加盟5年目で仲介売上1億3千万円突破! 不動産ディベロッパーのフランチャイズ活用術
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リオン不動産株式会社とは?
弊社は、2018年にハウスドゥに加盟し、現在6年目を迎えています。店舗は東京都江戸川区の新小岩駅南口に位置し、賑わう商店街の中心付近に構えています。商圏は約3万3,000世帯で、大手も含め競合が多いエリアです。仲介単価は100万~150万円、物件価格は3,000万~6,000万円が中心です。このような市場で、営業スタッフ6名とサポートスタッフ9名の計15名がチーム一丸となり業務に取り組んでいます。
店長は社歴7年で、不動産未経験からスタートしたスタッフで、マネージャーは29歳で入社し、大手仲介会社での経験を活かして現在は仕入れ業務を担当しています。他の営業スタッフ4名は全員が不動産業未経験から入社し、社歴1~4年のメンバーで構成されています。仕入れ業務については相場観や迅速な判断力が求められるため経験者が担当していますが、その他の営業スタッフは未経験者を積極的に採用し、社内で育成する方針を取っています。サポートスタッフの体制も充実しており、現在9名が営業活動を強力にバックアップしています。オープン当初はサポートスタッフが2名体制でしたが、営業が本来の業務に集中できる環境を整えるため、サポートスタッフを増員しました。サポートスタッフはアポ取りや初回の電話対応、顧客のヒアリングなど、営業活動に直結する業務も担当しています。また、物件撮影やポータルサイトの入力業務はアルバイトが担当しており、効率的な役割分担を行っております。
不動産売買仲介業への参入の理由
私が起業したのは2015年6月のことです。当初は土地を購入して建物を建て、入居者を募る不動産開発を手掛けていました。その中で最初に取り組んだのがシェアハウスの開発でした。当時はテレビ番組の影響や、女性専用シェアハウスの急成長などもあり、シェアハウス市場が盛り上がりをみせていました。利回りが良く「これは儲かりそうだ」と考えて事業を始めました。最初は自社でシェアハウスを数件開発し、その後、投資家や個人の大家さんを募ってフランチャイズ展開を目指しました。ところが、2017年頃、女性専用シェアハウスの問題が社会問題化し、銀行がシェアハウス事業への融資を控えるようになりました。その影響で、シェアハウス事業での成長が難しくなりました。
当社のシェアハウス事業自体は利益を生んでいましたが、安定的に売上を伸ばすためには新たな収益の柱が必要だと判断し、仲介事業への参入を決断しました。仲介は未経験の分野でしたが、不動産開発で土地の仕入れを行う際、仲介会社から情報を得る機会が多くありました。この経験を通じて、仲介事業が不動産情報の上流にアクセスする上で非常に重要な役割を果たすと感じていました。不動産開発において、仕入れは事業の根幹をなす部分ですが、物件情報は仲介会社が持つものに頼ることが多々ありました。また当社が直接地主さまに売却交渉をしてもなかなかうまくはいきませんでした。この経験を踏まえ、仲介事業を展開すれば、上流情報へのアクセスを自社内で確保できるようになるという考えを持ちました。
ハウスドゥを選んだ理由は?
大学時代から株式投資を行っていた中で、当時のハウスドゥの株価が急成長していたことに興味を持ったことがきっかけでした。複数社を検討する中でも、ハウスドゥの勢いに惹かれました。また「ハウスドゥ 小岩駅前」が全国でも有数の成功店舗であると聞き、新小岩でも同じように成果が出せると感じました。また、他のフランチャイズが「看板を貸す」というスタンスだったのに対し、ハウスドゥは「ノウハウを共有し、一緒に取り組む」という方針を掲げており、未経験者の私にとって心強いものでした。この手厚い支援体制が、ハウスドゥを選んだ大きな理由です。
不動産仲介業は初めての挑戦でしたが、未知のビジネスに取り組む楽しさと成功させたいという意志でスタートしました。
オープン後の実績は?
