建築・リフォーム業の常識がプラスに転じる不動産売買仲介業とは
Contents
株式会社ONA不動産販売について
株式会社ONA不動産販売の母体は、株式会社ONAで、先代である父が1985年に創業した会社です。事業内容は、リフォーム業と設計をしており、元々は設計会社でした。私は、その会社に設計士として就職しました。その後、別の会社で現場監督の経験を積み、さらに転職してリフォームの営業を経験し、株式会社ONAに戻ってきました。当社は、9年前からリフォーム元請業に注力し、下請けと元請けの両軸で運営していましたが、2021年には法人化して、100%リフォーム元請業に移行する形で業態変更をしました。ハウスドゥに加盟したのは、2022年11月で、翌年の2023年4月に岐阜県で「ハウスドゥ 岐阜長良」をオープンしました。商圏は、岐阜県岐阜市で人口は約40万人、世帯数18万6,000世帯、平均仲介単価は約55万円です。競合は、大手不動産会社もありますが、地場の大手と呼ばれている不動産会社のほうが多いです。今はまだオープンから2ヶ月ですが、スタッフは代表取締役の私と店長、あとはサポートスタッフの計3名でスタートしております。
リフォーム業界の課題
リフォーム業の課題として、集客・粗利率・成約率があります。
【集客】集客に関しては、差別化が難しく、直接エンドユーザーと呼ばれるお客さまを集客することは大変なことです。仮に獲得できても、結構な費用がかかってしまいます。リフォーム会社として集客をかけると、持ち家の人しか集客できず、リフォーム会社同士の競争が熾烈になってしまいます。不動産購入のタイミングでお問い合わせをいただくこともありますが、見積もりを出すばかりで、なかなか成約には至りません。また、紹介顧客さまは年々減衰しています。世代を追うごとに、OBや既存の顧客さまからの紹介やリピート案件は減っており、これは他社も同じだと思いますが、100%の完璧なサービスを提供しても、年2割ぐらい減少していっている印象で、逆に年2割以上の新規顧客を集客し続けていかなければいけません。紹介顧客100%で経営を続けると、年2割ずつ売上が減少していくだろうという危機感がありました。
【粗利率】下請けで高粗利を実現することは難しいです。ある程度の粗利率が確保できても、まとまった粗利額を確保しようと思えば、下請けでは難しいと思います。逆に、元請けでは、価格競争が激しくなります。リフォーム会社同士でバッティングするような集客経路の場合、リフォーム会社と見積もりの出し合いになってしまいますし、大手がマニュアル化しやすいお風呂・キッチンなどの単体工事は、大手と仕入れ値合戦のようになってしまうので、粗利率の確保は難しいのが現状でした。
【成約率】粗利率をある程度確保しながら成約することは難しいですが、粗利率を犠牲にして成約率を無理やり上げようとすると、営業や職人に負担をかけることになるので、今までと同じ利益を出そうと思えば、かなりの量をこなさなくてはいけなくなってしまい、現実的ではないと思っています。競合が少ない大規模リフォームを狙うことは、これが唯一粗利率を確保しながら成約率も上げられる方法だとは思うのですが、それだけを狙うと2~3年では営業が育ちません。営業が契約を取れるようになるまで、人材教育にかなりの時間がかかります。それに、大規模リフォームですので、外壁、屋根、外構に至るまでフル改装して1,000万~1,500万円のご提案となれば、営業は現場監督並みの知識が求められますので、なかなか育成するのが難しいです。
不動産参入とハウスドゥ加盟の背景
当社の従業員が宅建資格を保有していたので、リフォームの課題である集客・粗利・成約率を改善するために不動産×リフォーム業のシナジーに期待して、宅建業免許を取得して不動産業に参入いたしました。しかし、宅建資格がりましたが、実際の不動産経験はなく、不動産を買いたい・売りたいお客さまをどう集客すればいいのか、全くわからない状態でした。集客ができないので、結果も出ない。そんな状態が続き、このまま進めていくのも無理があると感じたので、仕組みがあるフランチャイズへの加盟を検討するようになりました。
ハウスドゥに注目した理由は、まずはブランド力でした。全国に約700店舗あるというハウスドゥの認知度は、当社が拠点を置く岐阜県岐阜市では90%以上で、これはかなり魅力だと感じました。そして、2番目の理由として、実務から生まれた不動産売買のノウハウがあることです。当社には、実務のノウハウが全くない状態だったので、実際に直営店が実績を出し、さらに異業種から参入して成功事例を出している加盟店さまの実績も見て、このノウハウを提供していただけることは、これもかなり魅力的だと思いました。3番目の理由は、タイミングですね。岐阜市には、ハウスドゥの店舗がたくさんあり、出店できるエリアがなくて思うように出店できない状態だったのですが、偶然にも希望のエリアが空くことになったので、そこで決断いたしました。
オープン直後に実感したシナジー効果
