで10店舗を展開し、不動産業に繋がる事業もさらに増やしていけたらと思います。(2022年3月)
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