年間仲介売上は初年度が約1,500万円でしたが、稼働していない期間も含む結果です。その後、2年目で4,000万円、3年目で8,000万円、4年目には1億円を達成。そして、5年目は1億3,340万円と着実に成長し、当初と比べると9倍以上の売上となっています。そして今年は1億7,000万~8,000万円に達する見込みです。
直近では年間仲介件数が110件で、買取再販では7件の取引で利益4,000万円を上げています。再販の主力はマンションで、ネット反響は売りも買いも月平均60件ほどです。まだ満足はしていませんが、着実に成長を続けています。
エリア選定
新小岩を選んだ理由として、まず「ハウスドゥ 小岩駅前」の成功事例があり、マーケット的に近いことから、新小岩でも同様にうまくいくだろうとは考えました。また、私自身が新小岩出身で、生まれ育った地元で事業を成功させたいという思いもありました。他にも理由はありますが、エリア特性をよく知っていることや、再現性が高そうだと感じたことが決め手となりました。さらに、このエリアはハウスドゥだけでなく、大手の競合も多く出店している地域です。競争は激しいものの、それだけマーケットの需要があることを示しており「おこぼれを拾うくらいの気持ちで始めればいけるだろう」と考えたのが正直なところです。
立ち上げ時のポイント
立ち上げ当初は、SV(スーパーバイザー)から多くのノウハウを教わり、それを一つ一つ実践していきました。具体的には、チラシの作成や新聞折り込み、さらにネット広告の活用など、あらゆる集客施策をすべて試しました。それぞれの取り組みが自社に適しているか、またスタッフがその方法で成果を出せるかどうかを慎重に見極めながら進めてきました。
オープン直後は地域密着を目指し、ポスティングを中心に集客を実施。折込みチラシを含め、毎月約2万4,000~2万5,000枚を配布。表面には「買い集客」、裏面には「売り集客」の内容を掲載しましたが、結果は月に2~3件の反響が得られる程度で、大手企業の物量に圧倒されていました。熱意のある反響から契約に繋がることもありましたが、成果は限定的でした。
ポスティングを専任で担当するため、シルバー人材センターから70代のパートスタッフを雇用し、配布体制を整えましたが、開始から約3ヵ月後には集客方法の見直しを検討。タイミング良く参加したオーナー勉強会で「仲介は元付けを取らないと話にならない」という先輩方のアドバイスを受け、売却希望者をターゲットにした集客の方向転換をしました。そこで一括査定サイトを活用し、約100万円の費用をかけて月60~70件の反響を得ることに成功しました。しかし当時の営業力では媒介契約の獲得率が約5%と低く、現在の10%と比較するとまだまだ改善の余地がありました。さらに、オープンから1年3ヵ月が経過した時点で、戦略を「買い客の集客」に特化。過去の費用や時間の配分を見直し、効率的な運営を目指しました。この切り替え後の反響は月30~40件程度となり、徐々に成果が安定してきました。
組織の仕組み化
事業拡大を目指す中で、売上向上だけでなく、人事評価制度や役職制度といった組織の仕組みづくりにも注力してきました。特に重要視したのは、社員が動きやすく、自然と成果を出せる仕組みの設計です。例えば、インセンティブ制度の導入や、ポータルサイト運営チームのような事務職にも明確な目標を設定。それぞれの達成度に応じて昇給を行う仕組みを整備しました。これにより、社員一人ひとりの成長を会社の成長とリンクさせることを目指しています。
職種や役職ごとに異なる評価基準を設計することで、全社員が公平にやりがいを持って働ける環境を提供。また、売上が上がることで社員のモチベーションが向上し、結果的に離職率の低下にもつながると実感しています。
現在の状況
現在は「売り」と「買い」の両方に力を入れる戦略を採用しています。当初、一括査定サイトによる反響からの契約率が5~6%と低迷しており、一度は停止しました。現在は再び活用を開始しています。買い集客に依存すると広告費が膨らみ、負担が増加するため、自社媒介物件の増加が必要だと判断し、再び活用を開始しました。再開時には以前とは異なる媒体やアプローチを試行。反響数等やアポ件数、契約獲得件数は常に集計し、常にどのサービスがいいかを模索しています。ポータルサイトでの掲載物件は主に借り物が中心です。たとえばホームズでは、約500件を掲載している一方、自社の媒介物件や保有物件は約20件と少数です。ホームズに注力する理由は、大量の物件を並べることで広範囲にお客さまをキャッチできる点にあります。また、成功課金型で、反響単価が1万5,000円から2万円程度と抑えられる点も大きなメリットです。一方、SUUMOのような媒体課金型は、オプション費用を含めた広告費もあり、特に大手が多額の予算を投入しているため、競争が激しい現状では活用を抑えています。ホームズを中心に据えつつ、自社保有物件や預かり物件を効果的に掲載する戦略を展開しています。
反響獲得に向けた取り組み
当店の強みは店頭集客にあります。月に約30件の反響を得られています。また、集客業務には細かな基準を設け、効率的な運用を心がけています。たとえば、ポータルサイトの反響では、月間や年間の目標CPAを設定し、それに基づいて着実に成果を上げています。店頭での呼び込みとポータルサイトからの反響を加えると月に90~100件に達することもあり、非常に活発な状況です。
人材採用について