オープン後の状況は、オープン直後はまだ広告活動の準備をしている段階で、それでも飛び込みでいきなりご来店いただけることが複数回ありました。オープン初月に飛び込みでご来店いただいたお客さまは、今月成約の見込みです。母体のリフォーム会社では、広告を打たずに集客できた例が一度もなかったので、広告なしで飛び込みのお客さまが来店するという事態を目の当たりにして、本当に驚きました。現在も想像以上に集客が好調で、売上もかなり見込めており、良いスタートダッシュを切ることができました。
また、リフォーム会社をしていると、「この中古物件の購入を検討中なんですが、もしこの家をリフォームしたらどれくらいの金額になりますか?」という見積もり依頼がよくあります。正直なところ、建築やリフォームをしている会社にとっては、まだ家を買われていない段階でリフォームをご検討されることは、かなりゴールから遠いお話になります。比較的ゴールが近いお話の集客がある中で、このような案件に注力しづらい部分があるのも事実です。しかし、リフォーム会社とハウスドゥに加盟して不動産業もしている会社という立場から見れば、中古物件を買うかどうかわからない段階のお客さまは、かなり良いお客さまになります。お客さまの理想の生活を叶えようするならば、中古物件だけ単独のご提案、もしくはリフォーム単独のご提案だけでも限界があります。そこで、お客さまの理想の生活スタイルをヒアリングして共有したうえで、「お客さまの理想を叶えるために、こういうリフォーム工事をしましょう」「このようなリフォーム工事ができるのは、こういう物件です」と、中古物件もリフォームも扱える会社ならではの、当社でなければできない提案ができるようになります。このような案件のお客さまは、建築・リフォーム会社や不動産会社では、歓迎されるポジションのお客さまではなく、思ったような対応をしてもらえないまま当社にご来店いただくケースも多いです。当社では、ヒアリングしてから一人ひとりに合った話をさせていただくので、お客さまの気持ちが前向きになり、「私が探してた会社は、ここだったんだ」と、最初からかなり信用していただけるんです。その流れで、中古物件を仲介させていただき、さらにその物件にリフォーム工事をさせていただくことで、仲介とリフォーム両方の売上を立てることができます。建築・リフォーム会社単体でこういった案件は、これまで優先順位が低い案件でしたが、ハウスドゥに加盟させていただいたおかげで、優先順位の高い案件として対応できるようになりました。
オープン初月の売上動向
先ほどもお話させていただきましたが、オープン初月に1件契約できました。中古物件を買うかどうかはわからない、もし物件を買ったときにリフォームをしたらどれくらいの金額になるかというお問合せからスタートしたお客さまで、先ほどのような提案をさせていただいたことで契約ができました。物件価格は1,200万円で、仲介手数料は42万円です。さらに、リフォームとして、800万円の工事を受注することができました。ちなみに、800万円のうちの130万円は、リフォームの補助金を使わせていただいたので、お客さまのご負担はもう少し低くなりますという内容でご提案させていただきました。800万円の受注に対するリフォーム粗利は300万円、仲介手数料とリフォーム粗利を合計して、粗利は342万円です。オープン初月から、実はもう1件の契約が取れました。それは、売却依頼です。「自宅を売りたい」というお客さまに飛び込みでご来店いただき、ハウスドゥが買主として物件を買い取る「買取パートナー制度」を活用させていただきました。ハウスドゥの本部に、この売却物件情報をお送りしたところ、今は建物がある状態ですが、これを解体して更地渡しで350万円という価格査定をしていただきました。当社は、建設業許可がありますので、売りたいお客さまからの解体工事も受注させていただき、仲介手数料32万円と解体工事の粗利80万円、合計で112万円の利益を出すことができました。
オープン後2ヶ月目の状況
以上がオープン2ヶ月目の状況になります。現在、成約見込みの案件が複数あり、さらに大型リフォームを含めて受注予定の案件もあります。
まだ、オープンして1~2ヶ月ですが、不動産とリフォームの相性には、かなり手応えを感じています。得られた相乗効果は、実際の受注ケースである「不動産の集客=リフォームの集客」という形が実現でき、集客の窓口がかなり広がったと感じております。さらに完成形に近づけることができれば、不動産業からの集客のみで、母体であるリフォーム会社の工事案件も埋まるだろうと、将来的に見込んでいます。粗利率は、かなり上がりました。加盟前は、リフォーム工事の粗利率として大体25%の計算で契約をして、工事が進むうちにいろいろあって大体20%に落ちていってしまう案件が多かったです。しかし、中古流通をさせていただくようになり、その中古物件の販売価格とリフォーム費用を合算して、当社で銀行へ住宅ローンの審査に出しますよと提案すれば、とにかくリフォームの競争はほぼゼロで、粗利率の幅もアップできております。。物件選びや予算を当社主導で進められるので、…(ダウンロードすると続きをお読みいただけます。)
今後の展望
-
100以上の加盟店事例を無料でダウンロード!
チェックした資料をまとめてダウンロード!最大5件まで選択可能です。