立ち上げ当初は5名でスタートしましたが、現在では15名に増員しています。最初は業界未経験で何をすればよいか分からない状態だったため、経験豊富なエージェントや事務スタッフを中心に採用しました。早期立ち上げを目指して経験者を迎えましたが、前職での慣習や独自のやり方を持ち込むことが多く、SV(スーパーバイザー)から教わったハウスドゥのノウハウと食い違う場面もありました。そのため、私の力不足もありますが、組織として同じ方向性を共有することが難しい状況も発生しました。採用は当社で最も重視している投資分野です。不動産仲介業では大きな設備投資が必要ない分、人材採用に資金を積極的に投じています。求人広告の担当とも信頼関係を構築し、有効な求人媒体の選定や、求人の打ち出し方を工夫してきました。以前は求人広告に約40万円を投入して2~3ヵ月で100名の応募が来たこともあります。特に注力しているのは未経験者の採用で、ハウスドゥのノウハウを素直に実行できる人材を集め、会社の文化や方向性に馴染むよう努めています。既存の価値観に囚われず、柔軟に吸収できる人材を迎えることを重視しています。
今後の人材採用方針について
弊社では「人柄採用」を基本方針としています。不動産業界では自己主張が強いタイプの方も多いですが、穏やかで優しい雰囲気の方を重視しています。実際、社員同士も落ち着いた性格の人が多く、自然と社風にマッチする人材を採用するよう心がけています。また弊社の行動指針として「自分が話すよりお客さまの話を聞こう」という姿勢を掲げており、自己主張より人の話をちゃんと聞けるということを重視します。採用後、売反響を任せるかどうかは人によります。基準は不明確になりますがフィーリングと言わざるを得ません。買反響は人の話をちゃんと聞けて、頭が回転すれば再現性が確保できると考えています。売りはどうしてもお客さまの心をつかむことが必要で、それは個人のスキルですよね。そういう人は面接の際、逆に私が心をつかまれそうになる感じです。そういった基準で売反響を任せる人材を選定しています。
育成のポイントについて
人材採用と同様に、育成にも積極的に取り組んでいます。利益を追求するだけでなく、人材の教育が重要だと考えています。そのため、外部セミナーやハウスドゥの提供する研修を積極的に活用しています。特に、未経験者向けの導入研修は非常に有益で、初期段階のスキル習得に役立っています。また、営業向けの研修にも参加させるなど、成長を支える教育環境を整えています。
さらに、職場環境の整備にも注力しています。例えば、モニターを複数設置することで作業効率を高めたり、職場で快適に過ごせるよう音楽や香りにも気を配るなど、細部にわたる工夫を行っています。これにより、社員が仕事に集中できる環境づくりを心がけています。
ハウスドゥの活用方法
ハウスドゥを活用する際、特に買い集客に関しては、本部から提供される多くのノウハウを自社のスタイルに合わせてカスタマイズしながら取り入れています。また、ブランド力や信用力の面でも大きな恩恵を受けています。全国に数百店舗を展開しているハウスドゥの認知度や、イメージキャラクターの古田敦也さんを起用した広告の影響で、信頼性が向上していると実感しています。反響対応については、仕組み化を進めることで効率化を図っています。例えば、ネット広告を通じて反響を獲得し、営業が対応すべき部分と営業事務が担当する部分を明確に分けることで効率化をしています。初期対応や事務作業は営業事務が担当し、重要な商談やクロージングは営業が行うといった役割分担を徹底しています。さらに、スタッフの定着も成長の大きな要因です。ハウスドゥの看板が求職者に対して好印象を与えており、採用活動にもプラスに働いていると感じます。自社単独では得られない信頼感を補完できる点は非常にありがたいです。また、ハウス・リースバックは「ハウスドゥ=リースバック」という認知が進んでおり、これを積極的に活用しています。店頭でリースバックを大々的に打ち出すことで、飛び込みのお客さまが年間数名いらっしゃいます。このサービスでは本部の担当部署に案件を委託することで収益を確保できます。さまざまなメリットを考えると月々のロイヤリティ支払いも十分に賄えています。
SV(スーパーバイザー)の活用
オープン当初、未経験から不動産仲介業に参入したので、SVの指導を基本にしっかりと学び進める方針でスタートしました。ただ、当時経験者のスタッフの中には「SVの指示には従えない」といった声もあり、その対応に苦労したこともありました。それでも、振り返ってみると、最初から素直にSVのアドバイスに従って進めていれば、もっと早く成功へと近づけたと感じています。SVの活用は、成功の近道だと実感しています。
加盟店同士の繋がり
経営者は従業員と接していても、立場の違いから孤独を感じることがあります。だからこそ、同じ境遇で同じ立場の仲間がいることは非常に心強いものです。ハウスドゥの加盟店オーナーの皆さまは本当に素晴らしい方ばかりで、成功事例やノウハウをすごく共有してくださるのが印象的です。こうした交流や情報共有は、フランチャイズチェーンの大きな魅力だと感じています。
今後の展望
会社を大きくすることは、社員にとっても会社全体にとっても最も重要だと考えています。日々の運営の中でさまざまな問題が発生しますが、その多くは会社の拡大によって解決できると感じています。そういった意味でも、成長を続けていきたいと思っています。今年の売上は約7~8億円を見込んでおり、来年は10周年を迎えます。この節目の年に、売上10億円・利益1億円を目標とし、さらには20億円、30億円と拡大を目指します。これからフランチャイズを検討される方には、まずは行動を起こしてみることをお勧めします。やってみる中で初めて見える課題や悩みもあると思いますが、経験を積むことで前進できると信じています。(2024年10月)
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※掲載されている内容(撮影情報、会社情報、役職など)は、取材時点のものです。
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